第501回 ヒューストン・アストロズ 青木 宣親選手(日向出身)「失敗しなければ自分のことは分からない」2017年02月17日

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【目次】
[1]ただ漠然と練習をしていた高校時代
[2]最後の夏が終わって真剣に野球に向き合うようになった
[3]体が大事だからこそ、毎日、頭の中で何をするべきか整理する

最後の夏が終わって真剣に野球に向き合うようになった

青木 宣親選手(ヒューストン・アストロズ)

 運良くセンスのいいメンバーが多かった代だったといい、3年の春には県大会で優勝を果たしている。だが、結果を手にしても意識に変化は生まれなかった。

「県大会の決勝は覚えていますよ。相手は高鍋で、4点ビハインドの9回裏に追いついて、11回裏にサヨナラ勝ち。その試合は特に記憶に残っていますね。九州大会の初戦は福岡の東海大五で、今度はサヨナラ負け。でも、県大会で優勝できたから夏もいける、というふうにはならなかったです。甲子園はさすがに難しいんじゃないかなって。だからそこでスイッチが入ったとか、自分が変わったというふうにはならなかったです」

 県内では注目される投手にはなっていたが結局、夏はベスト8で敗退。振り返ると、悔いしか残っていなかった。
「最後の試合に負けてから、好きな野球と真剣に向き合っていなかった自分がすごく嫌になりました。もっとやれるというのはわかっているのに、そうしてこなかった。後悔しました。そこからですね、火がついたのは」

 青木は誓いを立てる。
「大学に行って4年後にはプロ野球のドラフトにかかる」
初めて本気でプロを目標にし、必死で練習すると決めた。幸い1年の終わりころから勉強に力を入れてきたのが奏功し、指定校推薦で早稲田大学に合格。投手ではなく、外野手として野球部の門を叩いた。

「投手に未練はなかったです。足も速かったですし、肩もわりと強い方だったので外野手としてプロを目指そうと。でも、そもそも練習してこなかったので、最初は全体練習にもついていけませんでした。全然、量が違いましたから。まずは練習についていけるだけの体力をつける。そこからでした。ついていくので精一杯だから自主練習なんてできなかった。

 1年生のときは、そんな感じでした。きつかったですよ。それまでやってこなかった人間が、毎日、毎日、練習したり、野球のことを考えたりする。習慣づいていないので、はじめはきつかったです。外野守備の動きも全然できていなくて、前に出て頭の上を越されたり、打球判断もできないし、カットまでの送球もきちんと投げられなかったり。その頃を知っている人は、僕がプロになるなんて誰も考えていなかったと思います。そんなレベルでした。でも、僕だけは自分を信じていた。プロに行くと決めてからは自分の中では一生懸命やってきたつもりです。それは今も変わらないです」

 目指すものを持つことで青木は強さを身につけ、困難も乗り越えられるようになった。当時、監督だった野村 徹の言葉も青木の覚醒を後押した。

「野村さんはいつも『一球入魂』とおっしゃっていて、1球に対して集中する大切さを学びました。試合ではやり直しはできないですから、1発で決めなくてはいけない。練習でも10回やって3、4回できるよりも、1回で必ず成功できるようになれと。僕は注意力散漫だったし、投手から外野手になったばかりでミスも多かったので特に言われましたね」

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プロフィール

青木 宣親
青木 宣親(あおき・のりちか)
  • ヒューストン・アストロズ
  • 経歴:日向-早稲田大-ヤクルトスワローズ、東京ヤクルトスワローズ-ミルウォーキー・ブルワーズ-カンザスシティ・ロイヤルズ-サンフランシスコ・ジャイアンツ-シアトル・マリナーズ-ヒューストン・アストロズ
  • ポジション:外野手
  • タイプ:右投げ左打ち
  • 身長体重:175センチ83キロ
  • 生年月日:1982年1月5日
  • 上記データは掲載時のものとなります。
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