梅野 雄吾選手 (九産大九産)
寸評
最速151キロを誇る右の速球派。恐らくこの春はドラフト候補として注目される投手だが、174センチと上背がそれほど大きくないということを考えると、かなりハイレベルな投球が求められるタイプといえるだろう。 151キロを計測したというのは九州大会準々決勝ということだが、確かに指にかかったときの速球は実に素晴らしいものがあり、目を見張るものがある。ここぞというときに決まるコーナーいっぱいのストレートは思わず見逃してしまうほどだ。 一冬越えて、コンスタントに145キロ前後は計測するレベルに持っていきたいところ。変化球はスライダー、カーブを投げ込んでいて、調子が良い時は、カーブ、スライダーともにコントロール良く決まる投手だが、鹿児島実業戦ではまだうまく制御ができておらず、ストレートが高めへ浮き、単調になった投球を狙われたという形だ。 彼が素晴らしいのは元内野手ということもあって、フィールディングが素晴らしいこと。出足の良さ、打球に追いつくまでのスピード、そして処理してから送球に移行するまでの速さ、二塁送球の切り返しの速さが、自然に見えるが、とても速い。この動作を見て、内野手として評価するスカウトもいるかもしれない。 (投球フォーム) ワインドアップからゆったりと始動し、左足をゆったりと上げていきながら、右足の膝を適度に曲げてバランス良く立ち、しっかりとひねりを入れながら、重心を下げることができているので、ヒップファーストで移動しながら、着地することができる。前足をゆったりと伸ばしながら着地することができている。足を下ろすまでにテンポを一定にせず、タイミングを外すことを意識できれば、もっと投球が生きるのではないだろうか。テイクバックを見ていくと内回りで旋回をしていきながら、しっかりとトップを作って、リリースに入る。肩甲骨を使って肘が下がらずに投げる意識ができており、肩ひじへ負担は少なそう。ただこれから求めたいのはリリースの粘り。まだ打者寄りでリリースすることができておらず、球離れが早い印象を受ける。リリースにこだわるのか、それとも下半身の使い方でタイミングを取りにくくするかは、彼の選択次第だろう。 体全体を使う意識が取れたフォームだが、まだ一定のタイミングで投げてしまう投球フォーム、リリースなどに課題を抱えていることが伺える。
更新日時:2016.02.28
将来の可能性
九州大会準々決勝の鹿児島実業戦のコールド負けは単調になった投球に上手く付け込まれてしまった。ただ県大会でノーヒットノーランを達成した試合は、速球、変化球ともに抜群だったという話を聞く。ボールの勢い、キレさえ万全ならばそうは打たれない投手であろう。あとは調子が悪い時に、どうセルフコントロールして投球ができるかが課題になる投手ではないだろうか。 ぜひ今年は去年よりも大人になった投球を見せることを期待したい。
更新日時:2016.02.28
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