第195回 肩の前側が痛いときの原因と対処法2018年06月15日

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【目次】
[1]痛みの程度を確認する
[2]肩の前側が痛いときに確認したい投球フォーム


 こんにちは、アスレティックトレーナーの西村典子です。

 じめじめした蒸し暑い日が続いていますが、選手の皆さんは体調など崩さずに練習に励んでいますか?夏の大会が目前に近づいてくる中、ここからはいかに体調を崩さないようにするか、ケガをしないようにするかが大切になってきます。ところで練習や試合を行う中でときどき肩の前側に痛みを覚えることはありませんか?投げられるけれども痛みがある…という場合も含め、原因と対応について考えてみましょう。

痛みの程度を確認する


過度に投球動作を繰り返すと肩や肘に負担がかかりやすい。痛みの原因を知ろう。

 野球は投球動作を伴うスポーツなので、どうしても肩や肘に負担がかかり痛みが出てしまうときがあります。このときどのタイミングで痛みが強くなるかを確認してみましょう。

1)動き始め(投げ始め)に痛みがあるが、練習を行っていくとだんだん痛みはやわらぐ
2)練習の始め頃はあまり気にならないが、時間の経過とともにだんだん痛くなる
3)投げ始めから、投げ終わりまであまり痛みが変わらない

 1)の場合、肩周辺部(もしくは痛みのある部位)を中心にプレーに必要な筋肉の柔軟性や関節の動きやすさなどが十分ではないことが考えられます。全体でのウォームアップだけでは足りないことも考えられるので、練習や試合前にプラスして患部を積極的に温めるようにします。肩の場合であればホットタオルなどで直接温めてもいいですし、ダイナミックストレッチなどを行って関節可動域(関節の動く範囲)を徐々にひろげていくようにします。肩が温まると痛みが軽減することも多いのが特徴的です。

 2)の場合は時間の経過とともに筋力や筋持久力の低下、また崩れたフォームで投げることによって痛みが出現することがあります。練習や試合後に痛みが残る場合はクールダウンとともに患部を氷などで冷やし(RICE処置)、患部の炎症症状を抑えるようにします。それと同時に投球動作の時にしっかりと軸足で身体のバランスが保てているか、骨盤が後傾してお尻が落ちてしまったりしていないかなどを確認する必要があります。筋力、筋持久力強化のためのエクササイズなども積極的に行うようにします。

 3)の場合はおそらく当日急に痛くなったというよりは、以前から痛みがある状態でプレーを続けていたことが考えられます。投げ始めから投げ終わりまで痛みの程度が変わらない、もしくはどんどん悪化していくという場合、患部には機能的な損傷があることが想定されるため、まずは医療機関を受診して適切な診察・検査を受け、医師の指示を仰ぐようにしましょう。

 また痛みを自覚するようになってからどのくらい時間が経過しているかも確認しておく必要があります。急性期の痛みは数日間(およそ2〜3日)経過すると痛みのピークを越えてゆるやかに回復する傾向にありますが、長期にわたる慢性的な痛みの場合は適切な対応をとらないと、よくならないばかりか、試合直前になって痛みが悪化してしまうことも考えられます。投球フォームが乱れていないか、適切な患部トレーニングを行っているかをチェックするようにしましょう。

 

【次のページ】 肩の前側が痛いときに確認したい投球フォーム

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プロフィール

西村典子
西村 典子 トレーナー
  • ■ 生年月日:1970年12月5日
  • ■ 出身地:大阪府
  • 奈良女子大学文学部教育学科体育学専攻卒。野球用品メーカーにて勤務後、トレーナーとして10年以上にわたり高校野球・大学野球の現場にたずさわる。野球現場での活動を通して自分たちで自分の体をマネジメントする「セルフコンディショニング」の重要性を感じ、チーム・選手・指導者にむけてスポーツ傷害予防や応急処置、トレーニング(ストレングス&コンディショニング)に関する教育啓蒙活動を行っている。

    一般雑誌、専門誌、ネットなどでも取材・執筆活動中。また整形外科ドクターと野球の傷害予防に関する共同研究活動なども行っている(現在の研究テーマは手指血行障害について)。

    現在、東海大学硬式野球部アスレティックトレーナーをはじめ、さまざまな高校野球部を担当中。
  • ・日本体育協会公認アスレティックトレーナー
    ・NSCA公認ストレングス&コンディショニング・スペシャリスト(CSCS)
    ・NSCA公認パーソナルトレーナー(NSCA-CPT)
    ・日本スポーツ整形外科学会会員 等
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