第30回信濃グランセローズ 竜太郎 選手兼コーチ 2009年03月12日
第30回独占インタビューは信濃グランセローズの選手兼コーチの竜太郎さんです。 NPB・BCリーグで共にプレイヤーを経験されている選手です。そんな竜太郎選手兼コーチから見たNPB、独立リーグについて話を伺ってきました。
教えることによって自分のプレーにどんな影響が?
【高校時代を振り返り01】
誰がどうとか、周りのことは考えずに、ただ必死にやってましたね。練習終わっても、寮でバット振っていました。
竜太郎コーチ兼選手(以下「竜」) やはり、言った人が試合に出て見本を見せないといけないというのは結構なプレッシャーですよね。常に成績を残さなければならないっていうのはあります。
スタッフ(以下「ス」) 自分が見本を見せるという事は教えている内容に忠実でなくてはならない。
竜 ただ、そればかりを考えてたら、人には教えられなくなると思います。
基本的に全部を頭ごなしに教えるのではなくて、まずどういうふうに取り組んでいるのかを聞きます。そして一緒になって、「自分はこういったことを経験してきたけど、やってみたらどうだ。」と言うなど、また違う方向(こういう取組み方はどうだ?という感じ)でアドバイスをしています。そこは難しい所ですけど、だからといってこの独立リーグの選手はどうしないといけないのか、また小学生に教えるのと違うと思うので、そういう意味ではこれが正しいというのはないと思うので、いろいろ探りながらいまやっていますね。
昨年は本当にいい経験させてもらったので、それを少しでも生かせるようにしていきたいです。自分にもプラスになればいいなと思いながらやっています。
6年間のNPB生活を通して感じた率直な気持ちは
竜 悔いは残りました。だから今でもここでやっています。でも、この独立リーグというのも良いものだなと思いました。来て2年目になりますが、戦力外になった時に声がかかって、1年間独立リーグでプレーして、凄いなと感じています。本当にお客さんも応援してくれるし、野球も本気でできるし、若い選手も育ちます。
だから、プロの中でNPBだけじゃないとも思いました。NPBでまだやりたいって悔いは残りましたけど、だからといって後悔にはならないと思うんですよね。また新しいのがここに見つかったので。
ただNPBは本当に夢を見させてくれる場所でした。
お立ち台にあがった時にはうれしかったですし、初ホームラン打った時のことも忘れないですし、合併する事になった年のグリーンスタジアムでの近鉄-オリックス戦の最終戦、最後にホームラン打てたのも思い出に残っています。非常に恵まれていましたね。成績は残っていないかもしれませんが、一軍でも少しは試合に出させて頂き、今は良しとしないといけないのかなと思っています。
若い選手達には本当にNPBを目指してほしい。やればやるだけ近づいていくので。もう一回生まれ変わったら行きたいですね。
NPB6年間で学んだ事
【高校時代を振り返り02】
3年夏の決勝戦の敗退が、一番悔しい試合でした。やはり、1,2年の時に甲子園行って、3年になって自分と一緒にやってきたメンバーを連れていってあげれなかった。そこでまたもう1回上に行って、みんなのために野球をやろうと思いました。
【写真提供:信濃グランセローズ】
竜 練習量と内容の濃さ。取り組む姿勢ですよね、野球っていうのはこうだと。自分も野球好きですが、それどころのレベルじゃないなと思いました。
野手で大島公一さんという方がいたんですけど、1年目終わってこれで駄目だと思って、2年目のキャンプ前の自主トレで大島さんと一緒にトレーニングさせてもらいました。今までやってきたことが覆されましたね。すごいことをやっていて、やっぱりプロっていうのはこれだなって思って、長いことずっと一線を渡り歩いてきた人っていうのはこういうことしているんだなと思いました。
バットを持つ事ひとつにしても、ずっと持っていますし、いろんなことを考えています。
ボールのどこを打ったらどうなるのかとか、本当に細かいところまで考えていて、プロはこんなところまで考えないといけないと思いました。自分は走った、打ったしかやっていなかったんですよ。
ボールの縫い目をどうにかするぐらいまで考えていた人で、グローブの角度はこうだとか・・プロの頂点に行く人っていうのはそれぐらい繊細な人が多いのかなって思いましたね。
ス 頂点に行く選手は凄く深く技術を追求しているのですね。そこで取り組んだ具体的な練習とは?
