Column

【第97回西東京大会展望】いよいよ8校が集結!注目度ナンバーワンの西東京を制するのは??

2015.07.22

 清宮 幸太郎選手の登場で俄然と注目が集める西東京だが、今年はシード校が10校と非常にレベルが高い年となっている。今年も初戦から激戦が行われ、ついにベスト8が出揃った。ここで8校の振り返りと準々決勝の見所をお伝えしていきたい。

日大三は投打ともに仕上がり順調、早稲田実業は最後まで打ち勝てるか?

清宮 幸太郎(早稲田実業)

 ここでベスト8のチームを振り返っていきたい。まず春季大会優勝日大三は、課題の投手力を改善してきた。桑村 和哉小谷野 楽夕の2人で固定させ、146キロ右腕の田村 孝之介はセンターに専念。野手として集中させることで打線はさらに強力となり、3回戦都立片倉戦は、好投手を攻略し5回コールド。4回戦の宿敵・日大鶴ヶ丘との一戦は、後半に突き放し快勝すると、5回戦では駒大高を10対2で破り自慢の強打を発揮している。ここまで接戦といえるのが日大鶴ヶ丘との対戦のみだが、準々決勝以降では、接戦となったときに打撃だけではなく、守備、走塁をきっちりと行い隙のない試合運びをすることが、2年ぶりの頂点へのカギとなるだろう。  

 ベスト8を決めた八王子は投打ともに順調に仕上げてきた。春季大会で取材した時、しっかりと夏へ向けての準備ができていると感じた。まずはエースの横森 拓也を一本立ちさせるために、1人で投げ通し、野手陣も競争を促すことで選手が大きく入れ替わった。この夏は1年生がメンバー入りしたように、夏に向けてかなり計画的にチームを仕上げてきた。3回戦の都立国立戦では10対0でコールド勝ち、4回戦都立総合工科戦では140キロ右腕の平井 成幸を攻略し、12対5でコールド勝ちを決めると、5回戦でも好投手が揃う早大学院を投打で圧倒し、9対1で勝利した。飛び抜けた選手がいるわけではないが、このチーム力の高さ、勝ち上がり方は不気味である。しかし接戦は一度も経験しておらず、1点を争う勝負になったときにどういった試合運びをするかがカギになってくるだろう。

 八王子にコールド負けした都立昭和は、夏に向けて力をつけてきた。初戦では、強豪・昭和一学園と対戦し6対1で破り、3回戦の桐朋をコールドで破ると、4回戦の都立狛江には5対3と接戦をモノにし、5回戦の錦城戦では、10対0のコールド勝ちと試合内容は向上している。3番菅波 詠介(3年)、4番林 寛(3年)を中心とした打線は強力で、準々決勝以降も打線が本領発揮となるか。

 早稲田実業は注目の清宮 幸太郎が10打数7安打。7月20日の試合では4打数4安打の大当たりで、三振をしないのが強みであり常に何かを残している。そして4番の加藤 雅樹も勝負強い打撃を見せており、打撃はベスト8入りしたチームの中でもトップクラスの凄味があるだろう。ただ課題は投手陣。失点は4、5、8と勝ち進むごとに多くなっており、打ち勝つ野球をしなければならないチーム状態となっており、好投手と対戦した時や打線が機能しない時にどのような試合運びをするかが不安な点である。不安を杞憂にさせるような打棒を見せていくことができるだろうか。

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[page_break:接戦を勝ち抜き、さらに地力をつけた東海大菅生、國學院久我山に注目! / 準々決勝の見所]

接戦を勝ち抜き、さらに地力をつけた東海大菅生、國學院久我山に注目!

勝俣 翔貴(東海大菅生)

 二季連続甲子園出場を目指す東海大菅生は5回戦の日大二との試合で、延長戦の末勝ち抜き、チームとして逞しさが出てきた。投打の柱・勝俣 翔貴日大二戦で本塁打を放ち、そして好リリーフを見せるなど、頼もしい活躍を見せている。強打の遊撃手・江藤 勇治、勝負強い伊藤 壮汰、長打力のある小磯 和貴など打撃力が高い選手が揃っており、十分に優勝を狙える戦力となっている。

 国士舘は高校通算54本塁打の中尾 将が注目だが、基本的に守り勝つチーム。5回戦世田谷学園戦でも2対1の接戦だったように、しぶとい試合運びを見せる。あとは中尾がどこで大爆発するかにかかっている。

 聖パウロ学園は自慢の強打で勝ち上がってきた。この夏も強打の捕手・菅野 岳史(2年)、ライトの岩渕 光(2年)、ショートの小川 聡志(3年)と打力が高い選手が揃っており、5回戦では18得点でコールド勝利。さらに調子を上げていきたいところだ。 

 國學院久我山は、佼成学園のエース・小玉 和樹を攻略。3対1で接戦をモノにしたように、守備力の高さが自慢。相手のチーム、選手の傾向を試合序盤でつかみながら、弱点を徹底的についた緻密な試合運びで、2年連続のベスト8以上を決めた。守備のキーマンは正捕手・了海 航(3年)。そして140キロ近い速球を投げ込み、強打の佼成学園打線を1失点に抑えた本格派右腕・植田 雄大(3年)。厳しいブロックを勝ち上がった地力の高さは本物だ。

準々決勝の見所

 最後に準々決勝の見所をお伝えしたい。日大三vs都立昭和の一戦は、昨秋のブロック大会以来の対決。この時は日大三が勝利しているが、都立昭和とすれば、春以降に磨きをかけた強打を見せていきたいところ。また日大三と渡り合うには無駄な守備ミスをすることなく、接戦に持ち込みたい。

 八王子vs早稲田実業の一戦も、昨秋の対決は5回まで0対0の試合展開から、後半に加藤 雅樹の本塁打などの長打攻勢で早稲田実業が勝利したが、八王子も投打で力をつけており、守備力という点では早稲田実業を上回る。とはいえ、早稲田実業は清宮、加藤としつこい打者が揃っており、終盤までもつれる試合展開が予想される。

 東海大菅生国士舘はお互い競り合いを制してきたが、ともにクリーンナップは長打力があるだけに、点の取り合いが予想されそうだ。
聖パウロ学園國學院久我山はチームカラーが対照的。聖パウロ学園はそのまま打で圧倒するか、そして國學院久我山は、弱点を徹底的についた投球など緻密な試合運びで聖パウロ学園の持ち味である強打を封じることができるかにかかっている。

 さらに白熱していく西東京大会。このハイレベルな大会を制するのはどの学校になるか。勝ち上がるのは、自分達の持ち味を貫き通すことができるかにかかっているだろう。

(文=河嶋 宗一

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この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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