同世代に逸材揃うも「対戦するのは相手投手」　九国・佐倉侠史朗は“チームのために確実性を上げる”

佐倉 侠史朗（九州国際大付）

　28日、第94回選抜高等学校野球大会（3月18日開幕、[stadium]阪神甲子園球場[/stadium]）の出場校が発表され、九州国際大付（福岡）の11年ぶり3回目の出場が決まった。

　公式戦でチーム最多の5本塁打を放った1年生・佐倉 侠史朗内野手は、「素直に嬉しい気持ちと、これからまだやらないといけないことがたくさんあり、短い期間ですが自分に足りないところを最後まで練習していこうという気持ちになりました」と、甲子園に向けて気持ちを引き締めた。

　硬式野球チーム・球道ベースボールクラブから九州国際大付へ入学した。入学時から、打撃技術の高さには楠城 徹監督も一目置いていたといい、1年春からベンチ入り。新チームからは4番に抜擢された。

　重心の低い構えから長打を連発し、秋季福岡県大会では2本塁打。秋季九州地区大会でも2本塁打を放ち、さらに打率.357、チーム最多の7打点と4番として申し分ない活躍を見せて、明治神宮大会への出場に大きく貢献した。

「甲子園で注目されるバッターになるために、勝負強い打撃や持ち味の長打力を見せていきたいと思います。もちろんホームランも意識はしますが、決してホームランだけが野球じゃありません。あくまでチームのために打ちたいと思います」

佐倉 侠史朗（九州国際大付）

　九州地区大会の勢いそのままに、明治神宮大会でも一発を放って衝撃の全国デビューを果たした佐倉だが、その一方で上には上がいることも痛感させられた。準決勝の大阪桐蔭戦では、2回の第1打席で右越えのソロ本塁打を放ったが、残り2打席は2三振で、チームとしても試合後半に集中打を浴びてコールド負け。全国屈指の名門校の壁にはね返された。

　敗戦を経て佐倉は、長打力以外でもレベルアップする必要性を痛感した。
「1打席目はしっかり捉えることができましたが、2打席目からは相手の配球に負けました。狙っている球が全然こなかったり、甘いコースにも簡単に投げてくれなくなりました。

　自分たちは打力が持ち味のチームと言われていますが、確実に捉えることができず、その面では大阪桐蔭さんは全然違うなと感じました。バッティングの確実性、あとは走塁ミスもないように、選抜まで一つ一つ練習でやっていきたいと思います」

　今大会では大阪桐蔭の前田 悠伍投手（1年）や、花巻東の佐々木 麟太郎内野手（1年）、広島広陵の真鍋 慧内野手（1年）と、同世代に実力者が揃うが、「対戦するのは相手投手」と過度に意識することはないと強調する。神宮で味わった悔しさを、初の聖地で晴らすことができるか注目だ。

（記事：栗崎 祐太朗）