【選手の本棚】 九州共立大 大瀬良大地 投手
九州共立大・大瀬良 大地は大学№1投手として今年11月には侍JAPANにも選出され、台湾との国際強化試合でも活躍した。将来、広島、日本を支えるエースが挙げた本は、意外にもサッカーに関する本だった。
トッププレーヤーになるための考え方を本で学んだ
心を整える。勝利をたぐり寄せるための56の習慣」(幻冬舎)
――どんな本を読むことが多いですか?
大瀬良 大地投手(以下「大瀬良」) やはりスポーツに関する本が多いです。そんなに読書派ではないですが、野球に関する本もありますし、それ以外の種目の本もあります。
――おススメの本は?
大瀬良 サッカー日本代表でもある長谷部誠さんの「心を整える。勝利をたぐり寄せるための56の習慣」(幻冬舎)です。
――野球以外の分野ですね。意外でした。特に印象に残っている点は?
大瀬良 技術も大事だと思う一方で、私生活の大切さというのが伝わってきました。しっかりできていないと技術にも結び付かないという部分に心惹かれました。長谷部さんなりに、「私生活の行動を、どうサッカーに結びつけるのか?」「100%の力を発揮するための心構え」というのを考えながら、海外や代表での活躍ができているということを感じました。
トッププレーヤーと言われる人の意識を知ることのできる本です。サッカーはそんなに詳しくないですが、長谷部さんのストイックな考え方や行動は役に立っているかもしれません。
©『決めて断つ』/黒田博樹/KKベストセラーズ
――読むきっかけは何でしたか?
大瀬良 みんなが読んでいて評判になったのもあります。それまでは野球選手や、その類の本がほとんどでした。スポーツの世界で活躍されている方が普段の生活で何をしているのか、という部分に興味がありました。
――野球に関する本で興味を持ったのは何ですか?
大瀬良 黒田 博樹投手の「決めて断つ」(KKベストセラーズ)ですね。カープ時代の話からメジャーに行く、それまでの過程が気になって手に取りました。大学からプロへ行くという共通点があったのも理由の1つです。ヤンキースのエースまで上り詰めるまでの決断、勇気の必要さ。その中で黒田さんが成長していく姿が印象的でした。
他では小川さん(泰弘投手、現ヤクルト)が「ノーラン・ライアンのピッチャーズ・バイブル」(ベースボール・マガジン社)を読んだということを聞いて、目を通したことはあります。
その他では、和田 毅さん(独占インタビュー 第65回 福岡ソフトバンクホークス 和田毅選手)の本(「サウスポー論」杉内 俊哉・和田 毅著、KKベストセラーズ)も印象に残っています。
©『風光る~甲子園~』/川 三番地 (著), 七三 太朗 (原著)/講談社
――マンガはどうでしたか?
大瀬良 小学校から中学校にかけて「風光る~甲子園~」(七三太郎原作、講談社)や「Dreams」(七三太郎原作、講談社)という野球マンガが好きでした。どちらも主人公が「エースで4番」という感じのものです。投げている描写が多かったです。普通なら考えられないような無理な変化球を投げたりするのが好きでした。
小さい頃だったので「すごい!」と思って、「こういうボール、どうすれば投げられるだろう?」と、いろんな握りで投げて遊んでいました。読む前まで野球を楽しんでいるだけ、という感じでした。そんなマンガを読んで、握りや変化球の曲がり方などを意識するようになりました。
今を思えば、変化球の深み、面白さを探るようなきっかけになりましたね。変化球はキャッチボールでの、ちょっとした遊び心から生まれるのを覚えた意味では大きな影響を受けたマンガでしたね。
(文・中牟田 康)