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第12回 「全国屈指のブラバン応援対決」 拓大紅陵対習志野2010年07月20日

声援で盛り上がる拓大紅陵対習志野戦
ブラスバンドとしての実力は全国有数でありながら野球応援にも熱い情熱を賭ける習志野高校吹奏楽部。いかにアツイかは過去のインタビューを参照ください。
応援曲を集めた学校作成のCDもVer.3を数え、オリジナルの曲数では他の追随を許さない拓殖大学紅陵高等学校吹奏楽部。ちなみに拓大紅陵の野球応援歌CDは学校に問い合わせると有償にて譲っていただけます。
全国制覇2回の習志野。準優勝1回の拓大紅陵。その野球の実力も広く知られております。直近の直接対決では昨年の夏準決勝で激突。その時は紅陵が4対1で勝利。
果たして本日は?スタンドもグラウンドも千葉県屈指の好カードに千葉マリンスタジアムはほぼ満員。
3塁側 習志野

習志野高校ブラスバンド
部員数192名。本日はその90%以上が千葉マリンスタジアムに集結しました。試合開始前、顧問の石津谷治法先生が部員に激。
「今日はハナからレッツゴーでいくからな。絶対負けんなよー」。
そう。「習志野と言えばレッツゴー」「レッツゴーといえば習志野」。75年夏の全国制覇後に作成されたというこの応援曲。昨今のブラバン応援ブームの中でもアフリカンシンフォニーと並んで知る人ぞ知る名応援曲です。
生徒応援席が隔離されていて一般の方が立ち入ることができない千葉マリンスタジアム。ユニフォーム姿でべらんめぇ調の石津谷先生。文科系の部活顧問にはあまりお見かけしないタイプ。そのため「出入口で一般客のおじさんに間違えられた」とおどけて、生徒を笑わせます。そんな先生ですが、実は全吹連の理事ならびに千葉県吹奏楽連盟の常任理事でいらっしゃり、その世界ではかなりの有名人です。
1回裏 習志野の攻撃。
通常は3塁に進んでからの使用開始も今日は走者が出ると早速のレッツゴー。大音響に乗ってプロ注目の山下 斐紹選手のタイムリー。得点時は校歌でなく、ホームランファンファーレと得点ファンファーレを連続で演奏。このあたりも習志野らしいこだわりが感じられます。
部員が多いので指揮者複数名体制。統括として指揮をするのは昨年12月のサッカー応援から担当するようになった大沼拓也君。
「試合の流れをつかみリード・チャンスの時はハイテンションで、そしてピンチ・劣勢でも気持ちを切らすことのない演奏を心掛けています。」
応援マナーも常にちゃんと意識しているようでこういう点はさすが伝統校。
「去年の夏、紅陵に負けた悔しさもあり今日は負けない。絶対甲子園に行きます。」
ちなみに1年生の時に山下 斐紹選手とクラスメイトだったらしく印象を聞くと「気が強い」とプロのスカウトと同じようなコメント。
日差しがあたるところから麦わら帽子を被るなど暑さ対策も完璧な習志野。休みの日などの練習はコンクールために5時間、野球応援のために2時間とかなりハード。この夏もバトン部、野球部との合同練習をこなしてきました。そのバトン部は部長の林美弥さん以下29名。皆さん髪型を統一してレッツゴーでは軽快にタンバリンを叩きます。

試合とともに応援も加熱
「ひとり、ひとりが甲子園に行く気満々なので全員終始笑顔で頑張ります。」
バトン部の練習は選手ごとの曲を5回繰り返しながら休みなく行います。さらにこれを9人分休むことなく続けるので1時間以上は通して踊ることに。その練習をこなしたという自負を持って体力・気力・笑顔を絶やさず、選手に声援を送ります。
初回に4点を先制してイケイケの習志野に対して、いきなり劣勢に立たされた拓大紅陵。
しかし徐々にその点差を詰めていきました。
1塁側 拓大紅陵

拓大紅陵の18名のチアリーダー
偶数回ごとに得点を重ね6回にとうとう同点に追いつき盛り上がる紅陵応援席。その応援席をリードするのは吹奏楽部顧問吹田(ふきた)正人先生。こちらも部員は90人と大所帯。野球部・チアと合同で炎天下の屋外で2時間練習をして今日の試合に臨みました。
数あるオリジナルの曲の中でも5回に使用する「勝利のテーマ」がお気に入りという吹奏楽部部長の田中瑞希さんは「昨年は体調が悪くなり決勝で倒れてしまい、しかも試合にも負けて悔しい思いをしたので、今年は各自が塩を持参するように指示しました。抜かりはありません。」と必勝態勢。
部活動ではなく「チアリーダー」として活動しているチアは総勢18名。
紅色のかわいらしいタンバリンを使っての応援。責任者の山口栞さんは「野球部の強い高校の一員としてブラスに負けないように頑張っています。去年は悔しい思いをしたので今年は絶対勝ちたいです。」と守備中も座ることなく応援を続けます。
その甲斐あって8回表に本塁打で勝ち越し。応援席、狂喜乱舞。
しかしながら、応援席をリードする吹田先生は熱くなりながらも冷静に全体を掌握して次の曲・次の応援展開の指示。応援席をリードする人は、みんなと同じタイミングで熱くなって自分を見失ってはいけません。流石です。「吹田先生は素晴らしいね。」と田中さんに尋ねると「野球応援専門の顧問ですから。」「???」実は演奏の顧問と部の運営をされる顧問の方は別にいるそうです。野球応援「だけ」の顧問ですか。全国で他にいるか、今度探しておきます。

応援に熱が入る吹田先生
そのあたり演奏担当の大槻先生に「実際のところどうですか?」と尋ねると「別に何もないですよ。一緒に応援できればそれで良いのです。」といって自らもトランペットを吹いて大声で応援しております。応援に理解のある学校だという事はよくわかりました。
お互いのエール交換では起立してちゃんと脱帽するなどそのあたりのマナーや徹底されています。収容人数の多い球場において高い演奏レベルの両校の応援は楽しく、贅沢なひと時を満喫させていただきました。
応援と共にグラウンドも激しい戦いとなり、習志野が八回裏に再逆転に成功。ベスト16・五回戦進出を決めました。
「7月・8月はコンクールやその練習」という吹奏楽部の皆さんも多いと思いますが、高校野球の応援は人生において数少ない演奏機会です。せっかくですから機会があれば是非、楽器を持って球場に足を運んで頑張る仲間を応援してあげて下さい。
(文=NPO応援指導支援ネットワーク)
【この試合の観戦レポート】
2010年夏の大会 第92回千葉大会 4回戦:習志野vs拓大紅陵
【この試合の高校野球応援ブログ】
習志野vs拓大紅陵
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