Column

逆転のチャンスあり!春大会にベンチ入りできなかった選手へ

2017.04.12

遠藤友彦の人間力!

春大会にもれた控え選手

ベンチを温める選手たち

 結果を描けば描くほど、「今考えるべきこと」に集中できずに良い結果が遠のきます。昨秋に結果を残している選手であれば何とかなるのでしょうが、昨年控えだった選手からすると春のスタートで結果が出せなければ、春公式戦の一桁背番号はもらえません。

 人数が多いチームであれば一桁ではなく背番号すらもらえません。新三年生は最後の夏を目前として「何とか春に結果を残したいと」と考えるので、背番号もれした選手は絶望の心になっていることでしょう。

 春大会が終わっても夏までの時間は残っています。

 春大会で背番号もれした選手にアドバイスする機会がありました・・

 「春大会前に結果を出さないといけないと、強く考えていただろ?」

 「はい。打席内でも焦ってしまい思うようにいきませんでした」

 「今、何を考えている?」

 「春大会で仲間が活躍するだろうし、もう自分にはチャンスはないと思います」

 控え選手にまわった選手たちは同じような思考になっていると思います。私も社会人野球選手時代に控え選手の時期もありましたが、捉え方は違いました。仲間が活躍するだろうと考えるのではなく、逆の結果になるのではないか・・と思っていたのです。

 失敗してくれ・・

 仲間のミスを願っているわけではなく、チームの活躍(勝利)を当然願っているのですが春大会はどこかで負けるわけです。場合によっては背番号をもらった選手がうまく力を発揮できなくて負ける可能性もあります。

[page_break:ライバルが落ちてきたときに抜ける最高の準備をしておこう]

ライバルが落ちてきたときに抜ける最高の準備をしておこう

まだチャンスは残されている(写真はイメージ)

 私が指導者であれば、春大会で敗戦すれば「夏への新しい戦力はいないか」と控え選手で新しい戦力を探します。そのときに準備を怠っていればチャンスを掴むことができません。大事なのは、どんな境遇でも最高の準備をしてチャンスを掴める状態を維持できているかどうかです。

 「僕にもまだチャンスがあるのですか?」

 「チームが春大会で敗戦して、ライバルが活躍できなかったときのために最高の準備をして待っていることが君の今やるべきことだよ。今、嘆いてもうおしまいだと思っていては逆転のチャンスはないよ」

 うさぎとカメの話しがありますが、最後の最後に大逆転するシナリオを諦めてはいけません。嘆くよりも、最高の状態で春大会後の練習試合で力を発揮できるように、陰の努力を怠らないことです。

 チームが敗戦してライバルが大活躍すれば可能性は低くなるでしょうが、未来のことなのでどうなるかは分かりません。春大会はもう始まっている地域はありますが、心が揺れ動いている三年生には、最後までどんな境遇でも準備(努力)を怠ることなく備えて欲しいと願います。

 嘆くよりも準備

 最後の夏に向けて控え選手の戦いはまだまだ続きます。逆にいえば春大会で背番号をもらっている選手は安心してはいけません。どこで落とし穴が待っているかわからないのです。最後の夏の前に色々な戦いがあります。

 ライバルとの戦い
自分との闘い

 様々な戦いを制して最後の戦い(相手との戦い)の権利を得るのは誰になるのでしょうか。色々な立ち位置で心が揺れ動きますが、心を安定して競争を制して欲しいと思います。

 さて、最後の競争で勝つために具体的に何を準備しておけばよいのでしょうか。

 今停滞している原因になっていることに気づくことが大事です。結果を出そうと考えるばかり身体が動かなくなっている自分の考え方を修正することです。

 プレーするときには相手観察をしながら、その時に考えるべきことにシンプルに集中して動く。この一点集中の考え方をすることです。

うまくいかないと自分の弱みだけに意識が行きがちですが、「本来の自分の強みは何なのか」を思い起こして強みをもう一段階磨くのです。

 最後の決戦でアピールする武器を研ぎ澄ませて最高の準備をして欲しいです。

(文=遠藤 友彦


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この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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