【第97回選手権大会】ドットコム編集部が選ぶ選手権ベストナイン!
第97回全国高等学校野球選手権は東海大相模の優勝で幕が閉じた。今年は甲子園100周年に相応しく、大いに盛り上がった大会となった。長い夏が幕を閉じた本日、ドットコム編集部にて、大会ベストナインを選出!ベストナインに選ばれたのは、この選手だ!(※投手は右投手・左投手で選出しています)
ドットコム編集部が選ぶ選手権ベストナイン!
投 手:右 佐藤世那(仙台育英) 【2015年インタビュー】
左 小笠原慎之介(東海大相模)
捕 手:郡司裕也(仙台育英)
一塁手:清宮幸太郎(早稲田実業) 【関連コラム】
二塁手:富田直希(早稲田実業)
三塁手:山本武白志(九州国際大付)
遊撃手:平沢大河(仙台育英) 【2015年インタビュー】
左翼手:紀伊海秀(仙台育英)
中堅手:オコエ瑠偉(関東一) 【2015年インタビュー 前編 後編】
右翼手:豊田寛(東海大相模)
決勝に勝ち進んだチームのエースに相応しい佐藤 世那と小笠原 慎之介
佐藤 世那(仙台育英)
今年は、前評判の高かった選手が集うチームが、そのまま上位まで勝ち進む展開となった。ここまで評判通りに勝ち上がっていく年はなかなか珍しい。そのため、最後まで注目選手の活躍を追うことが出来たが、その分、選考も難航した。
まず、右投手のベストナインは佐藤世那(仙台育英)!そして、左投手のベストナインは、小笠原慎之介(東海大相模)。ともに甲子園決勝に導いたエースである。佐藤は右ひじの骨折があったが、夏前にしっかりと治した。打者を見て、ストレート中心、フォーク中心と考えながら投げることが出来る投手。四死球を出して走者をためるものの、そこから併殺に打ち取ることができるのがこの投手の強み。その粘り強さが決勝まで勝ち進んだ要因ともいっていい。
準決勝では勢いに乗る早稲田実業打線を6安打完封。なんといっても二死満塁のピンチに、牽制で二塁走者を刺したプレーは、さすがだった。今年出場した右投手の中では、間違いなく一番の投手だ。
小笠原 慎之介(東海大相模)
小笠原慎之介は、2回戦の聖光学院戦で最速151キロを計測。左腕ながら148キロ、149キロと出すようにストレートのスピードは圧巻。ストレートを当てられてヒットになるのが気になったが、ムキにならずスライダー、チェンジアップ、カーブを駆使して抑える工夫はみられた。それでも物足りなさを感じたのは、神奈川大会の活躍によって、小笠原ならもっと良いピッチングが出来るのでは?と周囲からの期待が高まった部分にあったのかもしれない。今後、さらに上のステージでの活躍も期待していきたい注目の左腕であった。
注目記事
・2015年秋季大会特設ページ
・第97回全国高等学校野球選手権大会特設ページ
内野手は、清宮・冨田の早実コンビ!さらに山本武白志も選出!
捕手は佐藤世那の持ち味を引き出す好リードをみせた郡司裕也(仙台育英)。2回戦の滝川第二戦では俊足の根来祥汰を刺したり、3回戦の花巻東戦では9回に盗塁阻止。さらに、準決勝の早稲田実業戦では二塁牽制をここぞという場面で指示したりと、守備で貢献する場面が多かった。強豪には好捕手の存在が欠かせないが、まさに、ファイナルまで勝ち進んだチームに欠かせない存在であった。
平沢 大河(仙台育英)
清宮幸太郎は2本塁打、8打点と一塁手として別格の成績を収めた。スケール感、勝負強さ、打撃技術の高さは上級生と比較してもピカイチの選手であった。
二塁手では準々決勝の九州国際大付戦で2本塁打を放ち、連日、キレの良い好守備を見せた富田直希(早稲田実業)を選出。なかなか注目されにくいポジションだが、攻守で魅せた富田は、文句なしのプレーヤーであった。
まだ、荒削りな一面はあったが、それを補うほどの長打力、打者としてのスケール感があり、今後の成長を見守っていきたい選手だ。
今大会は、遊撃手で、多くの好選手が目立った。選出に頭を悩ませたが、3本塁打を放ち、再三に渡り好守備をみせた平沢大河(仙台育英)を選出。平沢はパンチ力をウリにできる打撃技術の高さがあり、次のステージでも攻守で魅せられる選手としての活躍に期待したい。
紀伊海秀、オコエ瑠偉は今大会トップレベルの野手
左翼手は紀伊海秀(仙台育英)を選出。紀伊は1回戦の明豊戦で5打数4安打の大活躍をみせると、準決勝まで5試合連続安打を記録し、20打数9安打の大当たり。左翼手ではトップクラスの結果だ。長打・巧打を持ち併せた恐怖の6番打者として存在感を示した。
オコエ 瑠偉(関東一)
中堅手はオコエ瑠偉(関東一)。2回戦・高岡商戦で史上2人目の1イニング2本の三塁打、3回戦の中京大中京戦では1回表に誰もが抜けると思った打球を好捕するスーパープレーもみせた。準々決勝の興南戦では決勝2ランと走攻守でインパクトあるプレーで、球場を沸かせた。
右翼手は準決勝の関東一戦で本塁打を放った豊田寛(東海大相模)。走塁、守備ともに完成度が高く、まさに走攻守三拍子揃った外野手で、ライトを守る選手の中ではナンバーワンの総合力があるといっていいだろう。
今年は多くの逸材が集結した見応えある大会となった。また、大きな話題を集めた清宮も、とても1年生とは思えない打撃で、今後の成長も楽しみだ。来年も、甲子園に集まったファンをワクワクさせるような選手が多く出ることに期待したい。
(文・河嶋 宗一)
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