Interview

藤原恭大(大阪桐蔭) 「新境地を拓いた左方向のバッティング」

2017.09.02

 第28回WBSC U-18ベースボールワールドカップ。日本代表はメキシコ代表と対戦。10対1で大勝したが、その先制打を打ったのが藤原 恭大である。大阪桐蔭の強打の1番打者として活躍を見せてきた藤原が早速、本領を発揮した。

木製バットを握って生まれた打撃面の意識の変化

藤原恭大(大阪桐蔭) 「新境地を拓いた左方向のバッティング」 | 高校野球ドットコム

藤原恭大(大阪桐蔭)

 勢いに乗ったら止まらない藤原恭大が戻ってきた。10対1で大勝した日本だが、メキシコの先発・ガルデアは掛け値なしに良い投手だった。190センチの長身から繰り出す直球は常時140キロ前後で最速146キロ。事前情報がない藤原は、打席に立った瞬間。速いと感じたようだ。

 やるべきことはトップの形成で立ち遅れないことと、そしてくらいつくことだ。藤原は甲子園の時と比べると、少しステップを小さくして、速球に対応することを意識。1打席目は自慢の俊足を生かして、遊撃内野安打で出塁した藤原。そして第2打席。一死満塁で打席に回ってきた。

「三振をしないこと。とにかくくらいついていくことを意識した」と振り返るこの打席はガルデアがこの日最速となる146キロのストレートだった。しっかりと叩いた打球はレフトの頭を超える走者一掃の適時二塁打となった。

 左方向の打撃は藤原にとって1つの進化である。藤原といえば、インコースに強く、思い切り引っ張って本塁打あるいは長打にする選手であるが、今回は外角。それも146キロで微妙に動くストレートである。ここに藤原の打撃に新たな可能性を感じた。藤原自身、手ごたえを感じており、打撃スタイルの変化がこの二塁打を生んだ。

「金属バットだとホームランを意識してしまうのですが、木製ではそれができないので、とにかくヒットを打つことを心掛けて打っています」

 藤原の打撃は先輩からの影響も大きく、主将である清宮幸太郎から柔軟性を学んでいるようだ。
「清宮さんの柔らかさ。あのバッティングは見習いたいですね。力が上手く抜けていますし、ああいうバッティングができればと思うのですが、なかなか難しいです」

 安田 尚憲履正社)からは自分のバッティングスタイルと似通っていることが大きく、参考になる点が多いようだ。
「安田さんのバッティングを見ると、パンチの強さが凄いと実感します。安田さんのバッティングが自分と似ているのは強くボールを叩くところで、いわゆるパンチショット。それを参考にしています」

 こうして藤原は実力ある先輩から学び取りながら進化を見せている。今回の左方向へのバッティングは新境地を拓いたバッティングだったのではないだろうか。

 「自然と逆方向に強い打球が行くのは調子が良い証拠です」と本人が語るように、藤原はさらにインパクトある活躍を見せてくれるはずだ。

(取材/文・河嶋 宗一

藤原恭大(大阪桐蔭) 「新境地を拓いた左方向のバッティング」 | 高校野球ドットコム
注目記事
第28回 WBSC U-18ベースボールワールドカップ 特設サイト

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

関連記事

応援メッセージを投稿

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

RANKING

人気記事

2024.04.16

【春季埼玉県大会】2回に一挙8得点!川口が浦和麗明をコールドで退けて県大会へ!

2024.04.15

【春季東京都大会】日大豊山、注目の好投手を攻略し、コールド勝ち!指揮官「うちが東京を勝ち上がるには機動力しかない」

2024.04.16

社会人野球に復帰した元巨人ドライチ・桜井俊貴「もう一度東京ドームのマウンドに立ちたい」

2024.04.15

【福島】聖光学院は福島明成と「福島北・伊達」連合の勝者と対戦<春季県大会支部予選組み合わせ>

2024.04.15

【鳥取】八頭と倉吉北がサヨナラ勝ち、鳥取東と米子東も8強入り<春季県大会>

2024.04.14

【全国各地区春季大会組み合わせ一覧】新戦力が台頭するチームはどこだ!? 新基準バットの及ぼす影響は?

2024.04.12

東大野球部の新入生に甲子園ベスト4左腕! 早実出身内野手は司法試験予備試験合格の秀才!

2024.04.10

【沖縄】エナジックが初優勝<春季大会の結果>

2024.04.12

【九州】エナジックは明豊と、春日は佐賀北と対戦<春季地区大会組み合わせ>

2024.04.11

【埼玉】所沢、熊谷商、草加西などが初戦を突破<春季県大会地区予選>

2024.04.09

【大学野球部24年度新入生一覧】甲子園のスター、ドラフト候補、プロを選ばなかった高校日本代表はどの大学に入った?

2024.03.17

【東京】帝京はコールド発進 東亜学園も44得点の快勝<春季都大会1次予選>

2024.04.05

早稲田大にU-18日本代表3名が加入! 仙台育英、日大三、山梨学院、早大学院の主力や元プロの子息も!

2024.04.14

【全国各地区春季大会組み合わせ一覧】新戦力が台頭するチームはどこだ!? 新基準バットの及ぼす影響は?

2024.04.02

【東京】日大三、堀越がコールド発進、駒大高はサヨナラ勝ち<春季都大会>