秋山 拓巳選手 (西条)

秋山 拓巳

球歴:西条

都道府県:愛媛

ポジション:投手

投打:右 / 左

身長:186.0 cm

体重:92.0 kg

学年:卒業

寸評

選抜出場し、PL学園相手に1失点の好投を演じた秋山。夏の甲子園から将来性について迫っていきたい。 (投球スタイル) ストレート 150キロ 常時 130キロ後半~145キロ スライダー 120キロ前後 縦のスライダー 130キロ前後 フォーク 110キロ~120キロ カットボール 130キロ台(少ない) カーブ 110キロ台 ストレートは常時145キロ前後をマーク。ボールの勢い自体はセンバツよりも増してきており、150キロを十分投げられる力を持っているということが分かった。甲子園での目標を「152キロ」と宣言しても、不思議に思わない。調子次第では152キロをマークできるポテンシャルは持っていると思う。ただ彼のストレートは球質が重いストレートなので、空振りを奪えるようなストレートではない。まあそれでもまともに打ち返すことが出来る打者は数えるぐらいしかいないのではないか。ただ時々シュート回転する傾向があり、シュート回転してしまっては球質が軽くなってしまうので、絶好球。明豊打線に2本塁打を打たれたのはある意味当然だったのかもしれない。 変化球は以前と比べて、だいぶ多くなった。引き出しが多くなった点では評価したい。   だが、武器になる変化球といえるのはフォーク、縦のスライダー。しかし決め球としてはうまく使い切れていない。それはカットボールを習得したことによって、ちまちまとした投球スタイルになってしまったのが原因だと考えられる。彼の場合は、真っ向から振り下ろす本格派。縦の変化球となるカーブ・フォークで勝負してほしかったが、なぜかカットボールに拘ってしまった。しかし明豊戦ではあまり投げていないのを考えると、やはり中途半端な変化球では通用しない悟ったのだろう。 (クイックタイム・フィールディングなど) クイックタイムは1.1秒~1.2秒となかなか素早いクイックができている。 フィールディングはまだまだどたばたしているように見える。 (投球の攻め) ・右打者 素晴らしいのは力まずに145キロ級の直球を投げることができることだ。その外角にしっかりと決めることができるところは素晴らしい。また、内角にも決めることができ、詰まらせることに成功している。                                      ・左打者 左打者に対しては内外角にストレートを投げ分けることができる。ただ変化球が高めに入ってしまい、投球が組み立てにくい。 縦のスライダー、フォークは素晴らしいキレがあるのに、それをうまく投球に活かせていないのだ。ただストレートが走っていたので、ストレートを決め球として使っている。 (投球フォーム) ノーワインドアップから入る。その前に左足を大きく引いて、高く足を上げるモーション。そのため勢いのある入りだといえるだろう。写真2を見ると、非常に足が高く上がっていて、また軸足の膝も曲がらず、リフトアップは理想的だといえるだろう。写真3を見ると、お尻が落ちているのが分かる。週間朝日のスポーツグラフによると選抜後は、肩の開きを抑え、お尻を先行して、打者に向かって投げる。「ヒップファースト」と呼ばれるフォームに改造したようだ。そのため、ボールの回転数が増し、常時145キロ前後の速球が投げられたと秋山は話すが、確かに無理なく145キロを投げられるようになったし、指が掛かった時のストレートは伸びのあるボールであった。もちろん、捻りのあるフォームなため、フォークを投げる下地はできているようだ。 テークバックを見ると、この投手はコンパクトにまとめる投手であり、しかしそれでも肘はしっかりと上がっている。この写真では分かりづらいが、まだ開きは早くなっており、球は見やすくなっている。それが奪三振数が少ない一因(すべてではない)になっているかもしれない。開きが早いといわれるが、選抜よりは好くなっていると思っている。 リリースを見ると、ボールを前に離すことができており、球持ちは好い。そのため145キロ級のストレートでも外角にしっかりコントロールできるのだ。 そしてフィニッシュ。腕はしっかり振れているものの、軸足がしっかりと蹴り上げることができていない、せっかく「ヒップファースト」に改造したのに、体重が乗らないのが残念。もっとこの部分を意識すれば、さらに勢いのあるボールを投げ込むことは可能だろう。 フォームの土台は良いのだが、コンパクトにまとめすぎて、最後のフィニッシュが小ぢんまりしてしまったのは残念。しかし彼の意識の高さなら十分解消していけるだろう。
更新日時:2021.01.23

将来の可能性

春から順調に球速、変化球の引き出しを伸ばしてきた。向上するためにフォームを改造した姿勢もグッドだ。しかし、まだ彼のポテンシャルを活かしきれていない印象。それは投球スタイルであって、直球で押すことは多くなったものの、縦の変化球をうまく使えないと奪三振は少ないはずである。 とはいえ、大魔神・佐々木一浩(横浜)を彷彿させる逸材といわれているが、その表現は確かに頷ける。プロでは先発なり、セットアッパーなり、持ち前のストレートとフォークが活躍してほしい投手である。
更新日時:2021.01.23

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