Interview

憧れは中田翔!2年生4番・西野力矢(大阪桐蔭)はチームの勝利の為に打ち続ける

2019.06.18

 6月17日から大阪桐蔭特集がスタート!17日連続で記事を掲載していきます。大阪大会夏3連覇を狙う大阪桐蔭の選手たち、OBたちを取材し、大阪桐蔭の魅力をたっぷり伝えていきます。今回は2年生ながら4番を務める西野力也に迫っていきます。

 逸材揃いの大阪桐蔭で、1年秋から4番に座り続ける西野力矢。180センチ89キロとスタイリッシュな選手が多い近年の大阪桐蔭において、中村剛也を思い出させるようなスラッガー体型から本塁打を量産。高校通算14本塁打(2019年5月31日時点)は2年生ながらチームトップを走る。
 そんな西野はどんな意識で日々の練習に取り組み、上達をしているのか。選手として初めて夏を迎える西野に想いを聞いた。

ボールボーイとして連覇した先輩たちの凄さを目の当たりにしてきた

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西野力矢(大阪桐蔭)

 西野が野球を始めたのは兄・西野詠吉選手(ミキハウス)の影響が大きい。3歳の時、兄の影響を受けて、3歳のときから野球を始めた。小学校時代は大阪泉州ボーイズに所属。自慢の長打力は小学校から自信があった。中学ではボーイズ、シニアなど連盟に所属していない南大阪ベースボールクラブに所属する。

 「練習試合があって、その時期になってきたら遠征して試合をしているチームでした」

 ちなみにこのチームから大阪桐蔭に進んでいる選手が多く、OBには青柳昴樹(横浜DeNA)、松山心(大商大・3年)、道端晃大(同志社大・1年)がいた。練習試合中心ながら、西野は長打力を発揮しており、中学通算35本塁打を放っている。とはいえ、大阪桐蔭のような名門校に進む意識はなかった。

 「だから誘われた時、驚いたんです。でも、大阪桐蔭に対する憧れはずっと持っていて、子供の時、[stadium]紀三井寺球場[/stadium]で行われた近畿大会で、中田翔さんのかなり遠くまで飛ばしたホームランを生で観て、あとは藤浪晋太郎さんとかも観て、カッコいいなと思っていました」

 大阪桐蔭の選手は凄い。そんな憧れの感情は入学してからも変わりなかった。
 「甲子園で優勝している3年生達はフリーバッティングから打球の勢いが違ったので、凄いなと思いました」

 そして西野は3年生に気に入られ、「中川さん、藤原さんを筆頭に多くの3年生によくしてもらいました。みんな優しかったです」と照れる西野。その後も、Aチームのノックに入ったり、最後の練習試合でも一緒に帯同。1年夏、ベンチ入りはならなかったが、ボールボーイとして、グラウンド上から先輩たちの姿を目に焼き付けた。

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打撃練習中の西野力矢(大阪桐蔭)

 「生で凄いのが観られたので、嬉しかったですね。本当にスタンドで見るのと違って、見え方が全然違います。履正社戦の逆転劇は1人で盛り上がっていました!先輩たちはああいう大歓声の中で普通にやっているというのが凄くて、応援とかも凄くて、グラウンドに立ってないのに緊張しましたね」

 そして甲子園が終わり、西野は打撃でアピールし、1年秋にレギュラーの座を獲得する。デビューした堺工科戦でいきなり満塁本塁打を放つ。
 「振るだけということを考えて練習をしていたといいますか、当たってくれたんで良かったです」

 さらにこの試合では2本目の本塁打を放ち、「無我夢中で打席に入っていて、自分でも驚きの結果でした」と振り返る。これまでボールボーイとして、グラウンドを見つめていた西野だったが、いざ背番号をもらってプレーをすると緊張感が違った。

 「緊張しました。ユニフォームに背番号つけてプレーすることは、重さを実感しました」

 そしてクリーンナップを打ち、近畿大会も経験するが、勝負強い打者となって打点を稼がなければならないことを実感した。
 「点を取れる場面で打点が取れなかったので打点を取ることと、守備をもっと上手くしていかないとダメだと思いました」

 冬場の個人練習では自分の攻守を見つめ直した。

[page_break:夏では4番打者にふさわしい打撃を]

夏では4番打者にふさわしい打撃を

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守備練習を行う西野力矢(大阪桐蔭)

 まず打撃はフォームを修正した。
 「秋は足を上げて打っていたのですが、春からは足を上げずにタイミングをとって、ヘッドを走らせるというのをずっと意識していました」

 そのためにどう意識して打撃練習をしたのか。
 「身体より前で打つようにしたらヘッドが走って打球が良くなるので、それをずっと意識していました」

 また中学時代以来の三塁守備に挑戦。「打球の勢いが中学とは全然違いました」と難しさを実感しながらも、三塁手の先輩・山田優太からアドバイスを受け、ノックを必死にくらいつき、少しずつ上達をしていく。

