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第174回 備えあれば憂いなしの救急箱2017年07月31日

 こんにちは、アスレティックトレーナーの西村典子です。

 夏の地方大会もほぼ終わりました。全国大会への切符を獲得したチームの皆さん、おめでとうございます。甲子園でも自分たちのパフォーマンスが十二分に発揮できるよう、体調を整え、しっかり準備して臨んでくださいね。また地方大会で敗れた学校は新チームとして活動を開始していることと思います。また次の目標に向けて、先輩たちの分までしっかりがんばっていきましょう。さて今回はグランドなどで起こったケガに対する応急処置について、必要な備品がそろっているかどうかを救急箱の中身をみてチェックしてみましょう。

【目次】
[1]救急箱の中身を定期的にチェックしよう
[2]備えあれば憂いなし!ケガへの対応は揃っていますか?

救急箱の中身を定期的にチェックしよう

スライディングなどで膝をすりむくことは頻繁に起こる。適切な応急処置を行おう

 多くのチームではチーム専用の救急箱を準備していることと思いますが、練習時だけではなく遠征時にも持参できるよう中身を定期的にチェックして確認しておく必要があります。またそれぞれの備品が何のために使うものなのかについても、しっかりと理解しておくようにしましょう。まずは救急箱に備えておくべき備品について、購入しやすいものを中心にご紹介したいと思います。遠征に持参することを考えるといろんなものを詰め込むというよりは、必要最低限のものを準備するようにしましょう。

★・・・必ず準備しておきたいもの
☆・・・あれば便利なもの

《アイシング用》
★ビニール袋(アイシング以外にもいろんな用途があるので必ず入れておこう)
★バンテージ・包帯類
☆コールドスプレー(プレーを継続させる目的で使うがあくまでも一時的なもの。応急処置は必ず氷で行う)
☆氷のう(あれば。ビニール袋で十分対応可能)

 練習や試合時に比較的よく起こるケガとしてデッドボールなどの打撲や捻挫などが挙げられます。このような時はすぐにRICE処置を行う必要があるので、氷を入れるためのビニール袋(もしくは氷のう)とそれを固定するためのバンテージ(弾性包帯)を準備しておきます。コールドスプレーは皮膚の表面を瞬間的に冷やすことで痛みの感覚を和らげますが、ケガの応急処置としては不向きです。

 また湿布や保冷剤に関しては応急処置のシーンで使うことはあまりありません。湿布は炎症を抑えるために使いますが、患部を冷却する効果はそれほど見込めませんし、保冷剤についても急激に冷やすことによって低温やけどなどのリスクが高まりますので、応急処置として対応するときは氷を使うようにしましょう。

《創傷処置》(キズの手当て)
★滅菌ガーゼ(脱脂綿は綿毛が傷口についてしまうため、創傷処置には適さない)
★救急絆創膏(指用やある程度大きいものなどサイズの違うものをいくつか)
★消毒液(土や砂利などが傷口に入り込んでいる場合はオキシドール、それ以外はポピドンヨード(イソジン等)を使用)
☆湿潤療法用の保護材(薬局で購入できるものではキズパワーパッドなど)
☆メディカルグローブ(ない場合はビニール袋で両手を保護して作業する)
☆裁縫道具(ピンセットや針など)
☆綿棒

 スライディングなどで膝をすりむいたり、切り傷などについてもよく見られるケガですが、軽傷である場合がほとんどであり、応急処置をしてプレーを続行することが多いと思います。このような場合は傷口を流水でよく洗い流した後、患部を保護する目的で応急処置を行います。この場合は脱脂綿やティッシュなどではなく滅菌ガーゼがあると便利です。また出血している場合も多いので、ビニール手袋を準備し、血液感染対策を行うようにしましょう(手袋がない場合はビニール袋で代用)。

【次のページ】 備えあれば憂いなし!ケガへの対応は揃っていますか?

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プロフィール

西村典子
西村 典子 トレーナー
  • ■ 生年月日:1970年12月5日
  • ■ 出身地:大阪府
  • 奈良女子大学文学部教育学科体育学専攻卒。野球用品メーカーにて勤務後、トレーナーとして10年以上にわたり高校野球・大学野球の現場にたずさわる。野球現場での活動を通して自分たちで自分の体をマネジメントする「セルフコンディショニング」の重要性を感じ、チーム・選手・指導者にむけてスポーツ傷害予防や応急処置、トレーニング(ストレングス&コンディショニング)に関する教育啓蒙活動を行っている。

    一般雑誌、専門誌、ネットなどでも取材・執筆活動中。また整形外科ドクターと野球の傷害予防に関する共同研究活動なども行っている(現在の研究テーマは手指血行障害について)。

    現在、東海大学硬式野球部アスレティックトレーナーをはじめ、さまざまな高校野球部を担当中。
  • ・日本体育協会公認アスレティックトレーナー
    ・NSCA公認ストレングス&コンディショニング・スペシャリスト(CSCS)
    ・NSCA公認パーソナルトレーナー(NSCA-CPT)
    ・日本スポーツ整形外科学会会員 等
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