2010年07月21日 レクザムスタジアム

大手前高松vs笠田

2010年夏の大会 第92回香川大会 2回戦
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西本拓哉(大手前高松)

硬式復帰の大手前高松、「衝撃の」47年ぶり夏1勝

16時52分、大手前高松の左腕、西本拓哉(1年)が笠田最後のバッターをサードゴロに打ち取ると、レクザムスタジアムのネット裏記者席は騒然となった。大手前高松としては今年4月、硬式野球部として再加盟後初となる公式戦でいきなり初勝利。昭和38年(1963年)夏1回戦の飯山戦(7対0)以来47年ぶりの夏1勝もさることながら、加えて相手のヒット数を示す掲示には「0」の文字が。6年前に軟式野球部監督に就任以来、引き続き硬式野球部でも指揮を執っている山下裕監督も「びっくりしたが、あの子のリズムのいいピッチングに尽きる」と語る西本の公式戦初登板ノーヒットノーラン(7回参考記録)達成という快挙も、この1勝に花を添えたからである。

ただしいざ山下監督や選手たちに話を聞いてみると、こと勝利に関しては「夏に照準を合わせてきた」指揮官の言葉に代表されるように、相当の自信を持って臨んでいたことが見えてくる。

例えば軟式から硬式への転向を経験した4人の上級生のうちの1人、選手14人中唯一の3年生でもある石田将啓主将は軟式野球の大会を終えた11月から春にかけてのチームの様子をこう話す。

「硬式に転向する上ではまず体を作り変えないといけないと感じたので、週2~3回ジムに通うようにしました。それと軟式と硬式では打ち方が全く違うので、バッティングをビデオでチェックすることをずっと繰り返していました」。

さらに4月になると「(現在大学2年生の)兄が大手前高松の軟式野球部に所属していたとき監督の人格が素晴らしいことを聞いていたので、大手前高松への進学を決めた」西本をはじめ10人の新入生が入部。その後は硬式野球に順応できる体作りは継続しつつ、「練習から積極的に、クリーンアップはバントをしない」(山下監督)バッティングを軸に、「初心者でも基本をやれば野球ができた軟式野球を通じて大事であることがわかった」基本練習を徹底して推し進めることで、彼らはこの一戦に備えてきたのだ。

その積み上げは「3日前から緊張していたが初回の1点が選手たちを楽にした」と山下監督が語るとおり、打線は13安打8得点、「雰囲気に呑まれないようにした」西本は冒頭に触れたとおり、打者25人に対し無安打4四死球10奪三振という最高の結果に。「試合が終わってからスコアボードを見てはじめてノーヒットノーランと気付いた」と笑った石田は「子供の頃からの憧れだった」硬式野球の第一歩を踏み出せた充実感に満ちていた。

(文=寺下 友徳




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