Column

春大会を冷静に振り返る

2016.05.14

遠藤友彦の人間力!

 全国各地で春大会がまだまだ行われていますが、もう敗戦してしまい夏に意識が向いているチームも多いことでしょう。春までは予行練習です。夏大会は最後の大会であり、泣いても笑っても最上級生はラストチャンスです。

マイナスの結果には必ず原因がある

敗戦には必ず理由が有る(写真はイメージ)

 春大会での敗戦理由をよく考えてみる必要があります。練習や練習試合ではできていたのに、公式戦になるとまったく自分のイメージした動きができなくなっていた・・ということはよくあります。

 不思議な負けなし。

 必ずマイナスの結果には「なぜ」という原因があります。その原因をどうしたら夏までに改善していくのかを選手は考えなければいけません。夏大会までは「あと●●日」というように時間が決められています。時間が決められているのに修正を指導者任せにすると、あっという間に時間が過ぎていきます。

 自分で考え、自分で修正していく・・大切ですね。ここで春大会のよくあるミスをあげてみましょう・・

<投手>
・先発投手の立ち上がりの不安定さ
・ボール先行で無駄な四死球
・二番手投手以降の炎上
・バント守備のやらかし
・弱氣になって外へ逃げてガツン

<捕手>
・自分本位な配球で失点(もしくは四死球)
・イージー捕逸
・盗塁を刺せない
・ピンチのときに無言でプレー

<野手>
・簡単なゴロを失策&暴投
・バント守備で消極的な動き

<打撃>
・何ともない変化球軟投投手に沈黙
・ボール球を追っかけて振りまくる
・フライアウト多発
・若いカウントで甘い球見逃し
・見逃し三振
・自分目線での狙い
・バント失敗

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とことん考え抜く

マウンドに集まり声を掛け合う選手達(写真はイメージ)

<走塁>
・牽制死
・スタートを切れていないで盗塁死
・判断が悪く走塁死
・投手捕手がイマイチなのに消極的で動けない

<ベンチワーク>
・劣勢になると声が出ない
・攻撃的な空氣にできない
・出場している選手に必要なことを伝えられていない

 春ならではのミスが重なって敗戦したことでしょう。普段はできるのになぜか春大会公式戦ではできなかった。なぜできなかったのかを選手本人が理解しなければ、夏大会でも同じ流れになることでしょう。

 心の問題なのか、技術の問題なのか・・

 両方に問題があると思いますが、「なぜ」を理解して強く意識して改善しようとしなければ同じことを繰り返します。負けたあとが大切です。ミスをした選手は「早く忘れたい」と考えるでしょうが、正面から向き合って考えなければ「なぜ」まで行き着きません。

 中途半端に考えれば迷うだけです。とことん考え抜けば「これだ」という明確なものが浮かぶことでしょう。そして大事なのは具体的に「これを」と意識することをはっきりさせることです。

 春大会ではライバルチームの出来も分かったと思います。昨秋はああだったけど、今春はこんなに成長していた・・など感じたことでしょう。直接対戦した場合と観戦した場合があると思いますが、夏に向けてライバルに勝つために「必要なこと」も見えてきたと思います。春大会では他チームの情報を取ることも重要です。

 相手を知らないで夏大会一発勝負は危険すぎます。もちろん春の状態から夏までの上積みもありますが、相手の現状を知れば「これ」というものも浮かぶはずです。チームが勝利していくためには、自分だけの成長ではいけません。仲間の成長も重要なポイントなので、自分以外にも氣を配ることもしたほうが良いでしょう。仲間と共に成長して夏を迎えるのです。

 春を糧にして、夏へ勝負をかける。
大事な五月です。夏本番まで二ヶ月ちょっとの時間です。最上級生はラストチャンスなので特に頑張って欲しいです!

(文=遠藤 友彦


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この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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