Column

清宮幸太郎だけではない!将来楽しみな【清宮世代】を一挙紹介!!

2015.07.29

 清宮幸太郎早稲田実に入学した2015年。今年の高校野球は異常に盛り上がりを見せている。これまでを振り返れば松坂世代や田中世代など、同世代の中で、突出した選手の存在により、その選手に追いつこうと多くの選手が努力を重ね、1人のスーパープレーヤーがいれば、その世代は逸材が多く出てきたが、今年の「清宮世代」もまた、多くの注目の1年生選手たちが出てきている。
今年は中学硬式、中学軟式でとびぬけた実力を持った選手がそのまま高校で実力を発揮していて、彼らが3年生になる2017年にはこれまで以上の逸材が出てくるのでは?と予想できる。そんな期待感を持って、今回、今年の1年生をピックアップした。早速、「清宮世代」の逸材たちをチェックしていこう!

清宮幸太郎が本物のスラッガーになるのは、これから

清宮 幸太郎(早稲田実)

 まず清宮幸太郎。この男がこれほど注目を集めているのは、父親がラグビーの名選手であったこと。そしてリトルシニア時代から長打力を武器にずば抜けたパフォーマンスを示し、その時から雑誌、テレビなどのメディアでも取り上げられてきた。お茶の間での知名度もすでに中学生の段階で高かった。各メディアが彼の入学、そしてデビューに合わせて取り上げたことから、清宮ブームは必然と起こるようになっていたのだ。

 デビューした駒大高戦(試合レポート)から多くの報道陣が集まった中で、3試合連続安打を記録。関東一高戦で特大の本塁打を放ち、さらに注目が集まった(試合レポート)。そして夏、各校のバッテリーは清宮だけには本塁打を打たれたくないという気持ちからか、徹底した外角攻め。あるいは中々本塁打を打てないコースへ投げ込んだ攻めをしていた。これほど注目された中で、結果を残せたというのは高校生ではなかなか出来ないことだ。

 ドラフト候補として注目された高校生が、そこから満足のいくパフォーマンスが出来ずに敗れている姿を多く見ている。
ドラフト候補だから打たなければならない、球速もマックスを見せ続けなければならないというプレッシャーを注目選手からは感じるが、やはり注目されてから結果を残すのはそれだけ大変なのだ。まして清宮は、他の選手たちと比べても、注目度が断然違う。その中で西東京大会で残した5割という数字は素晴らしいといっていい。清宮の比較対象は清原 和博松井 秀喜と高校でも、プロでも名をはせてきたスラッガーで、求められるハードルがずっと高い。

 だから本塁打0本に終わったことに物足りないと感じる方も多いかもしれない。清宮は厳しいマークをされる中で、自慢の長打力を示さなければならなかった。相手は厳しい攻めをする中でも、甘い球が来る。甲子園では、今度はその一球を仕留める鋭さを見せられるかがポイントとなってくる。

 とはいえ、野球ファンたちは、清宮がこれから本物のスラッガーになっていく過程を暖かく見守っていくことが必要だ。


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清宮以外に甲子園出場を決めた1年生たち

村上 宗隆(九州学院)

 では清宮以外で、甲子園出場を決めたチームの1年生プレーヤーを紹介すると、清宮と同じく長打力でアピールする九州学院村上 宗隆は初戦で満塁本塁打を放ち、自慢の長打力を存分に披露した。、また、神奈川大会優勝の東海大相模には、夏は登板機会はなかったが、左腕の安里 海もいる。既に130キロ後半の速球を投げ込む逸材。甲子園でベンチ入りするは微妙だが、秋へ向けて覚えておきたい投手であることには変わりない。

 また1年生ながら明豊の5番を打つ杉園 大樹も甲子園での活躍を期待したい。仙台育英の好内野手・西巻 賢二も面白い。東海大甲府も伝統的に実力のある1年生がベンチ入りする傾向にあり、前評判が高かった内野手・沖野谷 翔太、捕手・亀田 啓太、昨年の侍ジャパン代表の投手・秋江 諒摩の3人の甲子園の活躍ぶりにも期待したい。

