第561回 前田 大輝(市立尼崎ー日本体育大学)「選手と同じ立ち位置で、みんなの先頭に立って進んでいく」2017年08月01日

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【目次】
[1]人間としてどうあるべきかを意識
[2]甲子園に行けるという確信はなかった
[3]キャプテンが率先して行動することが大切

「宣誓。……高校野球は新たな1世紀を迎え、この特別な年に、憧れの甲子園で大好きな野球ができることに、大きな喜びだけでなく、不思議な縁を感じています。これからの100年も、高校野球が皆様に愛される存在であり続けるよう、未来への架け橋として、ここ甲子園で一生懸命、最後までプレーすることを誓います」

 昨夏、甲子園で開催された第98回全国高等学校野球選手権大会の開会式で堂々とした選手宣誓を行い、立派に大役を務めあげた当時の市立尼崎(兵庫)の主将・前田 大輝選手。強豪ひしめく兵庫にあって、甲子園へ出場するために彼はどのようにしてチームを引っ張っていったのか?現在は日本体育大でプレーしている前田選手に、主将として活動した1年を振り返ってもらった。

人間としてどうあるべきかを意識

前田 大輝(市立尼崎ー日本体育大学)

 市立尼崎は校名からも分かる通り、尼崎市立の公立校だが体育科があるため、スポーツを志す生徒が集まる高校でもある。前田選手もその一人で「県内の体育科がある公立校に行きたいと考えていて、実家から近く、チームの雰囲気も良かった市立尼崎に入学しました」

 また、野球部は専用のグラウンドや室内練習場など私立校に引けを取らない設備を有しており、実力については「報徳学園や神戸国際大付と比べたら全国的には知られていませんが、兵庫県内では公立のなかで強い学校だと認識されていて、このところは良いところまで勝ち上がるんですが甲子園には届かない、という感じでした」

 そんな市立尼崎に入部した前田選手。2年秋の新チーム結成時に、まずは副主将になったという。
「1年生の頃から練習試合に出させてもらっていたのでチームを引っ張っていきやすいだろうということで任命されました。でも、主将を務めていた選手が不調に陥ってチーム全体に目を配る余裕がなくなってしまったため、10月下旬頃からキャプテンへ昇格することになったんです」。

 だが「キャプテンになったばかりの頃はチームがバラバラになりかけていたのに、どうしたらいいのか分からなくて、何かを変えるにしても特別なことが思いつきませんでした」

 そんな前田選手に対し、市立尼崎の竹本 修監督は「野球以外のことでもいいから、自分たちができることを考えて、その決めたものを毎日きちんと実践すること」を提案した。

「以前から監督には『野球は人間がやるスポーツなのだから失敗があるし、何が起こるか分からない。そのなかで最後に良い思いをするには、人間としてどうあるべきかを意識していなければならない』と、言われていました。そこで、大谷 翔平選手(日本ハム)の『ゴミを拾うことは運を拾うこと』という考え方を取り入れて、チーム全体では『ゴミを拾うこと』を決め事にし、さらに各個人でそれぞれもう一つ決め事を作って行動するようにしました」

 こうした活動に選手全体で取り組むようになってから、チームはどんどんまとまっていった。
「自分たちの代は部員が15人しかいなかったのですが、人数が少ない分、仲が良くて、その同級生たちがとても協力してくれたんです。もちろん、自分もリーダーとして率先してやらなければと思っていたので、学校でも通学路でもゴミを拾うようにしていました。そうやって習慣づいてくるとゴミがすぐに目に付くようになりますし、監督が見ていないところでも無視して通り過ぎることができなくなるんですよね」

 また、キャプテンといえばチームを代表して監督に叱られる役割になってしまうこともある。
「最初は、なぜ自分が怒られるのか納得いかない時もありました。でも、ゴミ拾いをやるようになってからは『監督を信じて、どんなことでもやる』と腹をくくっていたので、理由を理解していなくても、まずは監督に言われたように行動してみました。そうやって、いざ動いてみると、逆に怒られていた理由が分かったりするんです」。

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プロフィール

前田 大輝
前田 大輝(まえだ・ひろき)
  • ポジション:外野手
  • 身長:180センチ73キロ
  • タイプ:右投右打
  • ■選手名鑑
    前田 大輝
  • 上記データは掲載時のものとなります。
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