「打てる捕手」への可能性をラストイヤーで示す 四宮秀明(戸塚リトルシニア)
第7回DeNAベイスターズカップに出場した戸塚リトルシニア。これまで多くの甲子園球児を輩出した同チームに、また楽しみな選手が現れた。
それが四宮秀明だ。3番で捕手という、まさにチームの要を担う四宮は、「強打の捕手」になれる可能性を秘めた選手だ。ベイスターズカップは惜しくも一回戦で敗れたが、高い潜在能力を感じさせるプレーを披露した。
今回はそんな四宮に、ベイスターズカップの試合後にインタビューを行い、これまでの歩みや目標とする選手像についても迫った。
ベイスターズカップでの敗戦を糧に飛躍を誓う
ベイスターズカップでの四宮秀明(戸塚シニア)
「四宮秀明」の名前を初めて聞いたのは、ベイスターズカップの1週間ほど前であった。関東地区のある高校野球関係者に、神奈川県内の注目の選手を訪ねたところ、返ってきた選手の中に四宮の名前があったのだ。
実際に四宮のプレーを見ると、大きな可能性を秘めた選手であることはすぐに分かった。身長175センチ、体重85kgと中学生とは思えない屈強な体格を持っており、スイングの強さも問答無用に良い。
ここにスローイングやフットワークといった、「捕手としての資質」が身についていけば、日本野球界で渇望されている「打てる捕手」になれるに違いないと感じた。
ベイスターズカップでは、初戦の横浜旭峰ポニー戦で6対3で敗れて苦杯を味わった四宮だが、下を向いている暇はない。四宮は、今回の敗戦を糧にして、次の大会に向けて励んでいくことを強く誓った。
「この大会では優勝を目標にしてきましたが、チャンスで一本が出ませんでした。
ですが、これからまた大会があります。また切り替えて、リセットして、明日から自分たちの野球をやって次の大会に臨みたいと思います」
中村奨成選手のような打てる捕手に
鋭いセカンドスローを見せる四宮秀明(戸塚シニア)
そんな四宮が戸塚リトルシニアへの入団を決めたのは、チームカラーに非常に好感を持ったためだと話す。どのチームよりも明るく声が出ており、非常に活気のある雰囲気を見て、四宮は戸塚リトルシニアで野球に打ち込むことを決意した。
「いろんなボーイズやシニアの体験に行きましたが、戸塚シニアは声も出ていて明るいチームでした。自分もここで、自分のレベル上げたいなと思って入りました」
こうして、名門・戸塚リトルシニアへと入団を果たした四宮は、その後も順調に力を伸ばしていった。元々、横浜DeNAベイスターズジュニアにも選出される程の実力を持っていた四宮だが、その実力を遺憾なく発揮しており、大黒柱としてチームを引っ張っている。
そんな四宮が、目標とする選手として名前を挙げたのが、広島東洋カープの中村奨成選手だ。「打てる捕手」を目指す四宮にとって、中村選手の甲子園での活躍は強く目に焼き付いており、中村選手のような攻守にわたる活躍を四宮も目指しているのだ。
「甲子園での活躍をみて、中村選手のようになりたいと思いました。打撃も守備もすごい選手だと思います」
神奈川県内でも指折りの名門シニアの正捕手が、ラストシーズン、そして高校野球の舞台でどんな活躍を見せるのか。その一挙手一投足から目が離せない。
文=栗崎 祐太朗