 また早稲田実業では、清宮と同じくベンチ入りした速球派右腕・服部 雅生も184センチの長身から投げ込む好投手。選抜覇者で夏も甲子園出場を決めた敦賀気比からは村上 鉄平に注目。
2季連続の甲子園出場を決めた今治西は、金本 遼藤原 拓実の2人の右投手も活躍を見せることができるか。藤原は、同チームの藤原 睦来選手の弟で、兄と同じく180センチを超え、そして長打力もあり、楽しみな選手である。石見智翠館安藤 颯、1年生ながら決勝戦に先発。甲子園でも登板機会はありそうで、甲子園でどんな投球を見せてくれるか注目だ。春夏連続出場を決めた天理からは1年生ながらレギュラーを獲得した神野太樹を注目。選球眼が良く、無駄なボール球を手を出さず、鋭い打球を打てる強打者候補だ。

 甲子園出場がかかっている明徳義塾には、U15世界選手権侍ジャパン代表に選出された西浦 颯大が、走攻守でバランスが取れたプレイヤー。すでにベンチ入りしており、この夏、また秋へ向けて注目をしていきたい。


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横浜・増田、帝京・岡崎など逸材野手たちの活躍が光る

峯村 貴希(木更津総合)

 ここから出場はならなかったが、秋の大会で楽しみな1年生を紹介していく。
走攻守すべてで高いパフォーマンスを見せ、名門・横浜のレギュラーを獲得した増田 珠は昨年のU-15代表入りを経験。さっそくレギュラーを獲得し、準決勝の桐光学園戦で本塁打を放つなど、中心選手となった(試合レポート)。秋以降、パワフルなプレーを見せられるか注目をしていきたい。桐光学園では、好打者・渡部 遼人はリトル時代に清宮と同チームでプレーした。他にも攻守でセンスある動きを見せる逢坂 倫充、速球派右腕として期待がかかる大工原 泰成とレベルが高い選手が多い。日大藤沢には動きの良さが光る遊撃手・菅原 裕太も将来性が高い選手だ。

 東京では、8強入りに貢献した修徳の好捕手・宮本 博文、長打力のある高山 匠、また名門・帝京には4番に座った岡崎 心、右腕・大胡 優太と能力が高い選手が活躍を見せている。

 千葉県では、木更津総合の強打の三塁手・峯村 貴希、一塁手・山下 輝がレギュラーを獲得。峯村は名門の佐倉リトルシニア出身で、5回戦の成田戦では本塁打を放っており、楽しみなスラッガーだ。決勝に敗れたが習志野の4番・吉野 海都もパンチ力と勝負強さを持ったスラッガーとして楽しみな選手だ。

 山梨では山梨学院大附の栗尾勇摩は中学時代から速球派右腕として名をはせてきた選手。本格化するのはこれからだろう。大阪桐蔭では1年生ながらベンチ入りした右腕・香川 麗爾も将来楽しみな逸材。

 大阪では公立唯一のベスト4入りした大冠辻 晃志が注目。長打力があり、この2年で府内を代表する強打者になっていく予感をさせる強打者だ。

 

 ベスト4に終わった神戸国際大附は、1年生ながらベンチ入りした後藤 貴大は攻守のセンスの高さが光る内野手。また近畿大会でベンチ入りした森田 貴も将来が楽しみな選手。名門・東洋大姫路で、この夏3番を打った森田 陽太も、須磨東戦で3安打デビューを果たした強打者。

 さらに愛知の名門・享栄で1年生からベンチ入りする馬渕 泰希豊橋中央の1番を打つ長峯 樹生も活躍を見せている。そして選抜ベスト8の常総学院でレギュラーを獲得した陶山 勇軌も注目の選手だ。さらに新潟県にも楽しみな逸材がおり、日本文理の大型捕手候補・川村 啓真、そして加茂暁星には中学時代、Kボールの新潟選抜に選出され、そして同校ではクリーンナップを打つ遠藤 莞生も楽しみな選手だ。

 これほど名前が挙がるだけで、清宮世代は野手を中心に逸材が多いことが分かる。それだけに楽しみな世代である。挙げた中では投手の名前が少なかったが、投手は台頭するのは時間がかかる。指導者も早い段階から使うのではなく、じっくりと体作りをさせてから、野球選手として活躍できる土台を築かせデビューをさせたいと考えている指導者も多いことだろう。

 それだけに清宮世代で投手の名前が挙がるのは、今秋以降か、来年以降になってくるが、またこの秋も、有名選手だけではなく、全国のきらりと光る原石を持つ球児をどんどんピックアップしていく予定だ。

(文=河嶋 宗一


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この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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