Column

実践例の紹介

2011.03.15

保田貴史の「年間トレーニング計画」

実践例の紹介2011年03月16日

 前回(第1回 「思考を変えて自分を見つめる」)の続きのお話しです。成長するためには、自分を見つめて目標を設定することが大切です。個人個人、目標は違うのでこのようにすればいいというものはありませんが、ここでは一例を紹介させていただきます。

練習中【生光高校】

★ノックを受けることができない選手へ

 ノックと同じだけの強度で走るインターバル走を紹介します。
 ノックを打ってから次のボールを打ち始めるまでの時間を計り、その時間分を走るようにします。それを繰り返すことにより、ボールは追っていないがその強度と同じくらいのランニングをしたことになります。試合も同じように、投げてからプレーが終了する時間を計測し、その時間と同じ時間だけ集中して行うランニングトレーニングです。

 トレーニング効果としては、ノック体力が付く、ノックを受けている選手と体力的に同じ体験ができる。モチベーションがあがる。体力的不安が減る。ノック体力が上がると実際にノックに入った時に体力は補えているので、より高い集中力でたくさんのボールを追うことができ、技術向上に取り組むことができるのでこういった形のランニングトレーニングに取り入れることが多いのです。


練習中【小山台高校】

★バッティング練習をすることができない選手へ

 打席に立つ回数が少ない選手にありがちなのが、ボールに慣れていないのでタイミン
グの取り方が分からないというケースです。

「振りはいいんだけど、打席に入るとタイミングが取れないよね」

という選手はいませんか?これは目が追い付いていけていないのです。

元中日の立浪選手のインタビューに、

「代打専門になってボールを見る機会が減り、反応が出来なくなるから代打専門になってからの方が、レギュラーの時よりストレートボールを多く打つようになった」

というインタビューを聞いたことがあります。長年、野球をしてきた選手でもそのようになるのです。

 たくさんのボールに反応することにより、人はたくさんの経験情報が脳に残り、情報処理能力が上がるのです。しかしあまり打席に立たない選手は、経験情報が少なく情報処理能力が遅れてしまうのです。だから、ボールを打つという経験を増やすことが大切です。つまり、素振りも大切ですがボールを打つことが非常に大切になってくるのです。

 その他には、目のトレーニングや紙ボール打ち・はね打ちなど、当てるだけでなく全力で振った中でモノにあてるという反応のトレーニングが良いでしょう。他には、ミラートレーニングやクレイジーボールトレーニングなどもオススメです。人から出たものに対して、自分の身体を合わせに行くトレーニングが良いのではと考えています。


【すべてが自分のチェックポイント】

 人の癖は、走っている時も、打っている時も、投げている時も、トレーニングしている時も同じように出ているのです。
普段の行動から自分をチェックしてみてください。

□上半身に力が入って投げるピッチャーは、走っている時に上半身に力が入っていませんか?
□背中をたくさん使って引っ張る打撃をするバッターは、走る時も身体を大きく振っていませんか?
□スクワットで下から上がる時、身体をそり過ぎていませんか?

これは例ですが、すべてに出ているのです。つまりトレーニングやランニングからでも意識をすることにより、打ち方ではなく身体の動かし方は改善することができるのです。

 私は選手が技術で意識していることが、どの場面でも出来るように身体に染みつけるトレーニングと身体能力を上げるトレーニング、怪我を予防するトレーニングを選手に提供するようにしています。自分にとって何を取り組むべきか考えてトレーニングしてもらいたいと考えています。

 まずは、このコラムを読むだけでなく、内容を理解し実行していただきたいと思います。形だけを見てしまうと効果も半減します。ぜひ内容・目的を理解していただき実施していただければ幸いです。また、チーム・選手色々な方面からの質問も随時受け付けています!

(文=保田 貴史

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この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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