北山 亘基選手 (京都成章)
短評
京都成章が、夏の甲子園準優勝まで勝ち進んだ1998年以来となる甲子園出場を決めた。 その原動力が、エースで主将の北山亘基である。182センチの長身から振り下ろすストレートは142キロ。回転数が高く、手元でぐっと伸びるストレートが持ち味である。その回転数の高いストレートはいかにして投げることができるのか。それは投球フォームにある。 北山のフォームは一言で表現すると「柔」。ノーワインドアップから始動し、ゆったりと左足上げていき、右足の膝を適度に曲げてバランス良く立つことができている。重心を沈めるとき、左足を少し曲げて、同時に左肩のグラブを掲げて、さらに右足の踵をプレートに押さえ付けている。 北山は角度を付けたいのと、さらに、プレートを押さえつけている右足の反動を使って勢いよく投げたい狙いがあるのだろう。左腕のグラブの開きが遅く、テークバックも内回りの旋回をしていきながら、トップに入る。トップに入るまでなかなか打者から見えておらず、打ちにくさを感じるフォームではないだろうか。腕の振りは外回りにならず、内回りで打者寄りでリリースすることができており、良いリリースポイントで放ることができており、最後のフィニッシュでもしっかりと体重が乗っており、躍動感あるフィニッシュとなっている。下半身の動き、腕の動きが連動しているからこそ、伸びのある球を投げることができるのだろう。 またこのフォームによって生かされている変化球が、カーブである。いったん浮き上がるようにして落ちるカーブはなかなかの落差で、これが決め球となっている。 今年は春先から活躍が目立った。春の一次戦の洛星戦で無安打無得点試合を達成。さらに二次戦の1回戦では、秋準優勝の京都翔英には2失点完投勝利を挙げた。 夏では準々決勝の花園戦で10奪三振。準決勝の綾部戦では、12奪三振の快投。決勝の龍谷大平安戦は終盤に追い上げられ、6失点を喫したものの、見事、甲子園出場を決めた。 19年ぶりの聖地。まずは1勝をもたらす快投を見せることができるのか。
更新日時:2017.08.01
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