Interview

小野大夏(健大高崎)「先発でも力で押せる投手になりたい」

2017.05.21


小野大夏(健大高崎)

 持ち前の機動力で全国的な強豪となった健大高崎。その健大高崎から最速145キロの速球を投げる右腕がいる。その名は小野大夏。1年生10月から新チームまで捕手をやっていた小野は新チーム後から投手に専念し、145キロまでを投げるまでへ成長。この選抜での登板の経験が現在の活躍につなげている。

捕手経験がスピードアップの秘訣に

 高南中は軟式でプレーしていた小野。入学から肩の強さには自信があり、130キロ台の速球を投げることができていた。転機となったのは1年10月からの捕手転向だった。肩の強さとチーム事情により捕手となったが、「捕手転向して取り組んできた練習や下半身強化が大きかった」と語るように、2年秋には最速145キロまで到達。公式戦登板は4試合登板に終わったが、対外試合では防御率0.84、64イニングで95奪三振の快投を見せている。こうして自信を持って臨んだ選抜大会では3試合に登板。選抜では、「速球だけでは通用しない世界だなと思いました。そして自分のコントロール、変化球の精度の低さを実感しました」

 選抜後では変化球の精度向上や、制球力強化に着手。また先発する機会も増えた。青柳博文監督は、「今までは短いイニングが中心でしたけど、先発として投げられるようになれば、チームとして大きいので」と起用の意図を話す。県大会では先発として実績を残した小野は、大事な関東大会(石岡一戦)での初戦を任される。

 小野は2回表の三者連続三振など7奪三振。「ストレートの勢いもありましたし、投げてきたフォークをしっかりと使うことができて良かったです」とストレートとフォークのコンビネーションが冴えわたり、そして磨いてきたツーシームでしっかりと内野ゴロを打たせるができた。6回まで被安打1と安定感抜群の内容を残した。

 青柳監督も「小野は丁寧なピッチングでしっかりと試合を作ってくれました」と快投をたたえた。

 夏へ向けての課題として小野は「ストレートのスピードを上げることですね。先発をやってきて、変化球もコントロールもだいぶ良くなってきました。でも、先発をやっても力で押せる投球もできるようになりたい」
それはリリーフ登板時の球速を先発でも出したいということだろう。力で押す、あるいは技でかわすピッチングができれば、もっと活躍できる機会が増えるはず。一時、捕手を務めたことがある変わり種の選手が、ラストサマーで飛躍の時を迎えている。

(文=河嶋宗一

このページのトップへ

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

関連記事

応援メッセージを投稿

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

RANKING

人気記事

2024.03.28

大阪桐蔭、大会NO.1右腕に封じ込まれ、準々決勝敗退!2失策が失点に響く

2024.03.28

【センバツ準々決勝】4強決定!星稜が春初、健大高崎は12年ぶり、中央学院は春夏通じて初、報徳学園は2年連続

2024.03.28

中央学院が春夏通じて初4強入り、青森山田の木製バットコンビ猛打賞も届かず

2024.03.28

星稜・戸田が2安打無四球完封で初4強、阿南光・吉岡はリリーフ好投も無念

2024.03.28

健大高崎が「機動破壊」以来、12年ぶり4強、山梨学院は連覇の夢ならず

2024.03.23

【春季東京大会】予選突破48校が出そろう! 都大会初戦で國學院久我山と共栄学園など好カード

2024.03.24

【神奈川】桐光学園、慶應義塾、横浜、東海大相模らが初戦白星<春季県大会地区予選の結果>

2024.03.23

【東京】日本学園、堀越などが都大会に進出<春季都大会1次予選>

2024.03.27

報徳学園が投打で常総学院に圧倒し、出場3大会連続の8強入り

2024.03.25

異例の「社会人野球→大学野球」を選んだ富士大の強打者・高山遼太郎 教員志望も「野球をやっているうちはプロを狙う!」父は広島スカウト

2024.03.08

【大学野球部24年度新入生一覧】甲子園のスター、ドラフト候補、プロを選ばなかった高校日本代表はどの大学に入った?

2024.03.17

【東京】帝京はコールド発進 東亜学園も44得点の快勝<春季都大会1次予選>

2024.03.11

立教大が卒業生の進路を発表!智弁和歌山出身のエースは三菱重工Eastへ、明石商出身のスラッガーは証券マンに!

2024.03.23

【春季東京大会】予選突破48校が出そろう! 都大会初戦で國學院久我山と共栄学園など好カード

2024.03.01

今年も強力な新人が続々入社!【社会人野球部新人一覧】