【秋季沖縄県大会】美里工vs八重山商工など激戦ブロックも!夏甲子園ベスト8入りの興南を阻むのは?
9月12日に開幕する、第65回沖縄県高校野球秋季大会の抽選会が1日に行われ、参加全61校の組み合わせが決まった。
シード校の優位が毎年のように囁かれるが、昨年の第一シードであった沖縄尚学が宮古総実に敗れたように、野球だけは蓋をあけて見なければ分からないスポーツでもある。
そういう予測不可があること=切磋琢磨してきて練習に励み、レベルを向上してきた各校の力の差が縮まりつつあることを踏まえながら、第65回沖縄県高校野球秋季大会の展望を一緒に見ていこう。
【Aブロック】那覇vs豊見城の初戦対決に注目!
抽選会の模様
高校野球オールドファンなら絶対に駆けつけたいカードが実現した。
昨年の新人中央大会(以下新人)4位の那覇と、今年春季県大会(以下春季)4位の豊見城だ。
豊見城は前チームから経験豊富な翁長 宏和、宮海 翔の投手陣や、中軸を担った平田 怜之輔らが中心となる。一方の那覇は三年生が主軸だったのもあり世代交代がどれだけ進んでいるのかにもよる。
夏の選手権沖縄大会(以下選手権)の南風原戦で僅か1イニングの登板ながら、打者3人から2つの三振を奪った川畑 勇斗や池村 祐人の経験者二人がナインを引っ張りたい。
その勝者を待ち受けるのが第一シードの八重山だ。
中央大会4試合の打率は若干3割に届かなかったものの、平均得点力は6.2と非常に高い数値を残した。新里 光平と黒島 投真に続くエース候補として名を挙げたのが仲山 琉斗。小禄戦の5回と西原戦の7回、そして宜野座戦の9回を投げ抜いての自責点ゼロに、仲里監督も嬉しい悲鳴を上げた。
打線も切込み隊長の川満 拓也から、力強い中軸に勝負強い下位へと繋がっていく。
球陽と中部商の戦いも興味深い。中部商は前田 敬太をはじめ殆どのメンバーが三年生だったが、新チームが発足した後の新人中部南予選を勝ち抜いて中央大会への出場を果たすなど、トップの上里 航平や中軸の森田 滉央や後輩たちがチーム力を上手く引き継いでいると言えよう。
対する球陽は、昨年の一年生中央大会への出場を果たしたメンバーが健在。エースで4番の我如古 莉也や、1番を務めた遠矢 彪我らが実力を発揮すれば、昨年王者を飲み込む大物食いは十分可能だ。
北中城vsコザの中部地区対決も楽しみだが中部商同様、両校ともに三年生が主力だったこともあり新チームの力は未知数。これは知念にも言えることであり、新チームにとっての最初の試練と言うべきものでもあろうか。
一方で楽しみな選手が多いのが宜野湾と那覇西だ。宜野湾は、選手権での美里工戦で複数安打をマークした安里 昇之助、崎村 駿、金城 龍樹ら打線の繋がれば面白い。那覇西は選手権での1、2回戦に登板し、14イニング連続無失点を記録したエースの赤嶺 由生郎の右腕に懸かってくる。
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【Bブロック】宜野座、浦添、那覇商、真和志ひしめく!
宜野座が第四シード
新人4位でシードを確定した宜野座にとって、内間 拓馬の成長が一番の収穫だった。
豊見城南戦で途中登板のロングリリーフをこなし、三位決定戦の浦添商戦では延長11回、203球を投げ切った。エース格の玉城 楓との二本柱と鍛え抜かれた守りを中心とした野球は、他校にとって難攻不落の城に映るだろう。
またこのブロックには、好右腕前武當 一斗の出来がカギとなる小禄と、新人北部地区で名護や北山を倒し中央大会へ出場した本部、その本部を下して8強入りした西原と、宜野座を含め中央大会出場校が4校も入った。
その他では浦添や那覇商も上位候補。その中で一番のダークホースが真和志だろう。
選手権で宜野座を相手に先発して7回2自責点とした前原 信王や、2安打を放った仲本 政弥らに加え、無失策の野手陣(同宜野座戦)などチーム力はかなり高く、面白い存在となりそうだ。
【Cブロック】夏の甲子園ベスト8入りの興南を阻むのは?
