清宮 虎多朗（八千代松陰）飛躍を止めず、2018年は清宮（せいみや）の年に
2018年、千葉県から全国クラスに羽ばたこうとしている右の「清宮」がいる。読みは「きよみや」ではなく清宮 虎多朗（せいみや・こたろう）。八千代松陰の絶対的なエースとして昨年秋にはチームを県大会ベスト8に導き、190センチ84キロと堂々たる体格かから最速145キロのストレートを投げ込む豪腕である。
昨年12月末に開催された「MAZDA台日高中棒球菁英對抗賽」千葉県選抜にも選出された逸材。今回は中学3年生時の125キロから20キロアップした背景も交えながら、2018年の飛躍を期す右腕に話を聴いた。
食トレ+初動負荷トレーニングが生んだ「身長27センチ＆球速20キロ増」
清宮 虎多朗（八千代松陰）
――現在は190センチ84キロの清宮投手ですが、八千代松陰中時代から大柄だったのですか？
清宮 虎多朗選手（以下、清宮） 中学1年生時は163センチで、周りと比べるとやや大きいくらいでした。でも、その後は急激に伸びて、中学3年生の時には183センチになりました。
――本当に急激に伸びたんですね！では中3夏で軟式野球部の活動を終得た後、高校入学まではどんな準備をされましたか？
清宮 中学3年時の最速は125キロしか出なかったので、ウエイトトレーニング、体幹トレーニング、食トレを部活動が終わっても行いました。決められた量はなく、とにかく食べた記憶しかありません。中学野球が終わって、高校入学まで半年間は、自分のペースで練習できたのが良かったと思います。
――結果的に体重はどこまで増えたのでしょうか？
清宮 中学3年生の時は68キロと本当に細かったのですが、高校入学まで7に8キロまで増えました。これまでずっと線が細くて、太れるのかなと思っていたんですけど、本当に追い込んでやれば太れると思いました。球速も131キロまで速くなりましたが、自分の中では満足はしていなかったです。
――八千代松陰入学後は1年秋からベンチ入りを果たしましたが、振り返っていかがですか。
清宮 コントロールも悪かったですし、ストレートも思ったより速くなりませんでしたし、試合を作ることができなかったですね。
――では1年秋が終わって、ストレートのスピードアップのために取り組んだことはなんでしょうか？
清宮 初動負荷トレーニングです。ジムに通って、初動負荷トレーニングを行いましたが、そこで学んだのは関節の使い方、力の入れ方、関節の柔軟性です。
初動負荷トレーニングは僕にとって大きな発見でした。ピッチングでも力の入れ所が分かり、感覚的なものになるのですが、うまく投げられるようになりました。
――初動負荷トレーニングに出会って以降、2年春までにどこまで速くなったのでしょうか？
清宮 2年春の練習試合で143キロを出すことができました。本当にうれしかったです。
ゲームメイク力付け、秋の千葉県大会8強へ
昨秋の千葉県大会・準々決勝の様子
――そのスピードアップを春の千葉県大会以降、つなぐことはできたのでしょうか？
清宮 春の県大会の習志野戦で4回無失点に抑えたのは自信になりました。夏の千葉大会前の練習試合では最速145キロも出して、自信をもって夏の大会に臨みました。
――ただ、夏の千葉大会は初戦の市立船橋戦で先発するも、4回3分1を投げて3失点。初戦敗退。
清宮 ゲームメイク能力に課題が残る試合でした。体を大きくしたり、身体の使い方を覚えることで、球速は145キロまで速くった反面、まだピッチング面について突き詰めていなかったと思います。
ですので、夏休みでは勝てるピッチングをするために、ボール球で勝負したり、どんな状況でも我慢してピッチングすることをテーマに投げてきました。
――秋の千葉県大会では、秋の第5地区予選・千葉英和戦でで3失点完投勝利。
清宮 調子は良くなかったんですが、試合を作ることができてよかったです。
――さらに県大会初戦の館山総合戦では、8回からリリーフ。試合は延長戦となり、12回まで5イニング無失点初戦突破。2回戦の千葉工戦で登板はありませんでｓたが、3回戦の志学館戦で2失点完投勝利。準々決勝進出を決めました。
清宮 特に印象に残っているのは志学館戦です。4回に無死満塁のピンチを招いた時「ここで打たれたら、夏の大会のようになってしまう。絶対に抑えよう」と思って、気持ちを入れて無失点に抑えることができました。課題としていた粘り強さが身についたと感じる試合でした。
――その翌日、夏準優勝の習志野と対戦しましたが、結果は2失点完投負け。「強打の習志野打線を2失点にとどめた」という見方もありますが、、清宮投手はどうとらえていますでしょうか？
清宮 いえ全然ダメです。志学館戦で136球を投げて連投になったので、疲労が抜けきれなかったというのはありますが、やっぱり関東大会を目指していたので、悔しかったです。
この大会は調子が悪いと球数が増えやすいので、平均して試合が作れるピッチングができればと思いましたし、多くの課題が出た大会でした。
春に向けては連投でもピッチングのクオリティが変わらないスタミナ、球数を最小限に抑える投球術を身に付けたいです。
千葉最速右腕」として20年ぶり夏甲子園へ
最速145キロを投げる清宮 虎多朗
――では、そんな未来像を描きながら取り組んでいる冬の練習内容を教えてください。
清宮 秋に課題となったスタミナ強化のため、原点に戻り、下半身強化のトレーニングを中心に鍛えています。初動負荷トレーニングも並行してやっていますが、勝てる投手になるために、変化球を磨くことにも取り組んでいます。
――ちなみに現在の球種はなんでしょう？
清宮 現在、使っている球種はスライダー、フォーク、カーブ、球速が速く、回転数も高いパワーカーブ、ツーシームの5球種です。
その中で自信を持っているのはフォークとスライダーですが、春へ向けて、パワーカーブを磨いています。ストレートと錯覚して、打ち損じたり、空振りをしてくれるので、マスターをしていきたいですね。
――現在最速145キロのストレートのこだわりについても教えてください。
清宮 やはり150キロは投げられるようになりたいですし、今年は千葉県最速右腕を目指したいと思っています。
――今年の千葉県では習志野の本格派右腕・古谷拓郎、中央学院の大谷 拓海の両投手が注目されていますが、2人の存在は刺激となりますか？
清宮 やはり負けたくない思いは強いです。
――最後の夏にはどんな投手になりたいですか？
清宮 やはり勝てる投手です。150キロもそうですし、何か自分の中でこれだ！といえる武器を身に付けて、進化する過程の中で、いずれ進みたいと思うプロに近づければと思っています。
――それでは最後に今年の意気込みをお願いします！
清宮 誰も認める千葉県ナンバーワンピッチャーへ。そして20年ぶりの甲子園出場を狙います！
――強い意気込みありがとうございました！
清宮 ありがとうございました！
