平成の広島・大卒ドラ1、10人中5人が新人王!黒原は先輩らに続けられるか
黒原拓未(関学大)
広島は2016年から3連覇を達成したが、2019年からは3年連続Bクラスと低迷している。10月のドラフト会議では、隅田 知一郎投手(波佐見ー西日本工業大・西武1位)、山下 輝投手(木更津総合ー法政大・ヤクルト1位)と2度抽選を外した。3度目の入札で獲得したのが、サウスポーの黒原 拓未投手(智辯和歌山ー関西学院大)だった。
近年の広島のドラフト1位は栗林 良吏投手(愛知黎明ー名城大ートヨタ自動車・2020年1位)、森下 暢仁投手(大分商ー明治大・2019年1位)、小園 海斗内野手(報徳学園・2018年1位)とすでに1軍の戦力となっている選手が多い。黒原にも早い段階から1軍で活躍することが期待される。
黒原と同じ広島が指名した大卒ドラフト1位の投手は、どのような成績を残してきたのだろうか。1989年(平元)以降の投手たちを振り返ってみたい。
現役選手では森下をはじめ、野村 祐輔(広島広陵ー明治大・2011年1位)、大瀬良 大地(長崎日大ー九州共立大・2013年1位)、岡田 明丈(大阪商大高ー大阪商大・2015年1位)、加藤 拓也(現矢崎/慶應義塾ー慶応義塾大・2016年1位)の5名が現在も広島に所属している。
大瀬良はエース格としてチームを支え、このオフには国内FA権を行使せずに残留を決意。大型契約を結んだ。野村はここ数年苦しんでいるものの、2016年に16勝を挙げるなど通算77勝。3連覇にも大きく貢献した。岡田はここ2年1軍での登板はないが2017年には12勝を挙げている。復活を期待されているが、このオフにトミー・ジョン手術を受けており、来シーズンはリハビリに専念することになる。
また福井 優也(済美ー早稲田大・2010年1位)が現在楽天に移籍し中継ぎとして奮闘中。今シーズンは移籍後最多となる19試合に登板した。
すでに現役を引退した選手もチームを支えた選手は多い。1年目から守護神として25セーブを挙げ、通算165セーブを記録した永川 勝浩(新庄ー亜細亜大・2002年自由枠)。1年目から2年連続で2桁勝利を挙げた山内 泰幸(尾道商ー日本体育大・1994年1位)。その他にも故障で実働は短かったが初年度に12勝をマークした澤崎 俊和(志学館ー青山学院大・1996年1位)らの名前が並ぶ。
平成に入ってから昨年までに広島が獲得した大卒ドラフト1位の投手10名のうち山内、澤崎、野村、大瀬良、森下と実に半分の5名が新人王に輝いている。黒原も先輩たちと同様に新人王を受賞するような活躍ができるだろうか。
<広島大卒ドラフト1位の投手の通算成績>
※自由枠含む
※1989年(平成元年)以降
山内 泰幸(尾道商ー日本体育大・1994年1位)※すでに現役を引退
184試合(677回) 45勝44敗1S 防御率4.40
澤崎 俊和(志学館ー青山学院大・1996年1位)※すでに現役を引退
180試合(360回) 24勝17敗15S 防御率4.70
永川 勝浩(新庄ー亜細亜大・2002年自由枠)※すでに現役を引退
527試合(582回) 38勝42敗165S 79H 防御率3.46
篠田 純平(前橋商ー日本大・2007年大社1位)※すでに現役を引退
99試合(391回) 20勝26敗5H 防御率4.24
福井 優也(済美ー早稲田大・2010年1位)※現在は楽天
143試合(618.1回) 32勝41敗 防御率4.58
野村 祐輔(広島広陵ー明治大・2011年1位)
193試合(1143回) 77勝59敗 防御率3.54
大瀬良 大地(長崎日大ー九州共立大・2013年1位)
205試合(993回) 67勝44敗2S 24H 防御率3.40
岡田 明丈(大阪商大高ー大阪商大・2015年1位)
71試合(376回) 24勝17敗2H 防御率4.36
加藤 拓也(慶應義塾ー慶応義塾大・2016年1位)※現在の名字は矢崎
22試合(52回) 1勝3敗 防御率6.23
森下 暢仁(大分商ー明治大・2019年1位)
42試合(286回) 18勝10敗 防御率2.52