作新学院高等学校 入江大生選手 「甲子園で魅せた豪打再び!」
54年ぶりの甲子園優勝を果たした作新学院。投のヒーローが今井達也ならば、打のヒーローは入江大生だった。入江は3試合連続本塁打を放ち、作新学院打線をけん引する活躍が認められ、今井と共にU-18代表メンバーに選出された入江。[stadium]甲子園[/stadium]で魅せた豪打を再び台湾の舞台で発揮しようとしている。
豪打復活のきっかけは大藤コーチのアドバイスからだった
本塁打を打った入江大生選手
「悔しくて仕方なかったんです!」と一打席目、見逃し三振に終わった入江大生。インドネシア戦で多くの打者が打つ中で、さすがに見逃し三振に終われば、悔しい気持ちを隠しきれなかった。2打席目は本塁打を狙い、高めのボールを見逃さずに本塁打。まさに意地を見せた。振り返れば緩いボールだったが、本塁打を打てるまで復調したことが大きい。日本にいた時は、木製バットに対応しきれていないところがあったからだ。
だが台湾入りしてからは、台湾戦でも4打数2安打を打っている入江。木製バットにも対応できるのは何が要因なのか。
それは打撃フォームも、打つポイント、意識も変えているからだ。
まず構えがはっきりと変わった。甲子園の時は若干のクローズ気味のスタンスだったが、台湾にきてからは打席の後ろに立ち、はっきりとクローズスタンスと分かる構えとなってきた。これは外角球をしっかりと打ち返す狙いがあるだろう。
そして次に変わったのは軸足の使い方だ。入江は打つときに、軸足が深く折れてしまうことがあり、「それで踏ん張りが利かず、バットが下から出るようになっていました」と入江が語るように軸足の使い方に課題があった。
それが大藤敏行コーチの指導で甲子園と見比べると軸足の折れが小さくなった。
「大藤コーチにずっと打撃を見てもらって、ティーバッティングでは右足にかごを乗せて打つ練習を繰り返しました。あと僕は金属打ちだったので、それを直すために意識しているのは、ポイントを前に置いてダウンスイングするイメージで振っています」
完全なダウンスイングではなく、本塁打を打ったシーンを振り返ると、うまくバットが最短距離で出て、そしてボールの下を捉えるスイング軌道で遠くへ飛ばすことができるのはまさにスラッガーだろう。そして2安打を打った台湾戦を見ても外角球に対して、しっかりとボールに合わせてヒットゾーンに打ち返すことができており、木製バットに対応することができている。
下位打者ではあるが、もともと長打力のある入江。こういう形で復調してきているのは大きい。入江自身、「下位打線を打っているけど、勢いを付ける打撃を見せていきたい」と意気込んでいる。
大藤コーチと2人三脚で修正をしていった入江。甲子園で魅せた豪打を再びスーパーラウンド。そして決勝戦でも見せていけば、アジア制覇はぐっと近づくだろう。
(文=河嶋宗一)
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