Interview

清宮幸太郎(早稲田実業)が打ち明けたプロ志望のきっかけ、未来像、理想の野球選手像

2017.09.22


会見に応じる清宮幸太郎(早稲田実業)

 9月22日、早稲田実業清宮幸太郎がプロ志望を表明した。50社130名が集まったこの記者会見で、清宮はこの進路に至った経緯、今後の野球人生で描いていること、理想とする野球選手像を丁寧に答えていただいた。その思いを皆様にお届けしたい。

清宮幸太郎選手の進路表明

「私、清宮幸太郎はプロ野球志望届を提出することに決めました。野球部に入ってから、目の前の目標や夢を叶えることに幸せを感じてきました。小さいころは試合に出る喜び、ライバルとの対決に勝つ喜び、負ける悔しさを学ぶ普通の野球少年でした。しかし、年齢を重ねるうちに、1つずつ夢のステージが上がっていくことを実感し、早実野球部3年間で次の大きな夢に挑戦するべきと確信に至りました。プロの世界の厳しさは十分理解しているつもりですが、より高いレベルに身を置き、鍛錬し努力することで目の前の目標を1つ1つクリアしていきたいと思っています。」

自分を厳しく指導し、成長させてくれる球団に行きたい

記者の質問に答える清宮幸太郎(早稲田実業)

―― 今回、清宮選手にお聞きしたいのが、プロを決断した一番のきっかけは何でしょうか?

清宮 幸太郎選手(以下、清宮)これがきっかけというのはあまりないですけど、それでも、やはり昔から意識していたことですし、高いレベルで野球をやりたいという思いがありました。

――決断した時期は?

「清宮」U-18が終わってから、すぐ決めました。

――プロ志望を決めたとき、ご両親にはどんな言葉をかけられましたか?

「清宮」
自分が選んだ道を後押ししてくれましたね。

――多くの球団が指名を表明していますが、清宮選手は12球団OKということでよろしいでしょうか?

「清宮」はい。自分を本当に厳しく指導していただき、成長させてくれるような球団に行きたいと思います。

――プロ野球選手として理想とする選手像はありますか?

「清宮」やはり早実の先輩である王貞治さんです。これまでも王さんの映像を見たり、憧れを持っている方ですので、王さんのホームラン記録である868本を目指せる選手になりたい。そして王さんのような野球人になりたいです。

―― 以前はメジャーに進みたいという思いを話をされていましたが、その思いは変わりありませんか?

「清宮」自分の夢は小さい頃から変わっていないので、本当にプロの世界でも目の前の目標を1つずつクリアすることで、メジャーにつながっていくと確信しています。

――U-18に帰ってからすぐに決断したということですが、どの経験がプロ志望のきっかけとなりましたか?

「清宮」そうですね。先ほども説明したように、これが!というのではなく、日本代表に選ばさせていただいたことや甲子園での経験、ホームラン記録を更新したことなどいろいろな体験、経験がきっかけとなっています。

――プロに進んでこだわりたい数字はありますか?

「清宮」
あまり具体的な数字はないんですけど、やはり王さんの868本塁打は自分の目標となると思います。

[page_break:野球に集中できる環境。それがプロだった]

野球に集中できる環境。それがプロだった

U-18の経験も1つのきっかけになったと語る清宮幸太郎(早稲田実業)

――プロ志望提出決定にいたるまで、影響を受けた言葉、出来事はありますか?

「清宮」
言葉はないのですが、高校野球を終えてから、いろいろなステージを考えることで、プロのステージが見えてきたといいますか。それを考えることができたのも、高校野球の3年間があったからだと思います。

――清宮選手は今後の野球人生でどんな夢を描いているのか?それを成功させるために、どんなことを考えているのか?教えてください。

「清宮」
自分の夢はメジャーで活躍することで、それがゴールです。でもプロの世界はやはり厳しい世界だと思っています。やはり日本のプロ野球で活躍することが大事だと思いますし、日本のプロ野球で活躍することは小さいころから夢に描いていたことです。メジャーで活躍するのは自分の中で青写真に描いていることですが、その実現に向けて、目の前のことを1つ1つクリアすることが大事だと考えています。

――では清宮選手はどういった成績を残してからメジャーにわたりたいと思いますか?

