Column

【第97回埼玉大会展望】1回戦ではもったいない好カード満載!8ブロックの見所を紹介!

2015.06.24

 激戦区の埼玉県の組み合わせが決まった。昨夏はAシードの浦和学院が3回戦に敗れたようにシード校とノーシードの差が殆どなく、どこが勝ち上がってもおかしくないのが埼玉県である。全体を見渡すと、力のある学校同士が初戦で対決するなど、好カードが多い組み合わせとなっている。8ブロックから好カード、好チームを紹介していきたい。

浦和学院ブロックは、南稜、昌平、川越工などしぶとい学校が揃う

江口 奨理(浦和学院)

 選抜ベスト4であり、関東大会優勝(試合レポート)の浦和学院大宮西と対戦。伝統的に堅実な野球を展開する大宮西ということもあり、油断はできない相手である。全国屈指の技巧派左腕・江口奨理、速球派右腕・榊原 翼、江口に負けない速球とスライダーを投げ込む左腕・小倉 匡祐とゲームメイクできる投手が3人いる。
野手陣では3番・津田翔希、4番・山崎滉太の2人を中心に上位下位切れ目のない打線は全国トップクラス。安定した守備力、そして俊足巧打の1番・諏訪 賢吉から機動力も仕掛けられ、走攻守の総合力はAクラス。試合運びも安定しており、2013年のチームに近い成熟度を誇っている。

 同ブロックのDシードの昌平は、この春の県大会浦和学院と対戦し、0対4と善戦を演じている(試合レポート)。また打線はつなぎの打線で、なかなかパンチ力ある選手が揃っている。夏に攻守で伸びてくれば、浦和学院にとっては怖い存在になりそうだ。初戦は大宮光陵と対戦する。

 このブロックには伝統校・川越工、伸びのある直球を武器にする好投手・横山尚輝擁する南稜も見逃せないチーム。南稜は攻守の総合力は高く、機動力も仕掛けられる。浦和学院からすれば、なかなか気が抜けないチームと対戦することが多くなりそうだ。

慶應志木・朝霞ブロックは強打の富士見が面白い

 このブロックも、力のある学校の対決が多い。
Cシードの朝霞今春の県大会3回戦で慶應志木と延長14回の激戦(試合レポート)を制したように、粘り強い試合運びがウリ。また春季大会で県準優勝の川越東に3対6の接戦(試合レポート)を演じており、それができるのも内外野の高い守備力があってこそ。この夏は打撃を高め、上位を狙いたい。投げては、Dシードの慶應志木は、伸びのある直球を持ち味にするエースの慶應志木石井 雄也と強気なリードと勝負強い打撃が持ち味の本岡 大二郎のバッテリーを軸に守り勝つ野球を展開する。初戦は大宮商・岩槻北稜・上尾鷹の台・上尾橘連合チームと対戦だ。

 また攻守にバランスが取れた坂戸西が創部2年目の細田学園が対決。1回戦からの登場の富士見は、強打者・橋本 秀一を中心に力強い打線が持ち味だ。

市立川越は星野と川越対決!上尾vs埼玉栄の好カードが実現!

 このブロックは、有力校同士の対決が多く、見応えある試合が期待できそうだ。好投手・木下 魁を軸に守り勝つ野球で、秋4強、春8強でCシードの春日部東秩父と対戦。

 若生監督が就任した埼玉栄は全員野球で勝負する上尾との対決となった。埼玉栄はエース・出井 敏博がどこまで一皮むけるか。
さらに面白いのは今春ベスト16で、140キロ近い速球を投げ込む登坂 航大の投球でロースコアの試合をモノにし勝ち上った市立川越と、抜群のスピードと強肩を生かした遊撃守備で盛り立てる内村 拓巳がチームを引っ張る星野の川越対決が実現。星野の内村は投手としても、135キロ前後の速球を投げ込む選手で、まさに投打の柱で、接戦に持ち込んでいきたいところだ。

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第97回全国高等学校野球選手権大会
僕らの熱い夏 2015
【ひとまとめ】2015年の全国各地の高校野球を占う!
[page_break:東京成徳大深谷・浦和実ブロックは、武蔵越生、県立川口、山村国際の3校が怖い存在/川越東と川越の川越対決と試合巧者・西武文理vs機動力・蕨の対決が注目]

東京成徳大深谷・浦和実ブロックは、武蔵越生、県立川口、山村国際の3校が怖い存在

落合 大地(東京成徳大深谷)

 Bシードで3年生部員17人だけでベスト4入りした東京成徳大深谷の初戦はしぶとい戦いが持ち味の所沢北と対戦する。
威力ある速球を武器にするエース落合 大地、リードと強肩が光る180センチの大型捕手・吉田 龍弘、170センチと小柄ながら、長打力があり、粘れて右打ちができる理想的な1番打者・高橋 滉斗と選手のレベルは高い。浦和学院川越東聖望学園を見て足りないと実感したのは、パワーの部分。少しずつ差を縮めて、以上の奇跡を起こすことができるか。

