小園 海斗(報徳学園2年・遊撃手)世界との激闘糧に、夏頂点へ駆ける【後編】
センバツは第90回、夏の選手権は第100回大会を迎えるなど、高校野球にとって節目の2018年。加えて新3年生となる世代は2000年生まれが大半を占める、いわゆる「ミレニアム世代」。すべてにおいて記念すべき一年を飾るべく、全国各地で逸材たちが活躍の助走に入ろうとしている。
そこで今回はそのトップレベルプレイヤーたちを徹底インタビュー。今回登場して戴くのは2016年・WBSC U-18ワールドカップでも躍動した報徳学園の遊撃手・小園 海斗である。
50メートル走5秒8・遠投110メートル・高校通算27本塁打と走攻守に世代トップレベルの実力を持つ彼。では、そのベースにあるものとは?後編ではカナダ・サンタ―ベイでの「WBSC U-18ワールドカップ」の話や、現在の心境と取り組み、そして将来の目標について小園選手が言葉を紡ぎます。
世界を知り、意識が「世界」に変わる
小園海斗(報徳学園)
――WBSC U-18ワールドカップでは全試合に出場。37打数14安打5打点2盗塁・打率.378と素晴らしい成績を残し、侍ジャパンU-18代表の3位に貢献しました。
小園 海斗選手(以下、小園) ドラフトで指名された選手も多かった素晴らしい先輩たち。清宮(幸太郎)さん(早稲田実業→北海道日本ハムファイターズ1位)、安田(尚憲)さん(履正社→千葉ロッテドラフト1位)、中村(奨成)さん(広陵→広島東洋カープドラフト1位)といった方々と一緒にプレーできたのが一番。小枝(守)監督や大藤(敏行)ヘッドコーチなどコーチの皆さんにも打撃や守備、特にバッティングを教えて頂きました。
苦しんでいた国内合宿から調子を上げられたのも、そういったアドバイスのお陰だと思います。
――具体的にはどんなアドバイスがあったのですか?
小園 小枝監督からは「腹筋と軸足の内側への力の入れ方」について指導を頂き、体幹とタメの作り方が変わりました。これは今も心掛けて続けています。
――世界の同年代選手を見る機会もあったと思いますが、最も印象に残った選手はいますか?
小園 アメリカの遊撃手を務めていたブライス・トゥラングです。肩もすごく強いですし、守備もアグレッシブ。彼のプレーで球場が沸く感じでした。彼らは僕より学年は1つ上ですが、「絶対に負けたくない」という思いが強くなりました。彼を超える選手になることが目標です。
小園海斗(報徳学園)
夏甲子園と夢実現の「優」へ
――カナダ帰りの秋季兵庫県大会では準々決勝敗退。残る甲子園は夏だけです。先ほど言われた世界レベルの選手にもなるため、小園選手は現在どのようなことに取り組んでいますか?
小園 秋の後、チームは一時落ち込みましたが、今は昨年と違ってセンバツがない分、長い冬を「個人の能力を上げられる機会」とプラスに捉えるようにしています。まずはそういった気持ちの持ち方を大事にしながら、夏に甲子園で優勝するために何をするかを考えています。
まず具体的に目を向けているのは盗塁。50メートル走は5秒8なんですが、盗塁技術はまだ向上の余地がある。自分が走ってチームを引っ張りたいです。そして体重も秋からは3キロ増やしました。
――先ほど言われた夏・甲子園優勝と同時に自分の目標とするところもあると思います。
小園 個人的にはできるだけ早くプロ野球の世界に行きたい想いは持っています。ただ、だからこそやらなくてはいけないことはいっぱいありますし、春までの期間を有効に使いたいです。レベルアップした姿を春に見せられるようにしていきたい。
(文・寺下友徳)
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