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毎日のセルフチェックでケガを予防しよう

2017.03.15

毎日のセルフチェックでケガを予防しよう | 高校野球ドットコム

 こんにちは、アスレティックトレーナーの西村 典子です。

 他校との練習試合も解禁となり、春のセンバツ大会では組み合わせが決まるなど、いよいよ本格的な野球のシーズンの到来ですね。皆さんのチームでも春の大会に向けて毎日練習に励んでいることと思います。実践的な練習が多くなればなるほど、身体のコンディショニングについて自分自身でチェックし、ケガの予防につなげたいところですね。そこで今回は自分自身でケガを予防するために意識したいことなどについてお話をしたいと思います。

ストレッチでコンディションをチェックする

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身体をひねった状態の柔軟性をセルフチェック

 ウォームアップクールダウンの時などに行われるストレッチですが、皆さんのチームではどのタイミングで行っているでしょうか。チーム全体で取り組むところもあれば、個人に任せているところもあると思います。ウォームアップであればこれから野球を行う「準備」として柔軟性を高めるように行いますし、クールダウンであれば身体の疲労をより早く回復させるために血流促進、柔軟性の確保などを目的として行っていると思います。
またストレッチは単に筋肉や関節周辺部の組織を伸ばして柔軟性を高めるためだけではなく、毎回行うことで自分のコンディションをチェックすることにもつながります。

 特に下半身の柔軟性が低下していると、肩や肘に負担をかけやすくなり、無理なフォームで投げ続けてケガをしてしまうリスクが高くなってしまいますので、毎回のストレッチで自分の状態をしっかり把握するように心がけましょう。「今日はいつもより硬いかも?」と思ったら、より入念にウォームアップをして体温(筋温)を上げ、時間をかけてストレッチをすることもケガ予防につながります。

痛みや違和感を把握する

 毎日身体のコンディションが100%ということは、現実的にはなかなか難しいところです。特に以前から不安部位のある選手にとっては、痛みや何となくいつもと違うといった違和感を抱えていることも少なくないでしょう。「プレーできるから大丈夫」という状態で長く続けていると、ある日突然痛みが増したり、患部が悪化してプレーに支障をきたすことも考えられます。

 普段野球ノートを書いている選手であれば、痛みや違和感を数値化して記録しておくことをオススメします。わかりやすく10段階で評価し、一番痛いものを10、痛みのないものを0として今日のコンディションを数字で記録していくようにすると良いでしょう。練習内容なども記録しておくと、練習の負荷によってどの程度痛みが悪化するのかといった関係性もわかりやすくなります。痛みの段階が悪化した場合は、練習後にアイシングを行ったり、患部へのセルフケアを行ったりしながら対応し、急激に悪化した場合は医療機関を受診するようにしましょう。

[page_break:クールダウンは疲労のマネジメント]

クールダウンは疲労のマネジメント

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足指と手指を握手して足首を回し、柔軟性を高めよう

 試合期が近づけば近づくほど、なるべく疲労を翌日に持ち越さないようなセルフコンディショニングを行っていく必要があります。クールダウンは練習後に行う疲労回復のためのコンディショニングとして欠かせないもの。全体で行う場合や個人で行う場合などチームによってそれぞれですが、練習後にストレッチをして練習前と比べて柔軟性がどれほど落ちているのか、筋肉痛や身体のだるさなどがどの程度残っているのかを自分自身で把握するようにしましょう。

 帰宅後の入浴では湯船に入って身体を温めて血行を良くすることを心がけ、入浴後にはセルフチェックとしてストレッチを行うようにしましょう。筋肉を伸ばして痛みが出る場合は無理にストレッチをすると筋線維がさらにダメージを受ける可能性がありますので(肉離れなど)、呼吸を止めず無理のない程度に行うことが大切です。

 またゴルフボールやテニスボール、100円均一などで購入できる青竹踏み、ストレッチポール、凹凸(おうとつ)のあるフォームローラーなどを使って、自分自身で筋肉をほぐすこともできますので、こうしたグッズを上手に取り入れることも良いでしょう。特に足首の柔軟性が低下していると足首だけではなく、膝や腰、そして投球動作に連動する肩や肘にも影響を及ぼしますので、足首はしっかりとケアをしたいところです。ゴルフボールを使って足底の筋肉をほぐす、湯船で正座をする、足指と手指を握手させた状態で足首を回すなど、毎日の習慣にして行うと足首の柔軟性がよくなりますので、気になる選手はぜひ行うようにしてみてくださいね。

【毎日のセルフチェックでケガを予防する】
ストレッチを日課にすることで普段とは違った違和感や柔軟性の違いに気づく
●筋肉など硬さを感じる場合はいつも以上に身体を温めてからプレーする
●痛みや違和感などを数値化し、10段階で評価して記録しておく
●練習後のストレッチは、練習前の状態との比較にもなる
●ストレッチをして痛みが強くなる場合は無理に伸ばさない(悪化する可能性があるため)
●手軽に手に入るコンディショニンググッズを有効活用する

(文=西村 典子

次回コラム公開は3月30日を予定しております。

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この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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