 Dシードの浦和実は、左腕・金井 修司、本格派右腕・南雲 郁弥の二枚看板、打線は長打力ある4番・横田 祥一を軸につなぎの打線で勝負する。県内でも強豪相手に健闘を見せるチームだけにあと1本が打てる勝負強さが欲しいところ。初戦は上尾南と対戦する。
同ブロックには、新鋭校・山村国際。試合が作れる浅見 侑星、長打力ある2年生4番・高橋 豪が注目の武蔵越生、投打で力のあるエース・中島 史也などポテンシャルが高い選手が揃う県立川口が同ブロックとなかなか厳しいブロックとなっている。

川越東と川越の川越対決と試合巧者・西武文理vs機動力・蕨の対決が注目

 関東大会準優勝のAシードの川越東はエースの高橋 佑樹だけではなく、右サイドの磯川 雄太が台頭。今春は、130キロ前後の速球、変化球をコントロール良く投げ分ける浅見 侑哉、同じくゲームメイクができる右腕・篠原 泰斗とゲームメイクができる投手が実に多いのが特徴である。打線では、打ち出すと止まらない福岡 高輝、一発がある駒崎 真也、期待のスラッガー・星野 裕帆など打力が高い選手が揃う。左投手への対応も高く、守りも安定している。

 激戦の埼玉を勝ち抜く戦力層は備わっている。初戦の相手は県内屈指の進学校であり、同じ川越市の県立川越と対戦することとなった。川越市民として見逃せないカードになりそうだ。

 またDシードの西武文理は高い守備力、粘り強い試合運びで、ベスト16入り進出(試合レポート)。
投手陣では右サイドの技巧派・廣瀬 秀大がしっかりとゲームメイクができるのが強みで、打線では巧打堅守の遊撃手・大塚 雄稀、ヘッドスピードの速さを生かして鋭い打球を飛ばす栗林 潤を軸にコツコツと点を重ねる。
西武文理は機動力あると対決。黒須 清人監督の独自の理論の下、築き上げてきたの機動力は西武文理にとっては脅威になるだろう。こちらも好カードといえるだ。

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[page_break:花咲徳栄は高いポテンシャルを夏に発揮することができるか/春日部共栄・正智深谷ブロックは本庄第一、西武文理などが上位進出を伺う]

花咲徳栄は高いポテンシャルを夏に発揮することができるか

大瀧 愛斗(花咲徳栄)

 伝統校・大宮東はこの春16強入りしてDシードを確保。突出した選手はいないが、接戦に強く、しぶとい野球を展開する。初戦はふじみ野と対戦。また伝統校・所沢商東農大三市立川口、強打者・中野 拓など打力ある選手が揃う狭山ヶ丘、好打者・小熊 隼人が注目の山村学園、夏になれば怖い埼玉平成など好チームが多い。

 また選手のポテンシャルの高さは県内トップクラスのCシード・花咲徳栄は、制球力が高い鎌倉 知也、本格派左腕・高橋昂也の2枚看板を笹谷 拓海がうまくまとめ、打線ではパンチ力あるセンター・大瀧愛斗、好打者・里見 治紀の2人を中心とした強力打線を夏をピークに持っていくことができれば、優勝争いに加わってくるだろう。

春日部共栄・正智深谷ブロックは本庄第一、西武文理などが上位進出を伺う

 昨夏の甲子園出場校でCシードの春日部共栄は、エースで4番の高野 凌治が軸となる。昨年のチームと比較すると一から作り上げたチーム。ケガで春季大会離脱した遊撃手・清水 頌太が復帰すれば、大きな戦力になるだろう。その間に伸びてきた内野手・関谷 将貴、左の強打者・桑原 寛、またこの、1年生ながらベンチ入りした俊足巧打のセンターの多田 祐大といった選手がどれだけ底上げできているか鍵になる。初戦は早大本庄と対戦する。

 しなやかな腕の振りから角度ある直球を武器にする武藤 直也擁する不動岡、左腕・北島 佳太の活躍で、この聖望学園と0対1の接戦を演じた埼玉松山、2年生強打者・中崎 響介、巧打が持ち味の田嶋 悟の2人を中心につなぎの打線で勝負する立教新座、ノーシードで迎える強豪・本庄第一、昨夏4強入りし、この春も左腕・若林 凌汰の活躍で、ベスト16入りしたDシード・正智深谷と注目校が揃う。

 春3位のBシード・聖望学園は強打の捕手・大野 亮太、ミート力が高い大野泰樹を2人にした打線はつながったときは止めらない。
投げてはエース・松本 龍尭はストレートとキレのある変化球をコンビネーションにする好投手で、失点を計算できるだけに大きな存在だ。総合力は高く、この夏も有力候補。あとはベンチ外だったが、投打に才能ある田島 匠が復活を果たすことができるか。このブロックには135キロ右腕・植月 竜平、左サイドの篠原 裕貴の二枚看板で勝負する春日部とこの春、南部地区代表決定戦で大宮東と2対3と接戦を演じた武南の対決が初戦で実現した。このベスト16のDシードの久喜北陽深谷と対戦する。

 埼玉県はこの、県大会に出場した41チーム。の出場チームが159チームであることを考えると非常に少ない。だから地区予選で負けた力あるチームが上位進出で勝ち上がることはおかしくないのだ。浦和学院の前評判が高い今年の埼玉だが、この夏も何か一波乱が起きそうな大会になりそうだ。

(文=河嶋 宗一

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この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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