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第170回 野球で起こる急性外傷(デッドボール)の対処法2017年05月31日

 こんにちは、アスレティックトレーナーの西村 典子です。

 春のシーズンも終わりに近づき、これから梅雨の時期を経て夏の大会に向けての準備が始まっていることと思います。ここからは急激な技術的レベルアップというよりは、いろんなことを確認しながらその精度を高めたり、コンディションを整えてケガをしないようにすることが大切になってきます。野球はもともと突発的なケガの少ない競技と言われていますが、投手のボールが身体に当たってしまうデッドボールは頻繁に起こる急性外傷の一つです。今回はデッドボールへの対応についてまとめてみたいと思います。

【目次】
[1]デッドボールを受けた時は、必ずRICE処置を!
[2]デッドボールを受けた部位ごとの対処法

デッドボールを受けた時は、必ずRICE処置を!

打席に立ったときにデッドボールを受ける機会は少なくない

 デッドボールはピッチャーの投球ミスから起こる突発的なアクシデントです。当たった部位によってはユニフォームをかすめた程度の軽症のものから、立ち上がれないほどの重症のものまであり、特に頭頸部、顔面付近へのデッドボールはすみやかな対応が必要です。

 デッドボールを受けた場合、プレー続行か不可能かをまず判断することになります。当たった直後にさほど痛みがなかったり、動きに支障がなかったりする場合はそのままプレーを続行しランナーとして出塁することになりますが、その後ベースランニングなどができるかどうかを確認しなければなりません。

 特に足部や膝、太ももといった下半身にボールが当たった場合、ランナーとしてプレーしているうちにどんどん痛みが増してくる可能性がありますので、あわてずタイムをとり、患部をゆっくり動かして判断するようにします(場合によっては臨時代走を起用すること)。自力歩行が困難であったり、スムーズに動作が行えない場合は交代し、氷などを使ってRICE処置を行う必要があります。

 よくファーストコーチャーが冷却を患部に吹きかけている場面を見かけますが、これはあくまでもその場での痛みの感覚を一時的に麻痺させるものであり、皮膚表面を冷却しているにすぎません。当たった後に想定される腫れや熱感、炎症などを抑える効果は期待できませんので、プレーを続行した場合も試合後には必ずRICE処置を行って患部を冷やすように心がけましょう。

 またデッドボールによって明らかな変形や激しい痛み、広範囲に及ぶ腫れや熱感が見られる場合は骨折している疑いがありますのでプレーは中止し、患部を冷却しながら動かないように固定をし、すぐに医療機関を受診するようにしましょう。

【次のページ】 デッドボールを受けた部位ごとの対処法

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プロフィール

西村典子
西村 典子 トレーナー
  • ■ 生年月日:1970年12月5日
  • ■ 出身地:大阪府
  • 奈良女子大学文学部教育学科体育学専攻卒。野球用品メーカーにて勤務後、トレーナーとして10年以上にわたり高校野球・大学野球の現場にたずさわる。野球現場での活動を通して自分たちで自分の体をマネジメントする「セルフコンディショニング」の重要性を感じ、チーム・選手・指導者にむけてスポーツ傷害予防や応急処置、トレーニング(ストレングス&コンディショニング)に関する教育啓蒙活動を行っている。

    一般雑誌、専門誌、ネットなどでも取材・執筆活動中。また整形外科ドクターと野球の傷害予防に関する共同研究活動なども行っている(現在の研究テーマは手指血行障害について)。

    現在、東海大学硬式野球部アスレティックトレーナーをはじめ、さまざまな高校野球部を担当中。
  • ・日本体育協会公認アスレティックトレーナー
    ・NSCA公認ストレングス&コンディショニング・スペシャリスト(CSCS)
    ・NSCA公認パーソナルトレーナー(NSCA-CPT)
    ・日本スポーツ整形外科学会会員 等
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