竜 簡単に言えば、朝の10時から夕方5時までずっと練習です。
午前中はランニングメニューと守備の練習1時ぐらいまでやって、それから室内入って打ちっぱなしです。2時から5時ぐらいまで。そこから自分はウエイトトレーニング行ったので、8.9時まで。キャンプだったら全体でやるので自分のまわってくる時間は少なくなるんですけど、自主トレーニングだったら2人だけでやります。それをずっと動きっぱなしでやるので、中身がすごく濃いですよ。
あれがあったから自分が2年目、3年目少しずつ結果を残せたのかなあと思っています。自分があの人と出会えて良かったというのはそこです。あれだけやるからこそ上手くなるのだと思いました。自信にもなりましたね。
また吉井さん(現・日ハムコーチ)は「正月なんかは勝手に日本が決めたもので、プロ野球選手にはない。」とおっしゃられていました。だから、正月休みも2日ぐらいしかなかったですからね。
ス それをきっかけに深く考えるという習慣がついたのでは?
竜 まあ、ついたことはつきました。今まで自分は結構大胆で、打てばいいだろという世界で自分はやってきたので、それでも自分は大島さんと会ってそうではないぞと、守れないと試合に使ってもらえないんだからということで、ボールの投げ方とかずっと教わりました。
自分がユニフォームを脱いだ時に、やはりいろいろ考えながら、どうやったら生きていけるんだと深く考えている人が、(生き残るんだなと)少しずつ分かってきました。
ス 常に考えている人が生き残っていけるわけですね。
アマチュアとプロの違い
竜 高校、大学、社会人とプロに行くという事を決めながら練習してきました。
しかし、入った時、意識的、見た目のギャップはものすごくあったので、レベルの違いは感じたんですけど、それに対して、もっと上手くなってやらないといけないとも思いましたね。このままじゃいけないって。レベルの違いっていうのは1年目に痛感しました。
それに周りの意識の高さと。「みんな生活がかかっているんだなー。」という意識が1年目は甘かったのかなーと思いましたね。
ス プロでやっていくなかで通用したと思える部分は?
竜 たいした成績が残せなかったので難しいことですけど、やはり練習に最後までついていくという体力に関しては通用したと思います。アマチュアの時に、松商学園や明治の時にやった練習があったから、プロに入っても暗くなるまで最後まで練習についていけました。 そうでなければ、そこまでの成績は出せなかったと思います。体力は周りの選手には負けてなかったと思いますね。
NPBにもう1回チャレンジという気持ちは?
【高校時代を振り返り03】
高校時代は忍耐力が付きましたね。また打撃練習、守備練習、走塁練習、冬場の雪の中でのトレーニング、そういうもので鍛えられ、どんどん大きくなっていけた気がします。
竜 今までその気持ちでずっとやっていました。今年もそれを念頭に置きながらやっています。
まずはシーズンで、去年は4月の開幕に間に合わなくて迷惑をかけたので、今年はなんとかシーズン開幕にコンディション持くようにやっています。そして、もう一つの目標にも向かって野球を頑張っていくところですね。
ス 今は順調には来てますか?
竜 今は順調に来ていますね。こればかりはね、どこで転ぶかわからないので、慎重に、慎重に、行ってます。
ス 昨シーズンの反省点などありますか?
竜 昨年はなかなか自分の思うような成績は残せなかったので、凄く悔しい思いをしました。
だけど、色々な事が見えてきましたね。教えることに関してもそうですし。
独立リーグの試合の長いバス移動をしてから、試合して夜中の2時、3時に帰ってきて、また次の日6時におきていかないといけないというような事が、色々ひっくるめてあるんですけど、やりがいのある所なので、じゃー自分はどういう風にコンディション整えながら1シーズン戦えるようにしないといけないのかって学べたような気がします。
昨年より、シーズンを通して出れるようにして、貢献していきたいとは思っています。
BCリーグでプレーすることの魅力
NPBを目指し、野球にとことん打ち込める環境が
ある。 【写真提供:信濃グランセローズ】
竜 基本的にアマチュア球界で社会人チームがどんどん無くなってきているじゃないですか。
でも、本当にプロに行きたい、野球やりたいとおもっている選手がいたら、独立リーグに来てレギュラーをとれば、どんどんスカウトが見に来ているので、非常にNPBにいける近道だとは思いますけどね。夢を捨てないでやりたい選手がいるならどんどん来ていい場所だとは思いますね。
また、野球だけではなく、指導や挨拶も結構厳しくやってますので、挨拶しろだったり、髪型も全部厳しくやってますので、そういう面でも本人はわからないかもしれませんが、その先、生きていくうえには本当にいいところだとは思います。
あと、お客さんと凄く近いので、いつもイベントをやるような形です。勉強にはなると思います。人前に出るということで勉強になると思いますし。
ス 人前に出ることでプロとしての意識も・・?
竜 だいぶ高くなるとは思います。人前に出るというのは、やはりそこらでやってた草野球の兄ちゃんがポンと入ってきたら、そういうところに出てしまうんだよって自覚を持たないと駄目ですね。
ス 見られることによって、プロ野球選手って実力が上がっていくのでは?
