Interview

東京ヤクルトスワローズ 川端 慎吾 選手

2013.03.24

第140回 東京ヤクルトスワローズ 川端 慎吾 選手2013年3月27日

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 市立和歌山商業高時代は、春・夏の甲子園に出場。センバツでは本塁打を放つなど、高校通算33本塁打をマーク。06年に東京ヤクルトスワローズに入団すると、高卒新人ながら遊撃手のレギュラーを獲得。その後も、攻守ともに安定した成績を残し、現在はチームの中心核のひとりとして活躍している。そんな川端選手に守備でのこだわりや、フィールディングの上達法などを伺いました。

遊撃手の必要な状況判断力を高めるために

東京ヤクルトスワローズ 川端 慎吾選手

――ヤクルトに入団1年目からショートを守ってきた川端選手。このポジションへのこだわりを教えてください。

川端慎吾選手(以下「川端」) 僕は小さい頃からショートを守ってきたので、このポジションに対してのこだわりは強いですね。試合で守っていて、ショートから見る景色が一番好きですし、落ち着きます。
 ヤクルトのショートといえば、池山さんや宮本さんなど多くの先輩方が守ってこられましたが、スローイングを見ても本当に素晴らしくて、どんな体勢でも投げることが出来てしまう。僕も真似したいんですけど、まだまだ雲の上の存在に感じますね。少しでも近づけるように練習を重ねていきたいです。

――そんな偉大な先輩方からアドバイスを受けることもあるのですか?

川端 はい、特に宮本さんは、プロに入って2年目から一緒に自主トレをさせていただいたり、試合中でもベンチに戻ると色んなことを教えていただくので、こんなに恵まれた環境で野球を学べることに感謝しています。

――川端選手は、守備においてどんな意識を持ってプレーしているのでしょうか?

川端 僕は高校時代は、きた球を捕りにいっては、ファーストに投げるだけの動きだったんですが、今はバッターやランナーを見て判断が出来るようになりました。
 これは、宮本さんやコーチの方から教わったことなんですが、バッターの打ち方を見て、「これは走り打ちしたな」とか「振り切ってから走ってるな」とか、ボールを見ながらもバッターやランナーにも注意を向けることで、「ここは慌てなくてもアウトに出来るな」とか「ランナーが走ってるから前に出なきゃいけないな」といった判断が出来るようになりましたね。そういう判断をするためには、周りの状況をすべて頭に入れておかなければいけないので、以前よりもすごく考えながら守るようになりました。

「しっかり芯で捕球することを意識」

――では、守備でのアドバイスとして、川端選手が考えるフィールディングの上達法とは?

川端 やっぱり反復練習ですね。同じことを何度も繰り返して、その動きを体が自然と出来るようになるまで反復練習をやり続ける。意識がもうろうとしている状態の中でやらないと身につかないですね。
 でも、高校時代は今ほどの練習はしていませんでした。プロ野球の練習量が分かった今、改めて高校の時はもっとやらないといけなかったなと感じます。

――さらにテクニカル的な部分では、どんなことを意識していますか?

川端 僕が守備練習の時に意識しているのは、しっかり芯で捕球することです。僕の場合、グラブの捕球面の真ん中よりやや小指側で捕るようにしているんですよね。この面のほうが取る位置が広がるので。ただ、意識していないと、どうしても真ん中で取ってしまうので、そこは常に意識しています。芯で捕っていない時は、ボールを持ち返してしまいますが、芯でパチっと取ることができれば、ボールの握り返しもスムーズになるんですよ。

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――続いて、遊撃手・川端選手のプレーを支えるグラブへのこだわりを教えてください。

川端 僕がグラブで一番こだわるのは、『シワができないこと』ですね。特に土手の部分にシワができると、捕球するときにボールを弾きやすくなってしまうんです。
 速くて生きた打球ほど土手に当たりやすいんですけど、今、使っているグラブは土手にシワが出来にくいので、速い打球が飛んできても安心して捕球できますね。
 また、フィット感も重視しています。僕は高校に入ってから今までずっとSSKのグラブを使っていますが、手にはめた時にピタっとはまります。そういった部分で、このグラブはとても使いやすいですね。

グラブのこだわりを語る川端選手

――あわせて、バットへのこだわりも教えていただけますか?

川端 今、使っているバットはバランスがよくて、他の選手が僕のバットを振った時に、「すごく振りやすい」と言うほど。
 これもSSKのバットなんですが、重さは、今までよりも長打力を出したいなと思って、10グラム重くして910グラムにしたんです。重いバットをしっかり振れた方がボールも飛ぶので重さを変えたんですけど、いきなり重くするのは怖かったんです。だから、少しずつ重くしていこうと思って、まずは10グラム重くしました。それでも振る感覚は変わらないです。やっぱりバランスがいいからでしょうね。

――川端選手は、昨シーズンは得点圏打率が高かったですが、勝負強さの秘訣とは何でしょうか?

川端 そうですね、追い込まれてから粘り強く対応できるようになったからですかね。追い込まれてからでも、配球を読んだり、バッテリーの癖などを頭に入れて対応できたことが結果につながったのかなと思います。

――なるほど。では、今シーズンの目標を教えてください。

川端 僕は、まだまだ成長段階ですが、今シーズンはもっと確実性を上げていきたいですね。『あいつがショートを守っていれば安心だ』と、周りの選手からも思ってもらえるようなプレーヤーになりたいです。

――最後に、高校球児の皆さんへメッセージをお願いします。

川端 高校時代の守備練習は、まずはしっかりした形で捕って、しっかりした形で投げることが一番大事だと思っています。それが出来たら、次は周りの状況を見れるようになる意識を普段から付けておくことですね。
 やっぱり、上達するためには相手チームのバッターやランナーの動き、周りの動きを練習でも試合でも意識して見ることで、成長スピードが変わってくると僕は思います。

川端選手、ありがとうございました。
いよいよ2013年の開幕を迎えますが、今シーズンも川端選手のプレーに期待しています!

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この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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