2009年10月14日 青森市営球場

秋田商業vs盛岡大学附属

2009年秋の大会 第62回東北地区高校野球大会 決勝
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片岡元気(秋田商)

秋田商延長11回サヨナラ、4年ぶり5回目の優勝!

両チーム共に決め手を欠き、0-0で延長にもつれ込んだ決勝戦。このままズルズルと延長が続く予感もする中、延長11回裏、 秋田商 は2死2塁から1番の麻生真主将(2年)が右中間へヒットを放ち、走者の佐々木翔(1年)が生還。サヨナラで4年ぶりの東北チャンピオンに輝いた。

主将の麻生がバットを振り抜くと、2塁走者の佐々木は一目散に本塁目掛けて走り出した。本塁ベース上で相手捕手と接触し、倒れこんだが、左手にベースの感触が残っていた。

1塁ベースを回っていた麻生の目に涙が溢れる。「片岡(元気・2年)が頑張っていたので何とかしたかった」と主将は喜びを爆発させた。

先発したのは前日の準決勝に続いてエースの片岡。「投げさせて下さい」と太田直監督に直訴してマウンドに上がった。「継投は考えています」と試合前に太田監督は話していたが、片岡は前日以上の出来。自らが「100点のピッチング」と話す通り、制球が安定して、 盛岡大附 打線から内野ゴロの山を築いた。

 だが打線がエースの奮闘に応えられない。盛岡大附の左腕・高藤(たかとう)佑地(2年)から8本のヒットを放ちながらも繋がらなかった。盛岡大附がエースの白石猛紘(2年)にスイッチした8回以降もあと1本が出ずに、試合は0-0のまま延長戦に突入。

 11回裏、太田監督は円陣で選手に声をかける。
「須田(貴司・2年)に代打を出す」。

須田は投手。準々決勝( 山形中央 戦)では完封し、準決勝( 本荘 戦)と決勝はファーストで先発出場。この須田を代えると控え投手がいなくなる。まさにエースに託して退路を立った。

先頭の佐々木がレフト前ヒットで出塁。続く須田の代打・佐藤拓也(1年)はバントを失敗したが、9番三浦広大(2年)はきっちりと送った。

ここで1番の麻生。「このまま延長が続くと、片岡の選手生命にも関わるかもしれないと思った。早く休ませたい気持ちでいっぱいだった」と意を決しての打席。ここまで早打ちが目立っていた麻生だが、この打席では、じっくりと見た。4球目を振り抜くと打球は右中間へ、佐々木が一気に本塁に帰ってきた。

「麻生がきっと打ってくれると思ってました」と2試合連続の完封となった片岡は頬を緩めた。

「(インフルエンザで)秋田に帰ったチームメートもラジオを聴いて応援してくれている。彼らにありがとうと言いたい」と太田監督は感無量。

 東北大会4試合で失点はわずかに1。しかし3試合連続の1-0が物語るように、得点力アップは大きな課題だ。「片岡と須田に頼りすぎていた。自分たちがもっとがんばらなくては」と話した麻生主将。1ヵ月後の明治神宮大会へ向けては、「もう一度、全員で背番号を争える」と決意を口にした。

 片岡も「東北地区のレベルが上がっている所を見せたい」と全国の舞台に早くも目を向けていた。

(文=松倉雄太

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