西武52年ぶりの外野ドラフト1位・蛭間拓哉 球団の顔となる活躍ができるか
蛭間拓哉
10月20日に行われたドラフト会議で西武は、事前の公表通りに1巡目で蛭間拓哉(浦和学院-早稲田大)に入札。他球団と重複することなく交渉権を獲得した。
蛭間は浦和学院高時代には渡邉勇太朗(現西武)とともに甲子園にも出場した外野手。聖地ではソロ本塁打も放ち、大会終了後にはU-18侍ジャパンの一員として第12回 BFA U18アジア選手権にも参加した。
早稲田大では1年春から試合に出場し3年春のリーグ戦ではベストナインも受賞している逸材。走攻守ともに揃っており、早い段階での一軍定着、そしてレギュラー奪取が期待されている。
近年の西武のドラフト1位指名選手を振り返ってみると投手が中心となっている。分離ドラフトが終了した2008年以降、ドラフト1位で野手を獲得したのは2013年の森友哉(大阪桐蔭高)と2020年の渡部健人(日本ウェルネス東京-桐蔭横浜大)の2人だけ。その多くが投手の指名だったことがわかる。
ポジションを見ると森は捕手であり、渡部は内野手としての指名だった。外野手の1位指名は1970年の高橋二三男(大鉄高-新日鉄広畑)まで遡らなくてはならない。なんと52年ぶりであり、前身含め球団史上2度目のこととなる。
当時の親会社は現在の西武ではなく西鉄。蛭間は親会社が西武になってから、初のドラフト1位外野手なのである。
西武のドラフト1位野手を振り返ってみると内野手は清原和博(PL学園高/1985年)や石毛宏典(市立銚子-プリンスホテル/1980年)といった黄金時代を支えたレジェンドたち。捕手では、伊東勤(所沢高/1981年)や細川亨(青森大/2001年自由枠)、炭谷銀仁朗(平安高/2005年高校生)に前述の森などチームを支えた選手が多く誕生している。
球団史上唯一のドラフト1位外野手である高橋は、社会人出身ということもあり1年目から118試合に出場し打率.249(365打数91安打)の成績を残した。しかし以降は伸び悩み1976年にロッテへと移籍。移籍後も目立った成績は残せず1979年に現役を引退した。
ドラフト1位の蛭間が球団を代表する外野手に育つことを期待したい。
(記事=勝田 聡)