「清宮」
やはり先ほども話したようにホームラン王を目指すことが、その目標を実現するカギになると思います。

――そうなると、王さんの数字を目指していくことが、自分の夢の実現につながりますね。

「清宮」
そうですね。むしろ王さんの本塁打記録を目指すことが、使命感だと思っています。

――自分の夢を実現するために、プロ、あるいは大学と選択肢があった中で、清宮選手がプロへ進みたいと思う理由は何でしょうか?

「清宮」
やはり野球に集中できる環境があることですね。どのステージを進むにしろ、プロ野球選手になりたいという思いは変わりありませんが、プロが野球に一番集中できる環境だと思っています。

――プロへ進むきっかけとして、厳しく指導していただける球団でやりたいと話をされていましたが、今後は球団の方々とそういう話はされるのでしょうか?

「清宮」
プロ志望届を提出してからお話ができるということで、そこはしっかりと話し合いをしたいと思っています。

――今ではプロですが、大学進学に傾いていた時期があったのか?また一部で噂されていたアメリカの大学にいきたいという考えはあったのか?それも教えてください。

「清宮」
早稲田実業に進んだのは、もともと早稲田大に進学するつもりでしたし、ラグビーがしたかったです。しかし高校野球3年間を経験する中で、自分が目標とするプロ野球選手。さらに活躍できる選手になるためには、やはり高卒プロが一番だと考えました。アメリカの大学にいくということについてですが、それは選択肢にはなかったです。

[page_break:清宮選手が考える理想の野球選手像]

清宮選手が考える理想の野球選手像

感動を与える選手になりたいと語る清宮幸太郎(早稲田実業)

――目標とする王さんは都大会決勝で負けて、その悔しさがプロにつながったといいますが、清宮君も同じく決勝で負けていますが、やはり同じ気持ちですか。

「清宮」
そうですね。決勝で負けたのは悔しかったですし、今でも甲子園に行きたかったという思いは持っています。その悔しさをプロの世界でもつなげていきたいです。

――現時点で、プロの世界で通用するだろうなと思うところはありますか?

「清宮」
通用するところは正直なところまだ分かっていないです。U-18の大会で感じたことですが、木製と金属とでは、感覚が違いますし、その感覚に慣れること。そしてトレーニングで、自分が自信にしているパワーを伸ばしていきたいと思います。

――野球に集中したいと話をされていましたが、通信の大学にいくという選択肢はありますか?

「清宮」 いえ、それは考えていないです。

――プロ志望を表明した中村奨成君、増田珠君、安田尚憲君がいますが、プロの世界で、頑張っていきたいと思いはありますか?

「清宮」
自分にとって大事な仲間ですから。みんなで一緒に頑張っていきたいと思いはありますね。

――プロ志望を表明してすっきりした思いはありますか?

「清宮」
すっきりというよりはプロという厳しい世界に進むからには、不安がないというわけではなく、緊張感があります。そういう不安を払拭するためにも日々の練習を大事にしていきたいという思いがあります。

――ラグビーも好きだった清宮選手が野球一本になったのは、少年野球で世界一になったことは影響していますか?

「清宮」
それはありますね。あの時は分かっていなかったですけど、今振り返ると、リトルリーグで世界一になったことが自分の人生が大きく変わった出来事だと思っています。

――プロ野球選手になれば、今まで以上に注目を受ける選手になると思いますが、清宮選手はどのような存在になっていきたいとお考えですか?

「清宮」
高校時代からたくさんの方々に球場に足を運んでいただたり、応援していただきまさしたが、それはすべて自分の力になっていました。プロ野球選手になっても、やはりたくさんの方々に応援していただけるプレーを見せていきたいと思います。そして見てくれる人たちを幸せな気分になったり、感動させてあげられるような選手になりたい。それが自分が考える理想の野球選手像です。

 プロ入りへの思い。推測で語られていたことなどをしっかりと自分の口で説明した清宮。記者の質問に丁寧に答える清宮の姿勢には改めて頭が下がる思いだ。清宮の考えはしっかりと理念があり、そこへ向けてのプロセスを大事にしている姿勢が見受けられる。これまで多くのファンを感動させてくれた清宮幸太郎。今度は、これまで以上のファンを熱狂させ、感動させ、日本のプロ野球の歴史に名を刻むスラッガーになることを心待ちにしたい。ドラフトではどの球団が交渉権を手にするのか。それが一番の楽しみである。

(取材・構成=河嶋宗一

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この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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