内海 裕太 (桐蔭学園)
- 寸評
- 3年生春季大会で、入学以来期待されていた才能をようやく開花させた 内海 裕太 。一躍神奈川大会の話題を独占した彼が、最後の夏を迎えている。あれから3ヶ月、彼はどんな成長を遂げているのか注目してみることにした。
(投球内容)
ガッチリした体型から投げ込んで来る左腕であり、春季大会ではその体が踊っていた。しかし夏の連戦を意識してか、内海の投球フォームは、春のそれと比べ大人しい。それでも春よりも肉体が成長したのか?思いっきりからだを使って投げてもMAX136キロ程度だった球速が、今は無理なく130~130キロ台中盤まで出せるようになっている。ただ腕を強く振って投げていたフォームだったので、その球速以上に勢いを感じさせてくれた春に比べると、今は球速に見合った球といった印象で、その分物足りない感じもする。
それでも勢いにかまけて投げ込んでいた春とは違い、両サイドにボールを投げ別けて、一球一球丁寧に投球ができるようになってきた。変化球は、スライダーとスクリュー。春は、この球を低めに集めて三振の山を築いていた。今は、あくまでも打たせて取るのだと言う力みのない投球。僅か3ヶ月の間ではあるが、随分と精神的に成長したと実感させられる。今は名門のエースナンバーを背負うようになり、確かな自信と自覚を持ってマウンドに上がれている。
(投球フォーム)
足を引き上げる勢いも静かで、それほど高い位置まで引き上げない静かな入りと変わってきた。引き上げた足を地面に向けて伸ばすフォームなので、見分けの難しいカーブや縦に鋭く落ちるフォークのような球を投げられるフォームではない。そのためスライダーやスクリューといった球種を磨くことで、投球の幅を広げてきた。着地までの粘りは平均的で、それほど粘っこい打ちにくいフォームではない。そのためコースをしっかり丹念に突かないと、痛打を浴びやすいと言えるであろう。
グラブを内にしっかり最後まで抱えられているので、両サイドへの制球は安定。足の甲もしっかり地面を押しつけることができており、ボールを低めにコントロールできている。指先まで力を伝えられる感覚の良さがあり球持ちがいいのが特徴。これにより、高い精度のコントロールも期待できるだろう。腕の振りにも無理はなく、故障の可能性も少なそうだ。
「着地」までの粘りはそれほどでもないが、体の「開き」は早くない。したがってボールの出所が、わかりやすいと言うことはないだろう。腕もしっかり振られて、投げ終わったあとに体に絡んでくる。ただ「体重移動」は不十分で、春よりもボールに体重が乗っておらず、手元まで勢いのある球が来ていなかったのは残念だった。 - 将来の可能性
- ガンガン勢いで押していた春に比べると、ボールには魅力がなくなった。しかし投球自体は実戦的になり、フォームも想像以上にレベルは高い。今後、この投球をベースに球威・球速を増して来るようだと、大学などに進んでからも活躍が期待できるというもの。ただ意外にに、今後はあまり球速は伸びないのではないか、そんな不安もなくはない。いずれにしても、高いレベルで野球を続けて行ける素材。あとは、自分の才能を信じて弛まぬ努力を続けて行って頂きたい。大学を卒業する頃には、どんな選手に育っているのか、個人的には興味が尽きない。
- 情報提供・文:2011.07.28 蔵建て男
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