第96回選手権埼玉大会 ここまでの戦いを振り返る!!
今年の埼玉は波乱の大会である。その始まりは新鋭・山村国際が昨秋関東大会出場の花咲徳栄を破る快挙があった。この開幕戦は今年の埼玉の波乱の幕開けとなり、春優勝の浦和学院、準優勝の聖望学園が3回戦までに敗れる結果となった。
大会序盤に波乱が起きた埼玉大会
中島 史也 （川口）
浦和学院を破った県立川口。その原動力はエース・中島 史也だ。球速はそれほど速くないが、制球力に優れ、緩急自在な投球で浦和学院打線を1点に抑えた。
そして打線は浦和学院のエース・小島 和哉（3年）から4点を奪った攻撃力も見事だ。4回戦の小松原戦でも10対0とコールド勝ち。投打とも自信を付けており、今大会の台風の目となった。
聖望学園を破った立教新座。春は地区予選代表決定戦で敗退。その悔しさをばねに成長。常時130キロ後半の速球、キレのあるスライダーを武器にするエース・坂井 秀斗（3年）が聖望学園打線を抑え、そして打線も4番斎藤 匠馬（3年）を中心に8得点を入れてコールド勝ちした。
4回戦で本庄東に敗れたが、春から夏にかけての成長は、後輩たちに大きな影響を与えただろう。秋以降にも注目してみたいチームだ。
今年は再試合が多く、埼玉栄vs武蔵越生、朝霞vs市立川口の2カードが延長再試合。さらに再試合でも、延長戦にになり、熾烈なゲームを展開した。
5回戦を振り返る！正智深谷、狭山ヶ丘、昌平が8強入り
県立川口vs正智深谷
22日に行われた5回戦を振り返っていきたい。浦和学院、小松原と私学を破り勢いに乗っていた県立川口を破ったのが正智深谷。2対2の6回裏に1点を勝ち越し、1点差を守りきりベスト8。1点差を守りきる堅い守備がウリのチームだ。
狭山ヶ丘vs埼玉平成
狭山ヶ丘は坂倉 直人（3年）が試合を作って、試合の主導権を握り、打線では秀明英光戦で、満塁本塁打を放った3番中村 匡希（3年）を中心に調子を上げており、5回戦の埼玉平成戦でも、正捕手の林 渓太（2年）が5打数3安打1本塁打2打点と大活躍。投打ともに調子を上げている。
埼玉平成は昨夏、春日部共栄、上尾を下して、ベスト8。今年もエース・小高 健太郎（3年）を中心に守り勝つ野球で強豪・所沢商を下し、ベスト16に名を連ねたが、力尽きた。
川越工vs昌平
昌平は序盤から点を重ね、4投手の継投リレーでベスト8を決めた。試合状況に応じて投手起用出来るのが強み。打線も川越工の好投手・坂本 健太（3年）を捉えた打線はなかなか手強く、上位下位切れ目のない打線だ。
5回戦を振り返る！市立川越、本城東、春日部共栄、蕨、大宮東も準々決勝へ
市立川越vs松山
市立川越の先発は登坂 航大（2年）が3イニングを投げたが、2失点で、4回からエース上條 将希（3年）にスイッチ。6回表に3点を入れて、逆転し、上條が6イニングを投げて1失点の好投でベスト8進出を決めた。埼玉松山は攻守の要・那須 英介（3年）が4打数2安打の活躍。主力選手としての役割を立派に果たした。
本庄東vs山村国際
聖望学園を破った立教新座に勝利した本庄東は、技巧派右腕・水野 瞭太（3年）を中心に守り勝つ野球が身上。開幕戦で花咲徳栄に勝利した山村国際も破った。山村国際は正捕手の堀内 汰門（3年）を中心にした守り勝つチームで、チームカラーが似た同士と対決になり、試合は1点を争う好勝負となり、9回裏に本庄東が相手投手の暴投でサヨナラ勝ちを決めた。ノーシードながらベスト8進出した本庄東。今大会の台風の目となった。
春日部共栄s川越東
埼玉を代表する強豪・春日部共栄と昨夏準優勝の川越東の一戦は1点を争う好勝負となった。2点を先行した春日部共栄がエースの金子 大地が守りきった。川越東は長野 創太(3年）が8回表にフェンス直撃の二塁打を打つなど、チャンスを作ったが、あと1本が出なかった。
蕨vs本庄第一
蕨は個人よりもまとまりで勝負するチームで、接戦に持ち込んで勝利をモノにしてきた。そして5回戦では強豪・本庄第一に対し、6回まで6点を取り、本庄第一の反撃を凌ぎ、ベスト8進出を決めた。次の戦いでも粘り強い戦いで、勝ち進んでいきたい。
大宮東vs南稜
春4強の大宮東はエース・中田 浩貴（3年）が南稜相手に好投。打者としても3安打を記録し、着実に点を重ね、上尾を破った南稜を振り切り、2季連続のベスト4進出を決めた。投打ともに内容のある結果を残しており、24年ぶりの夏の甲子園出場を目指せるところまで来た。
ベスト8の見所
狭山ヶ丘vs正智深谷
打線に調子を上げている狭山ヶ丘。そして守り勝つ野球で勝ち上がってきた正智深谷の対決。狭山ヶ丘は序盤で試合の主導権を握っていきたい。対する正智深谷は簡単に点を与えず、最少失点で凌いで、後半戦に持ち込んでいきたい。
昌平vs市立川越
昨夏4回戦以来のカードとなった。前回の対決では2対1で市立川越が接戦を制しているが、この試合も、接戦が予想される。エース上條 将希（3年）が登板が予想されるが、如何に打線が援護できるか。そして昌平は複数の投手を継投して勝ち上がってきたように、この試合も、継投が考えられる。1点を争う好勝負となりそうだ。
春日部共栄vs本庄東
春日部共栄はエース金子、速球派右腕・西尾洸（3年）と投手が揃い、打線も強肩強打の捕手・守屋 元気（3年）、さらに勝負強い左打者・原田 寛樹（3年）を中心とした打線は強力。本庄東はエース水野を中心に最少失点に凌ぎ、接戦に持ち込んでいきたい。
大宮東vs蕨
大宮東はエース中田がゲームメイクに徹し、打線は4番堀 拓郎（3年）を前にランナーを溜めて、着実に点を重ねていきたい。蕨は積極的な打撃で、中田を捉え、先制点を取り、試合の主導権を握りたい。
今年はシード校、ノーシード校に力量差が小さく、大会開幕から激戦が展開された。大会の最後まで手に汗握る好勝負が予想されそうで、近年でも最も見応えのある大会になりそうだ
（文＝河嶋 宗一）
◆ 第96回埼玉大会
◆ 大会日程・結果ページ
◆ 組み合わせはこちら（埼玉県高野連HP PDF）
◆ 大会期間：7月9日～7月27日
◆ 参加校数:156校
◆ 決勝球場：[stadium]県営大宮公園野球場[/stadium]
◆ その他の球場：その他の球場：[stadium]さいたま市営大宮球場[/stadium]、[stadium]上尾市民球場[/stadium]、[stadium]さいたま市営浦和球場[/stadium]、[stadium]川越初雁球場[/stadium]、[stadium]熊谷公園球場[/stadium]、[stadium]越谷市民球場[/stadium]、[stadium]朝霞市営球場[/stadium]、[stadium]川口市営球場[/stadium]、[stadium]所沢航空公園球場[/stadium]