興南が第二シード
夏の甲子園ベスト8入りに貢献した興南のエース比屋根 雅也は、春夏の県大会での防御率が1点台を切っており、独特のクロスステップから放る対角線のある球を攻略するのは極めて至難の技と言えよう。野手組の具志堅 大輝、高那 峻を合わせた甲子園組と我喜屋監督ら指揮官を欠く中での、新人準優勝という成績も見事だった。
その新人全3試合に登板した崎原 大輔と上原 麗男が、貴重な経験を積んだのも大きい。疲れが残るだろう比屋根を休ませられるような試合運びが出来るようだと、選手権同様この秋季大会も5年振りの栄冠がグンと近づく。
右腕・平安 常輝とトップバッターとしてチームをけん引する糸満大城 翔太郎が残る糸満と、平良 竜哉、山根 蓮太の左右投手を擁する前原との戦いは好カード。どちらもこの一戦を制して波に乗りたいところだ。
新人15年振りの8強入りを果たした豊見城南は、宜野座戦で2ランホームランを放った4番平安 郁太と、嘉手納戦で先発し2失点完投した金城 勝士の投打の柱がしっかりしている。
南部工は、前チームの3年生が一人だけだったこともあり全員が経験豊富。それが高校工業野球大会(以下工業大会)での3位という成績に繋がった。
また、もう一つの注目校は未来沖縄(KBC学園)だ。
初めての大会となった選手権では1対6と大敗し、高校野球の厳しさを味わったが、まだまだ失うものは無い一年生軍団。思い切りの良いプレーなど躍動感あふれる姿を期待したい。
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【Dブロック】超激戦ブロック!美里工vs八重山商工など好カード続々
浦添商が第三シード
今大会一番の激戦区となったのがDブロック。
中でも好カードとなるのが美里工と八重山商工の試合に、沖縄尚学と美来工科の試合だ。
新人大会で、ライバルである八重山が優勝したことで、八重山商工ナインに火がつき工業大会で優勝。
黒島 志門、森田 虎之介の投手陣を前チームからキャッチャーを務める前栗蔵 知弘がリードしていく。
対する美里工は新人の2試合で合計12安打をマークした大田 浩二、伊佐 翼、屋我 翔也のクリーンアップを中心とした強力打線を形成しており、投の八重山商工、打の美里工という見応えある戦いが期待される。
仲宗根 登夢と吉田 遼が着実に成長の跡を見せるのが美来工科。加えて180cm80kgの巨漢田崎 憲吾が4番に座る打線も実りつつある。中でも一番の注目選手が、チーム一のヒットメーカーであり1番を務める武内 由伸。
その美来工科の挑戦を受ける沖縄尚学は、選手権で興南打線を7回2自責点に抑えた左腕諸見里 俊が柱となる。ここにもう一枚、右の柱が成長するとさらに盤石となる。
打線では仲西 莉音、知念 大河、砂川 リチャード、大兼久 亮平の巧打強打に優れる4人が中心。相手にとっては気の抜けない、県内随一のビックバン打線だ。
沖縄尚学はDブロックへ
ここに新人で美里工と延長14回を戦ったタイシンガー・ブランドン 大河率いる石川に、同じく新人で沖縄尚学を破った宮古、試合巧者の古豪・首里、そして昨年から活躍する仲地 玖礼らの嘉手納が入ったのだから、正直どこが勝ち上がってきてもなんら不思議ではない様相となっている。
そこにシードとして浦添商が君臨する。新人大会のチーム打率は.347と非常に高く、トップの古堅 宗磨から続く切れ目の無い打線は魅力たっぷり。
宜野座戦で終盤をキッチリと抑えた右の大嵩 博斗に、宮古戦で11奪三振をマークした左の嘉陽 伊緒と整備されつつある投手陣を、前チームから要として座る金城 慶也が引っ張る守りも秀逸だ。
優勝校と準優勝校は、鹿児島県にて開催される第137回九州地区高校野球大会に出場。来春のセンバツへと続く秋の戦いの火蓋は、もうすぐ切られる!
(文=當山 雅通)
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