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第162回 『骨盤を立てる感覚』とは一体どんな感覚なの?身に付けるためのトレーニング法は?2017年01月30日

 こんにちは、アスレティックトレーナーの西村 典子です。

 いよいよ春のセンバツ大会に出場する高校が決定しましたね。出場が決まった選手の皆さん、おめでとうございます!これからセンバツに向けてさらに体力面、技術面での向上をはかり、またケガをしないように過ごしてくださいね。さて選手の皆さんは普段からコンディショニングの一つとしてストレッチを行っていると思いますが、ときどき「骨盤(こつばん)を立てよう」と指摘されることがあると思います。今回はこの「骨盤を立てる」ことの意味やメリットなどについてお話をしたいと思います。

【目次】
[1]「骨盤を立てる」とはどのような状態なの? / 骨盤の前傾と後傾
[2]壁や椅子を使って骨盤の位置を意識しよう / 骨盤の位置を意識したお尻歩き

「骨盤を立てる」とはどのような状態なの?

骨盤の位置(前傾・ニュートラル・後傾)の位置をイメージしてみよう

「骨盤を立てる」という言葉はスポーツ現場でもよく使われるフレーズですが、実際に「骨盤が立つ?」と疑問に思う選手がいるかもしれません。普段使われている「骨盤を立てる」という意味は、おそらく骨盤が正しい位置にある(=ニュートラルポジションともいいます)ということを意味していると思います。骨盤のニュートラルポジションとは、

1)正面から見て、腰に両手を当て(骨盤の一番出っ張った部分)、左右の高さが水平であること。

2)横から見て、前後の傾きが適切であること。前に偏っているのを前傾(ぜんけい)、後ろに偏っているのを後傾(こうけい)と呼びます。一般的にはやや前傾した状態がニュートラルポジションです。

3)真上から見て(実際に見るのは難しいですがイメージしてみましょう)、骨盤が左右にねじれていないこと。

 この3方向からみて骨盤の位置が正しいかどうかを確認しましょう。

骨盤の前傾と後傾

 横から見て骨盤が前に偏りすぎていないか、後ろに偏っていないかは、壁を使ってセルフチェックを行うことができます。壁際にまっすぐ立ち、頭部、お尻、かかとの3点がつくように背中をつけ、その姿勢を保持した状態でみられる腰と壁とのすき間を目安にします。握りこぶし1個分以上のすき間がある場合は骨盤が前傾、逆に手のひらの幅よりもすき間が少ない場合は骨盤が後傾傾向と考えられます。

壁を使って骨盤の位置をセルフチェック

《骨盤の前傾》
妊婦さんを想像するとわかりやすいと思いますが、お腹が前方につきだしたことによって重心が身体の前方へ移動し、この状態では前方倒れてしまうため、倒れないように背筋群を使ってバランスをとった状態です。背筋群が緊張し、腰がいわゆる「反り腰」となってしまい、走ったり跳んだりといった動作を繰り返すたびに腰椎により大きな負担がかかって腰痛の原因になりやすいといわれています。腹筋や太ももの後面(ハムストリングス)の筋力低下とともに、太ももの前面(大腿四頭筋、腸腰筋など)や背筋群は筋肉がかたくなりやすい傾向にあります。

《骨盤の後傾》
骨盤が後ろに傾くといわゆる「お尻が落ちてしまった状態」になります。椅子にふんぞり返って座っている状態を想像してもらうとわかりやすいと思います。お尻が落ちた状態では姿勢を保持するために上半身が丸まってしまい、頭が前に突き出した状態となって肩こりや首のこりなどが起こりやすくなります。骨盤が後傾すると姿勢が崩れるだけではなく、腰の回旋動作がうまく出来なかったり、股関節の動きを制限したりして、守備、走塁、バッティングなど野球のプレーそのものにも影響を及ぼします。

【次のページ】 壁や椅子を使って骨盤の位置を意識しよう / 骨盤の位置を意識したお尻歩き

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プロフィール

西村典子
西村 典子 トレーナー
  • ■ 生年月日:1970年12月5日
  • ■ 出身地:大阪府
  • 奈良女子大学文学部教育学科体育学専攻卒。野球用品メーカーにて勤務後、トレーナーとして10年以上にわたり高校野球・大学野球の現場にたずさわる。野球現場での活動を通して自分たちで自分の体をマネジメントする「セルフコンディショニング」の重要性を感じ、チーム・選手・指導者にむけてスポーツ傷害予防や応急処置、トレーニング(ストレングス&コンディショニング)に関する教育啓蒙活動を行っている。

    一般雑誌、専門誌、ネットなどでも取材・執筆活動中。また整形外科ドクターと野球の傷害予防に関する共同研究活動なども行っている(現在の研究テーマは手指血行障害について)。

    現在、東海大学硬式野球部アスレティックトレーナーをはじめ、さまざまな高校野球部を担当中。
  • ・日本体育協会公認アスレティックトレーナー
    ・NSCA公認ストレングス&コンディショニング・スペシャリスト(CSCS)
    ・NSCA公認パーソナルトレーナー(NSCA-CPT)
    ・日本スポーツ整形外科学会会員 等
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