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第173回 発汗量の多い季節は鉄分をしっかりとろう2017年07月15日

 こんにちは、アスレティックトレーナーの西村典子です。

 夏の地方大会もいよいよ後半戦に突入してきました。リーグ戦とは違い、トーナメント大会は一発勝負になるため、勝ち上がっていくとどうしても試合が連戦になってしまいます。またこの時期は暑さによる発汗量も増えますので、脱水症状や熱中症などにも注意が必要です。今回は運動中にたくさん汗をかくことによって、水分や塩分とともにミネラルの一つである鉄分が不足することとその影響、補給方法について考えてみたいと思います。

【目次】
[1]発汗で失われるのは水分・塩分だけではない / 疲れがなかなか抜けないのは鉄分不足かも?
[2]アスリートとして十分な鉄分をとっていますか?

発汗で失われるのは水分・塩分だけではない

夏の暑い時期は発汗によって鉄分も失われることを知っておこう

 汗をなめてみると少し塩辛い味がしますが、これは水分とともにミネラル分の一つであるナトリウムが含まれているため。このため激しい運動を行うときには水分とともに塩分補給が必要であるということが言われています。最近は塩分の重要性をかなり強調されることが多くなっていますが、あまりにも塩辛いものばかりを取り過ぎると塩分過多になってしまいますので、試合や練習が長時間にわたる場合や大量に汗をかいたときに少し塩分を含むものをとるようにするとよいでしょう。

 また鉄分についても激しい運動を行うとより多く消費し、汗によって体外に排出されることがわかっています。運動が長時間にわたると、全身の血流量が増えて身体の末端まで酸素や栄養素を届けるために赤血球の働きが欠かせませんが、赤血球の材料となる鉄分の必要量も増加するからです。さらに汗にも微量の鉄分が含まれますが、大量に汗をかくことで鉄分の排出量も増えることになります。鉄分不足は女性アスリートによく見られますが、男性アスリートにとっても必要不可欠な栄養素であることは間違いありません。

疲れがなかなか抜けないのは鉄分不足かも?

 鉄分不足といってまず思い出すのは貧血かもしれません。貧血とは血液に含まれるヘモグロビン濃度の低下によって起こりますが、鉄分はヘモグロビンを運搬する赤血球の材料となるもので、不足すると鉄欠乏性貧血を起こします。立ちくらみなどが代表的な症状ですが、この他にも集中力が続かない、スタミナ不足を感じる、いくら休みをとっても疲れがとれない、意欲・モチベーションの低下などが見られます。試合や練習での疲労がなかなか抜けないときは、鉄欠乏性貧血による可能性があることも知っておきましょう。貧血は食事によって改善することが可能です。疲労回復効果とともに夏バテ対策、スタミナ回復を意識した鉄分摂取を心がけましょう。

【次のページ】 アスリートとして十分な鉄分をとっていますか?

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プロフィール

西村典子
西村 典子 トレーナー
  • ■ 生年月日:1970年12月5日
  • ■ 出身地:大阪府
  • 奈良女子大学文学部教育学科体育学専攻卒。野球用品メーカーにて勤務後、トレーナーとして10年以上にわたり高校野球・大学野球の現場にたずさわる。野球現場での活動を通して自分たちで自分の体をマネジメントする「セルフコンディショニング」の重要性を感じ、チーム・選手・指導者にむけてスポーツ傷害予防や応急処置、トレーニング(ストレングス&コンディショニング)に関する教育啓蒙活動を行っている。

    一般雑誌、専門誌、ネットなどでも取材・執筆活動中。また整形外科ドクターと野球の傷害予防に関する共同研究活動なども行っている(現在の研究テーマは手指血行障害について)。

    現在、東海大学硬式野球部アスレティックトレーナーをはじめ、さまざまな高校野球部を担当中。
  • ・日本体育協会公認アスレティックトレーナー
    ・NSCA公認ストレングス&コンディショニング・スペシャリスト(CSCS)
    ・NSCA公認パーソナルトレーナー(NSCA-CPT)
    ・日本スポーツ整形外科学会会員 等
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