Interview

明治大学付属中野中学・高等学校 大竹義輝選手「関東一戦の屈辱を今でも忘れずに取り組んでいる」

2016.04.02


大竹義輝選手

 

 春季東京都大会の都立石神井戦(試合レポート)で伸びのあるストレートを武器に4安打完封を成し遂げた明大中野大竹義輝投手。彼の武器は球速表示以上を感じさせるストレートである。いかにしてそのストレートを作り上げたのか?また今年にかける思いに迫った。

自慢のストレートを磨き上げることにテーマに取り組んだ

大竹義輝選手(明大中野)

 昨夏の関東一戦の屈辱は忘れない…。
明大中野の140キロ右腕・大竹義輝(てるよし)は、その思いを忘れずに取り組んできた。
 中学は福生シニアに所属する。1学年上には、加藤雅樹早稲田実-早大)、1学年下には服部雅生早稲田実)がいる。明大中野へ進んだきっかけは、その先に明治大学へ進んで、プレーすることを目標において取り組んできた。1年から投げ、2年生ではエース川西雄大との2枚看板で活躍を見せてきた。しかし関東一との準々決勝戦で強力な関東一打線につかまり、コールド負けを経験する。

「あの試合は自分にとって屈辱的な試合でした」と振り返る大竹。そして秋季大会も都立城東に敗れ、二度、悔しい経験を味わった。そして冬。
 1年生ではとにかく走り込んで、体力を鍛えてきたが、今年はトレーニングを継続しつつも、チーム内で紅白戦が行われていたので、とにかく球数を投げることを意識に置いて取り組んできました」
そこで磨きをかけてきたのは球質。フォームなどいろいろなことを見直してきた。大竹のフォームを見ると、下半身主導の動きができていて、投球モーションに入ってから左足を上げて、滑らかな体重移動から打者寄りでリリースするだけではなく、指先にしっかりと力を伝えることができているので、自分が力を入れたいと思うときに力の入ったボールを投げ込むことができる。そこは冬から取り組んできたボールの質を磨いてきた成果があるだろう。

 大竹のストレートは、130キロ前半なのだが、第2試合で135キロ前後を投げ込んでいた伊藤開生成城)よりも手元まで失速しないストレートがあり、この試合では左打者の内角へズバッと投げ込んだストレートが見事で打者も思わず手が出ないものだった。
 この球質のまま、140キロ前後まで伸びたら、もっと打たれない可能性を持っているだろう。
 この試合のテーマとしては、直球に力があったので、前半で飛ばして、中盤はやや力を抜いて、そして後半で力を出すと、力配分をしながら投球だった。それが上手く嵌り、4安打完封。一試合通して投げ切ったことに明大中野の岡本監督も、「自信が付いた試合だったのではないでしょうか」と評価した。

 エース川西について大竹は「レベルが違う選手」と認めながらも、それでも負けたくないという思いで、火花を散らしながら背番号1を目指してやっている。それが良いライバル関係となって2人で実力を伸ばしてきた。
 今年の目標は打倒・関東一明大中野は2年連続で夏に当たって敗れている。それだけにその思いは強い。

「絶対に当たる相手だと思うので、勝てる投球を見せたい」
悲願の甲子園出場をなんとしてでも叶えるべく、大竹は自慢のストレートを夏へ向けてさらに磨き上げていく。

(文=河嶋宗一


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この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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