竜 (実力が)上がる人もいると思います。やはりお客さんに見られているという事は、意識も高くなりますし、良いプレーをしないといけないという気持ちが出てくるので自然と気持ちも高ぶり、自然と良いパフォーマンスができると思いますね。
ス 地域の方々の声援は熱いもの?
竜 自分がここに入るきっかけになったのもそういうのがあったりしました。初めビデオ見させてもらった時に、開幕で観客が5〜6000人入っていて、これは凄いと思いました。
自分の進路を悩んでる時にあったのがお客さんの声援でもありますし、非常に長野県民のみなさんが応援してくれるので、グランセローズに関してはすごいお客さんは熱いですね。
ス 練習環境も整っているという話も聞きます。
竜 練習環境もいうことはないですね。NPBから来て、やはりNPBと比べたら落ちるところはあると思いますが、そういっても独立リーグの中、アマチュアでやる中であるなら、文句のつけようがないグランドもありますし、室内もありますし。
ジムなんていうのは本当に安いお値段で貸してもらえる、しかもきれいな所です。一般の人だと月1万ぐらい払うところをみんな1000円ぐらいで貸してもらっています。そういう面で地域の方々から「頑張れよ!」というサポートを受け、選手もありがたく思ってますし、環境に関しては文句の付けようがないですよね。
ス だから、地域のひとのためにいいプレーをしようってことにもなってくると思いますよね。
竜 特にそうなってきますよね。これだけしてもらってるんだから、なんとかお客さんに喜んでもらいたいです。
ス BCリーグでの今後の目標は?
竜 優勝はもちろんですが・・2年目は最下位なので、とりあえず前期優勝しないと、前後期とかでなくて、まずは前期優勝しないと。そこはまず目標ですよね。近い目標っていうのは。
そして、自分はきっちり開幕に合わせる。これがいまの目標にはなってるんですけど。遠い目標を置くよりは、近い目標を置いて・・個人的には開幕にあわせて、なんとか力になれるというのを目標に置いて、チームがうまい具合にまわっていって前期優勝。
後はお客さんが入ってくれるっていうのも目標にはなってくるんですけど。
成績だけじゃなくて、お客さんも。お客さんと一緒にやっていける、これが1人、2人となってきたらさびしい話なんですけど、やはり何万人というお客さんが入ってプレーするっていうのが目標でもあり、夢でもあります。
ス NPB時代と比べると、俯瞰的に色々な事を考えながら、色々な目標がありますね。
竜 そうですね。選手とは違うと思いますよね。2,3万入ってる中でやれるっていうのをみんなにも味わってほしいですし、やはりそれだけのお客さんが来るということは、いろんなことが動くんだよって充分分かっているので、良くなってくるとは思います。それでお客さんに知ってもらえば、知名度も上がってきて、しっかりしないといけないんだなともなってきますし、叱咤激励もあると思いますしね、ちゃんとしろと。
強くなればお客さんも徐々に増えてくると思うんです。これだけ今弱いのに応援してくれているので、ここから強くなっていけば少しはまたお客さんが増えて、年々増えていけばいいなあと思いますね。急にじゃなくても。
ス お客さんのために強くなる。そのためにはまずは前期優勝。個人的には開幕に間に合わせるという事ですね。数字なんかは?
竜 自分は打つ事に関しては一番上に。もちろん去年も置いてたましたが、中々できませんでした。トップにいないといけないと思って今年もやります。何でも一番が好きなので、打率に関しては一番を目指します。
高校生へメッセージ
竜 3年間あっという間に終わってしまいますし、悔いの残らないようにとよく言われるんですけど、やはり自分の目標に向かってやっている訳ですから横に反れる事のないように、野球をやるならそれに全力を注いで、駄目ならそれでも悔いは残らないと思います。
野球と勉強やると決めたら、それに向かって一生懸命やるやつが本当のかっこいい男だと思いますし、そういうところで頑張れるようにそういう人間になって欲しいですね。
ス ありがとうございました。
- 竜太郎 コーチ兼選手
- 生年月日:1976年06月08日
- 出身地:大阪府
- 松商学園高校
92年93年、夏 、甲子園出場 - 明治大学
4年秋・ベストナイン受賞 - ヤマハ
3年連続都市対抗出場
00年アジア選手権 主将 - 2001年、ドラフト8巡目でオリックスブルーウェーブに入団。
2004年には規定打席未満ながら打率3割をマーク。 - 2005年、選手分配ドラフトにより東北楽天ゴールデンイーグルス に移籍。
- 2008年、打撃コーチ兼任選手として信濃グランセローズ入団。

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