Interview

「周囲の支え」によって不安から脱却 松浦咲花(飯塚ボーイズ)【前編】

2019.02.06

 福岡県内で、毎年指折りの強さを誇っている飯塚ボーイズ。ノックの達人として、TV番組にも取り上げられた春山総星監督の話題性だけでは無く、2011年にはジャイアンツカップ優勝を飾るなど、確固たる実績も残している。

 そんな飯塚ボーイズで、現在主将を務めているのは女子選手の松浦咲花(さくら)選手だ。チームではセカンドを任され、打線の中でも2番や9番などで小技を利かせた役割をになっている松浦選手。また、これまで中学野球の強豪2チームを率いた経験のある春山監督も、松浦選手のキャプテンシーに「とても頼もしい」と信頼を寄せている。
 今回はそんな松浦選手にインタビューを行い、キャプテンとして心掛けていることや将来の目標について伺った。

1年生の頃からキャプテンにすると伝えられていた

「周囲の支え」によって不安から脱却 松浦咲花(飯塚ボーイズ)【前編】 | 高校野球ドットコム
松浦咲花(飯塚ボーイズ)

 「咲花はしっかりしとりますし、責任感もあります。今は女性の選手も増えているので、日本一になるチームでも女性選手が活躍するんだというところを全国に広めたいと思いますね」

 そう語るのは、飯塚ボーイズの春山監督だ。真面目で責任感も強い松浦選手の性格に目を付けていたという春山監督は、1年生の頃からキャプテンを任せる方針を松浦選手に伝えていたと話す。

 たが、春山監督から大きな期待を受ける一方で、松浦選手はキャプテンという重責を担うことに対して、最初は不安も大きかったと話す。
 そんな中で、松浦選手の大きな支えとなったのはチームメイトの存在だった。

「周囲の支え」によって不安から脱却 松浦咲花(飯塚ボーイズ)【前編】 | 高校野球ドットコム
主将として列の先頭に立つ松浦咲花(飯塚ボーイズ)

 「新チームになる前から、キャプテンになると言われていて不安もありました。
 でも今はチームメートが支えてもらえるので、不安はありません。色んな面で手伝ってくれたり、支えてくれたりします」

 そんな松浦選手が、キャプテンとして気をつけていることに挙げたのが「声かけ」だ。自分のことだけでなく、チーム全体をまとめるいくことの大変さを強く感じていると松浦選手は、声かけを多く行っていくことでチームをまとめていくことを心掛けていると話す。

 「特に、(チームの雰囲気が大事な)試合中の声掛けは強く意識するようにしています」

[page_break:女子プロ野球選手という夢をご両親も最大限にサポート]

女子プロ野球選手という夢をご両親も最大限にサポート

「周囲の支え」によって不安から脱却 松浦咲花(飯塚ボーイズ)【前編】 | 高校野球ドットコム
ノックを受ける松浦咲花(飯塚ボーイズ)

 そんな松浦選手が野球を始めたのは、小学校1年生の時だ。野球に打ち込んでいた兄の影響から、早い段階で野球の道を志し、一本松ライオンズへ入団した。

 飯塚ボーイズに入団したのも、もちろん自らの意思だ。「女子プロ野球選手になりたい」という夢を叶える為に、中学から硬式球を使っていくことを決め、「ノックの達人」として名前の通っていた春山監督の下でプレーすることを決断。
 福岡県内の強豪・飯塚ボーイズに入団した。

 体格に差のある男子選手の中で、必死に食らいついていき、新チームではキャプテンも任されるまでに成長した松浦選手。だが、ここまで成長することができたのは、松浦選手の努力だけでは無く、ご両親のサポートや理解があってこそだ。

 「みんなと同じ練習をやっていて、やっぱりきつとい思います。でも自分は気にしていません。やるからにはとことんやってもらわんと。キャプテンになるときも、女やけんて言って関係ないと思ってました」

「周囲の支え」によって不安から脱却 松浦咲花(飯塚ボーイズ)【前編】 | 高校野球ドットコム
飯塚ボーイズの春山総星監督

 そう語るのは、松浦選手の父である松浦誠さんだ。松浦さんは、やる以上は女の子であるとことは関係ないとした上で、飯塚ボーイズで野球に打ち込むことに最大限の理解を示し、女子プロ野球選手になるという目標を心から応援している。
 また母である松浦彩さんも、生活面や食事面で松浦選手の夢をサポートしていくことを心掛けている。

 「単純な事ですけど、生活面では早く寝るとか栄養のあるものを食べて体を大きくするようにというのは言うようにはしています。栄養に関する講習があった時には、どうすればいいか聞いたりしています」

 こうしたご両親の支えもあり、松浦選手はキャプテンとしてチームを引っ張りながら、女子プロ野球選手という目標も追うことができているのだ。

前編はここまで!後編では飯塚ボーイズでの目標や将来の目標についても迫っていきます。後編もお楽しみに。

文=栗崎 祐太朗

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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