トレーニングバットの活用法【動画で解説】
昨今、全国各地の野球用品店では、様々な目的に応じたトレーニングバットを選んで購入することが出来るようになった。
例えば、通常のバットよりも重いマスコットバット、通常よりも長く作った長尺バット、片手でも触れる短尺バット、面で打つ感覚を鍛えるための四角いバットなど、目的によって重さや長さ、形状を変えた様々な種類のトレーニングバットがある。
高校球児のみなさんも様々な練習方法に取り組んで、技術の向上に努めていることだろう。今回は、一流のプロ野球選手たちが、それらのバットをどのような意識で活用し、自身のトレーニングにどう役立てているのか紹介したい。また、記事の最後では、実際に活用しているプロ球団の動画も公開!
プロ選手はどう使っているの?
栗山巧選手(埼玉西武ライオンズ)
栗山巧選手(埼玉西武ライオンズ)の場合
「長尺バットを使うのはヘッドをきかせる感覚を得るため」
「自分は普段の33.5インチの長さから1インチ長くしたものを使います。1インチ長いバットを使う意図としてはヘッドをきかせて振る感覚を得るためですね。長い分ヘッドがきくのでより遠くへ飛びます。
重いバットと軽いバットを交互に振ることでパワーとスピードを生む練習は、僕はやらないですがアリだと思います。そこに狙いと目的があるのならばやる価値は十分にある。できれば言われたことをそのままやるのではなく、きちんと理解した上で自分でもう一工夫加えるくらいの努力があってもいいと思います」
荒木雅博選手(中日ドラゴンズ)の場合
「長尺バットでバットの出し方を体で覚える」
「長いバットの効果はバットの出し方を体で覚えやすい点ですね。長いとバットをしっかり内側から出していかないと打てないので。グリップが前に出ずぎることもないですし。ヘッドをきかせるためという発想はないです。軽いバットを使う効果は、体にスピードを記憶させるためです」
新井良太選手(阪神タイガース)の場合
「重いものを振って、体力をつける」
「普段は920グラムのバットですが、1キロのマスコットバットを使って、ティーバッティング、素振り、フリーバッティングをしています。狙いとしては重いものを振って、体力をつけたり、スイングのキレを出したい思いがあります。
金本知憲監督の方針で思いバットを使うことを進められ、今まで以上に重いバットを使って練習するようになりました。バットの使い分けは疲労度によって変えていて、夏場とかは900グラムにしています」
新井貴浩選手(広島東洋カープ)の場合
「シーズン中は試合と同じもの。オフは長尺バットで練習」
「シーズン中の練習では試合と同じものを使っていまが、昔からキャンプの時期は長尺バットを使っています。長いバットは小手先だけでは振れない。下半身から連動させて体に巻き付けて振らないと。試合でのバットは910グラムから920グラムなのでそんなに重くもなく、扱いやすいものです」
堂林翔太選手(広島東洋カープ)の場合
「バットに振られる感覚を出すため長いバットで練習」
「コーチの方の勧めでバットに振られる感覚を出すために長いバットを使って練習しています。これで練習したあとだと普通のバットでもムチャ振りしなくなって、バットに振られる感覚がありました。プロに入ったときはトップバランスのものを使っていましたが、今は中距離系の扱いやすいもの。重さは890グラムくらい」
このように、同じプロ野球選手でも目的や意識、プレイスタイル、体格などによって様々なバットを使い分けていることがわかる。球児のみなさんも自分に何が必要なのかを考え、それにあったトレーニングバットを使って練習してみてはいかがだろうか。
バットの種類とトレーニングの目的
1.「重いバット」
スイングのスタミナをつけるのが目的。バランスに気を遣いながら、下半身を使ったスイングを意識しよう。
2.「軽いバット」
バットのスイングスピードを体感することを目的にする。ヘッドを抜く「速さ」を身体に覚えこもう。
3.「長いバット」
「重いバット」と同じくスイングのスタミナをつけるのが目的。バランスよく下半身を使ったスイングを意識しつつ、ヘッドを柔らかく使っての「振りぬけ」も意識してみよう。
4.「短いバット」
腕の使い方をマスターするために使う。ポイントを近づけ、コンパクトに振ることを意識しよう。手首をこねず、バットの面で打つことで正確なミートも意識できる。
5.「グリップの太いバット」
グリップの握力を高めるために使用。インパクトの瞬間の握りを意識しよう。
ローマは一日にして成らず。打撃向上も一日にしてならず。高校球児のみなさんもトレーニングバットを存分に活用し、自分のタイプに合ったもの、自分の弱点を補強するトレーニングバットを探し出して、素振りを重ねる。そうして春の打撃向上につなげていこう!
今回登場したトレーニングバットを紹介!
1000g×84/85cmの打撃可トレーニングバット |
1200g×84cmの打撃可トレーニングバット |
950g×84cmの打撃可トレーニングバット |
片手トレーニングバット(830g×65cm) |
長尺トレーニング(1000g×98cm) |
グリップ径太めタイプ打撃可トレーニングバット(1000g×85cm) |