宮城県高野連附属審判団の結成60周年記念式典と祝賀会
求められる審判増を目指して
宮城県高野連附属審判団の結成60周年記念式典と祝賀会が11月30日、仙台市内のホテルで開催された。宮城県高野連附属審判団の役員や団員、高野連関係者、加盟校の部長や監督が参加した。
「求められる審判像」と題して講演する赤井氏
高校野球の審判が高野連の附属になっているケースは珍しい。今年2月の宮城県高野連監督会で附属審判団の鈴木勇副団長(当時)は「団の結成の目的は、学生時代にお世話になった高校野球に恩返ししましょうということで、主に仙台の学校のOBの方々が力を合わせ、審判団を結成したと言われております。このような付属審判団は、東北においては宮城県と青森県、東北以外では千葉県と地域的広がりの大きい北海道と伺っております」と話していた。宮城県高野連附属審判団は昭和28年9月に結成され、現在は124名で構成されている。
記念講演は日本高野連審判規則委員会委員長の赤井淳二氏が「求められる審判像」と題して熱弁を振るった。信頼される高校野球の審判となるため、①正確な判断②明快な声とジェスチャー③試合進行をスムーズに④職場での在り方と項目を分けて話した。
記念祝賀会では、附属審判団の第10代団長である鈴木新六氏が連盟発足当時のことに触れ、「当時は現在のように電話が普及しているわけでもありません。その頃の連絡は大変だっただろうと思います。その時に一生懸命やってくれた方々に感謝申し上げます。その頃の団員数は把握しておりませんが、おそらく、少人数で学校の先生方に応援してもらってやっていたと思います」と先人の労をねぎらった。
また、団員数の減少も危惧。10年前の50周年の時には団員数が180名だったが、現在は124名に減少しており、「このような状況が続くと、また10年後には60名が減って、今の半数になるのではないかと心配しております。高校野球の発展に寄与するという附属審判団の精神を持ち続けるためにも学校関係者の理解と協力が不可欠であります。加盟校78校に1名ずつご協力いただければ、それだけ増えるわけですから、高校野球の発展のためには強くお願いしたいと思います」と訴えた。
人数不足はもとより、若い審判が少ないことも課題になっているが、「OBを主体としてスタートした気持ちを忘れずにやっていきたいと思います」と決意を新たにした。
(文・高橋昌江)