選抜高校野球大会からみる最新野球用具トレンド
選抜高校野球と春季大会からみる最新野球用具トレンド2015年04月07日
2015年3月21日〜4月1日に[stadium]甲子園球場[/stadium]で開催された第87回選抜高等学校野球大会は、敦賀気比と東海大四の雨の中の接戦を繰り広げた決勝戦(試合レポート)や、甲子園史上初の2打席連続満塁ホームランを放った松本哲幣選手の記憶が新しいだろう。
選抜大会に出場している球児たちが使用している道具には何か傾向があるのか?「野球総合研究所」では、選抜大会初戦で出場32校の球児の使用しているグラブ、スパイク、バットをリサーチした。
グラブはミズノが5季連続の1位!
【投手用グラブ】
今大会の調査の結果、投手グラブで人気を誇っているのはミズノだった。選抜大会に出場していた投手の56%と、実に2人に1人はミズノのグラブを使用していることになる。2位ZETTの16%を大きく上回る数値となった。
3位はSSKで13%、4位はアシックスで6%という結果となった。
ミズノのグラブでは、「グローバルエリート」や「ミズノプロ」が高校球児からの支持が高いが、その人気の高さを裏付けるのが56%という使用率に表れている。
【グラブ全体】
投手グラブに続き、捕手、内野手、外野手のグラブでも、使用率はミズノが1位だった。こちらも、50%と、選抜に出場した選手の半数が使用しているという驚きの結果となった。2位以下は、SSK(12%)、アシックス(10%)、ZETT(7%)と横ばいの中、グラブ全体の分野でも、大差をつけての使用率となった。
投手同様に、手に馴染みやすい柔らかさと優れた操作性が人気のポイントとなっている。
2013年の選抜大会から始まった本調査も5回目(2013年選抜大会、2013年選手権大会、2014年選抜大会、2014年選手権大会、2015年選抜大会)となるが、初回から5大会連続してミズノが使用率1位をキープしているのには、球児からの変わらない信頼や安心感からくる結果であろう。
スパイクやバットもミズノが高いシェアを誇る!
【スパイク】
近年、各社が軽量化や高品質化に取り組んでいるスパイクはどうだろうか。
使用率1位はミズノ。選抜出場選手の44%の選手達が使っているという結果となった。2位のアシックスが34%と迫るが、ミズノは昨年の調査から使用率がさらに3%上昇した。
これまでの野球総合研究所で行ってきた球児達へのスパイク購買に関するアンケートから、スパイクを買う判断基準として挙げられていたのが、
・機能(51%)
・メーカー(13%)
・価格(12%)
・デザイン(10%)
「機能面」が球児にとって圧倒的にスパイクを買う判断基準となっていた。
そこから、今回の調査結果をみると、使用率は機能面の充実度に対する球児達の支持率とも言えるだろう。
さらに選抜大会に出場した学校の中で、今大会1試合で合計10盗塁を記録したチームも、その盗塁を仕掛けた上位打線は、ミズノ社製のスパイクを着用しているなど、スパイクに対する信頼の厚さがうかがえる結果となった。
3位以下は、SSK(13%)、ZETT(4%)と続いている。スパイクはメーカーによって、機能面の違いが大きい分、自分がどんな機能を求めているかでスパイク選びは変わってくるようだ。ただ、近年は「クイックネス」「スピード」といった速さを求めるスパイクが人気を集めているようだ。
【バット】
バッティングを左右するバットはどうなのか。
こちらも、グラブやスパイク同様に使用率44%で1位だったのがミズノであった。2位SSKは27%。
3位以下は、ZETT(13%)、アシックス(9%)となっている。
総括
今回、選抜出場校32校の使用用具を調査した結果、グラブ・スパイク・バットのいずれを見ても、ミズノの高い人気がうかがえた。そこには、本調査での5回連続1位という人気の安定感や、球児のニーズ(機能性)に応えた結果がこれらの数字を生んだのではないだろうか。
野球用品は、自分の実力を発揮するには欠かせないものである。今回の調査を、それぞれの道具選びのヒントにして、新学期に最高のスタートが切れるように準備をしていってほしい。今後も球児の用具トレンドを調査し紹介していたい。