高知中央vs高知小津
6番左翼で2本の三塁打3打点の高知中央・田川賢吾(3年)
高知中央・田川賢吾、打で凄みを発揮!
この試合における注目選手は何といっても高知中央のエース田川賢吾(3年)。186センチ76キロの堂々たるものに成長した体格に代表されるように、秋から冬場にかけての「心・技・体」の急成長で、一躍ドラフト候補にも名があがるようになった逸材である。
ただし、この日の田川は「これまで県外強豪校相手に登板が続いていたので」(角田秀篤監督)登板予定はなし。代わりに「左翼・6番」というポイントゲッターとしての役割が与えられることに。投手田川の姿が見れないのは残念であるが、左打者としでも注目を集める彼の真価を問うには格好の機会である。
はたして、田川は「凄み」を打席でも存分に発揮した。第1打席こそ2点先制後の1死1・2塁の好機にショットミスから併殺打に終わったが、3回裏の第2打席では1死1塁から高めのストレートを叩き、右中間フェンス直撃のスタンディングトリプル。低い弾道で一直線にフェンスに向かって伸びるその弾道は、昨年の明徳義塾・北川倫太郎(東北楽天)を彷彿とさせるものである。
さらに5回裏1・2塁、第3打席の打球はもの凄かった。外角高めのストレートを捉えた田川の打球は中堅手が反応する間もなく頭上を超え、再びのスタンディングトリプル。この冬、「空振りしてもいいから、とにかく振ること。さらに軸を残し、下半身でフォローでは後ろを残すイメージ」を角田監督から学び、それをすぐ体現するあたりは野球センスの高さも感じさせる。
となればますます期待感が高まるのは、マウンドでの姿。「今春の高知県大会は田川賢吾一色で埋め尽くされる」。そんな予感すら漂う[stadium]高知市東部野球場[/stadium]での凄いバッティングであった。
(文=寺下友徳)