第185回 ケガを起こしやすいトレーニングとは2018年01月31日

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【目次】
[1]腰椎を反る動作は気をつけよう
[2]肩を極端に鍛えるトレーニング

 こんにちは、アスレティックトレーナーの西村典子です。

 先日センバツ大会の出場校も発表され、いよいよ野球シーズンが近くなってきたことを実感させられます。出場校の皆さん、おめでとうございます! センバツ大会に向けてよりレベルアップ出来るよう、この一ヶ月の過ごし方をさらに充実したものにしてくださいね。さて今回は体力づくりの一つとして多くのチームが取り入れているフィジカルトレーニングですが、行っているエクササイズによってはケガのリスクが高まるものもあります。ケガ予防のために行っているトレーニングがケガにつながってしまわないように一度チェックしてみましょう。

腰椎を反る動作は気をつけよう

膝を伸ばしたままで足を前後させるエクササイズは腰が反り、腰痛を引き起こしやすいので避けよう

 身体の軸をつくるために必要な体幹(身体の胴体部分)を鍛えるために腹筋・背筋運動を行っていることが多いと思いますが、背骨の形状はもともとまっすぐではなく、少し弯曲(わんきょく:弓形に曲がる)していることが知られています。頸椎では前方に、胸椎では後方に、腰椎では前方にとS字のカーブを持っており、このカーブの傾斜がきつくなってくるとさまざまな不具合が生じてきます。腰椎のカーブがきつくなると背骨とあわせて動く骨盤も前方へと傾き(前傾:ぜんけい)、関節と関節の間にあるクッションの役割を果たす椎間板や、関節そのものに大きな負荷がかかって腰が痛くなってしまうことがあります。

膝が90°以上曲がってしまう動作

 膝が90°以上に曲がってしまう動作を繰り返すことは、膝関節と関節の中にある半月板という組織を痛める一因となりやすいことが知られています。スクワットの姿勢で膝が前に出ないようにする理由は、膝の関節を保護しトレーニングによるケガを防ぐ目的があります。また一番下までしゃがみ込んで立ち上がるフルスクワットは膝の角度が90°以上になりますので、よほど下肢筋力がある場合を除き、高負荷で繰り返し行うのは避けておきましょう。以前はグランドで下肢筋力強化を目的としたウサギ跳びを行うところも少なくなかったと思いますが、現在では膝を痛める一因となることが広く知られているため推奨されません。膝の角度が深くなり、そこにジャンプ動作で自分の体重の何倍もの負荷がかかってくると膝関節や半月板を傷めやすくなります。また腹筋の筋力が低い選手が低い姿勢を保とうとすると、腰椎が反り返って腰が痛くなることも考えられます。低い姿勢を保つことを目的とするのであれば、捕球体勢を維持しながら、膝の角度を90°以上に深くしないで歩くニーベントウォークなどのエクササイズが適しています。

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プロフィール

西村典子
西村 典子 トレーナー
  • ■ 生年月日:1970年12月5日
  • ■ 出身地:大阪府
  • 奈良女子大学文学部教育学科体育学専攻卒。野球用品メーカーにて勤務後、トレーナーとして10年以上にわたり高校野球・大学野球の現場にたずさわる。野球現場での活動を通して自分たちで自分の体をマネジメントする「セルフコンディショニング」の重要性を感じ、チーム・選手・指導者にむけてスポーツ傷害予防や応急処置、トレーニング(ストレングス&コンディショニング)に関する教育啓蒙活動を行っている。

    一般雑誌、専門誌、ネットなどでも取材・執筆活動中。また整形外科ドクターと野球の傷害予防に関する共同研究活動なども行っている(現在の研究テーマは手指血行障害について)。

    現在、東海大学硬式野球部アスレティックトレーナーをはじめ、さまざまな高校野球部を担当中。
  • ・日本体育協会公認アスレティックトレーナー
    ・NSCA公認ストレングス&コンディショニング・スペシャリスト(CSCS)
    ・NSCA公認パーソナルトレーナー(NSCA-CPT)
    ・日本スポーツ整形外科学会会員 等
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