 さらに体を絞った。「冬場の走り込みはかなりきつかったです」と苦笑いする西野。入学当時、178センチ98キロだったが、走り込みの結果、12キロ絞り、86キロまで痩せた。今では178センチ89キロまで戻し、キレとパワーを兼ね備えた肉体にレベルアップした。

 そして春の大阪大会でも、4番打者を打ち、春の大阪大会でも公式戦4本目となる本塁打を放ち、順調に活躍を見せていたが、5回戦の近大附戦で敗退。

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打撃練習を行う西野力矢(大阪桐蔭)

 「この試合ではなんとかしようと思って打ちにいく気持ちが焦りとなりました。夏でしたら、もっとそういう試合が増えてくると思うので、ああいう時に打たされるんじゃなくて、自分の間で打てるようにしなければと反省しました」

 最近の練習試合では「間合い」をしっかりと取ることを意識して打席に入っている。試行錯誤は続いているが、安打も多く出ており、夏へ向けて状態を高めている。

 将来目指す打者像をきくと、
 「中田翔さんですね。小さい時に見た中田さんの打撃はやはり憧れますし、そこはぶれないです」

 最後に夏へ向けて意気込みを伺った。
 「秋に負けて甲子園に出られなくて、春も負けたので、夏は『今度こそ勝つ!」。夏はなんとしてでも勝ちきるということで、チームに流れを持っていけるようなバッティングをしたいです。その気持ちだけで臨んでいきたいと思います」

 今度はプレイヤーとして甲子園の土を踏むために。大阪桐蔭の4番打者として、勝利に導く打撃を常に見せ続けていく。

文=河嶋宗一

大阪桐蔭特集がスタート!!

 6月17日から大阪桐蔭特集がスタートしています。17日連続で記事を掲載していきます。大阪大会夏3連覇を狙う大阪桐蔭の選手たち、OBたちを取材し、大阪桐蔭の魅力をたっぷり伝えていきます。
6月17日12時 大阪桐蔭 野球部訪問【前編】「夏の全国連覇を目指して、大阪桐蔭の現在地」
6月18日12時 大阪桐蔭 野球部訪問【後編】「どんな結果でも日本一を追求しつづける毎日は変わりない」
6月19日12時 中野波来主将 インタビュー【前編】「偉大な先輩たちの背中を追ってきた下級生時代」
6月20日12時 中野波来主将 インタビュー【後編】「知られざる主将としての重圧。すべてを乗り越え、夏は大爆発を」
6月21日12時 宮本涼太選手 インタビュー【前編】 名門の道を歩んできた野球人生 転機となった台湾遠征
6月22日12時 宮本涼太選手 インタビュー【後編】 そして憧れる強打の二塁手へ 宮本涼太(大阪桐蔭)【後編】
6月23日12時 西野力矢選手 インタビュー 憧れは中田翔!2年生4番・西野力矢(大阪桐蔭)はチームの勝利の為に打ち続ける
6月24日12時 OB 青地斗舞選手(同志社大学)インタビュー【前編】 大阪桐蔭最強世代の2番になるまでの軌跡
6月25日12時 OB 青地斗舞選手(同志社大学)インタビュー【後編】史上初2度目の春夏連覇を達成の影に高校生活で最も厳しい練習があった
6月26日12時 OB 道端晃大選手(同志社大学)インタビュー【前編】 センバツ連覇で喜ぶ同級生たちをスタンドから見守った
6月27日12時 OB道端晃大選手(同志社大学)インタビュー【後編】「野球は高校野球だけじゃない」恩師の言葉を胸に
6月28日12時 OB 宮崎仁斗選手(立教大)インタビュー【前編】「自分の生きる道を考え続けた3年間 宮崎仁斗(大阪桐蔭-立教大)」
6月29日12時 OB 宮崎仁斗選手(立教大)インタビュー【後編】「自分の居場所を見つけて勝負ができれば、チームも強くなる 宮崎仁斗(大阪桐蔭-立教大)」
6月30日12時 OB 山田健太選手(立教大)インタビュー【前編】「甲子園で活躍するための練習、生活を送ってきた 山田健太(大阪桐蔭-立教大)」
7月1日12時 OB 山田健太選手(立教大)インタビュー【後編】「4年後はメンタリティも、技術もプロに進むのに相応しい選手へ 山田健太(大阪桐蔭-立教大)」

7月2日12時 OB 田中誠也選手(立教大)インタビュー【前編】「コントロールで生きる!自身のスタイルを確立させた大阪桐蔭時代 田中誠也(立教大)」


7月3日12時 OB 田中誠也選手(立教大)インタビュー【後編】「研究を重ねてどり着いた回転数の高いストレートと決め球・チェンジアップ」

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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