【第97回新潟大会展望】中越を軸に展開される群雄割拠の新潟大会!
いよいよ開幕まで1カ月を切った第97回全国高等学校野球選手権大会新潟大会。飯塚 悟史(現横浜DeNAベイスターズ:インタビュー記事【前編】【後編】)を擁し、甲子園ベスト4(試合レポート)という輝かしい実績を残した昨夏の日本文理のような絶対的なチームがなく、群雄割拠の様相を呈している今年の新潟大会の展望を、昨秋、今春の公式戦の結果などから紐解いてみよう。
中越を中心に注目が集まる今春ベスト4勢!
上村 将太(中越)
「絶対的なチームはない」と書きながら、今大会は第1シード、中越を軸に展開していくだろう。昨秋、今春と連覇し、北信越でも2季連続ベスト4(秋季・春季)と強さを見せている。
強さの原動力の1つは、昨夏からのレギュラーが多く残った県内屈指の強力打線。俊足巧打のリードオフマン・入澤 武弘(3年)、チャンスに強く、パンチ力も兼ね備えた恐怖の3番・小林 史弥(3年)、春は不振も、潜在能力はプロも注目する長距離砲・齋藤 颯(3年)、5番に座る強肩の扇の要・波方 凌(3年)らが並ぶ打線は、抜け目がなく、どこからでも得点できる。
また投手陣も、小柄ながら130キロ台のストレートを低めに丁寧に集めるエース左腕の上村 将太(3年)に加え、今春の決勝で新潟県央工業(試合レポート)を完封した本格派・高井 涼(3年)が台頭。打線がいいだけに、2人を中心とした投手陣がどれだけ踏ん張れるかにかかってくるだろう。
この中越に決勝で敗れた新潟県央工業(試合レポート)は、投手陣が自慢。今春台頭した背番号10・堀 俊介(3年)は、スピードガン表示はそこまで特筆すべきことはないものの、強力北越打線相手にフライアウトを連発(試合レポート)。北越の各打者が手元で伸びるストレートに差し込まれていた。
130キロ台中盤~140キロ台の重いストレートが武器のエース・石橋 健哉(3年)とともにチームをけん引する。打線は、4回戦の北越戦(試合レポート)、準決勝の上越戦(試合レポート)でビッグイニングを作るなど、ここぞの集中力が光る。2番に入る主将の鈴木 大成(3年)は、チャンスメーク、つなぎ、クラッチと何でもできる巧打者だ。
好投手・庭山 希(3年)擁する小出、私学の雄・新潟明訓、昨秋ベスト4の巻に勝利するなど快進撃を見せた開志学園を敗り、ベスト4に名乗りを上げた十日町。その投打の中心はエースで4番の高橋 克幸(3年)。180cmを超えるスラリとした長身から投げ下ろされる角度のあるボールを低めに集める投球術を信条に、今春は2回戦(対小出)、4回戦(対新潟明訓)、準々決勝(対開志学園)と勝負どころで完投勝利を収めた。打線は、勝負強い5番・山田 貴一(3年)の前にランナーを貯められるかが鍵になりそうだ。
今春第2シード・日本文理に競り勝ち、ベスト4入りを果たした上越(試合レポート)。中でもエース・飯塚 亜希彦(3年)は県内屈指の好投手。MAX142キロのストレートと今冬に覚えたというチェンジアップを武器に強力日本文理打線を手玉に取った。今春準々決勝で延長10回完投後、準決勝では先発したものの、スピードがなく2イニングで交代。順位決定戦では登板せずと、連投に課題を残しているので、2番手以下の投手の育成が急務。4番・大平 駿弥(3年)を中心としたクリーンアップだけでなく、下位打線に入る主将の山沖 将史(3年)、捕手の細川 拳宝(3年)らも勝負強く、どこからでも点数を取れる打線も魅力だ。
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今春ベスト4以外の注目校!
星 兼太(日本文理)
今春ベスト4に入らなかったチームも有力校は多い。
昨夏代表校の日本文理は、投手陣の整備が課題。山口 尚輝(3年)、八幡 竜(3年)、川合 哲平(3年)ら最上級生投手陣が意地を見せられるか。1年から出場し続けているプロ注目の好打者・星 兼太(3年)、リードオフマン・荒木 陵太(2年)、1年生ながら正捕手を務めるスーパールーキー・川村 啓真(1年)ら強力打線が投手陣をカバーする。
北越は、3番・国松 脩人(3年)、4番・田村 将太(3年)、5番・水落 風雅(3年)の強力クリーンアップ、パンチ力のあるリードオフマン・山我 吉進(3年)、チャンスにめっぽう強く”野球を知っている”木戸 拓生(3年)らによる県内屈指の打線が自慢。エースの風格が漂ってきた江村 伊吹(2年)、伊藤 洸輝(3年)、大塩 悠太郎(3年)らタイプの異なる3投手でつなぐ。
2季連続でベスト8入りした加茂暁星は、今春に有力選手が入部。中でも入部以来4番に座る遠藤 莞生(1年)は、1年生とは思えない体躯で早くも圧倒的な存在感を示している。ほかにもガッツあふれるプレーでチームを盛り上げる主将の北沢 樹(3年)、細身ながらキレの良いストレートを投げ込む県内屈指の好投手・森山 涼(3年)らタレントが揃う。3番遊撃手・粟屋 麗(3年)の広角打法と遊撃守備は一見の価値あり。
ベスト4入りした上越に惜敗した新発田農業は、守備、走塁、送りバントなど堅実な野球で勝ち上がった。エース・西山 塁(3年)は直球、変化球を低めに集め、打たせてとるピッチング。最後は力尽きたものの、準々決勝での上越・飯塚 亜希彦との投げ合いは見事。昨秋~今春にかけて一皮むけた。
ほかにも、諸橋 慶多(3年)が投打の中心となる昨秋ベスト8の新潟、エース・佐藤 睦(3年)擁する新潟商、名将・松田 監督率いる村上桜ヶ丘、2季連続ベスト16止まりの新潟明訓、好左腕・庭山 希(3年)擁する小出、昨夏日本文理を苦しめた(試合レポート)エース・中村 光希(3年)の出来がカギを握る関根学園、新潟明訓で甲子園出場経験のある青年監督・川上 大輔が率い今春ベスト8の開志学園、下級生主体のチームで昨秋ベスト4の巻、今春は加茂暁星に惜敗した好投手・小林 稜(3年)擁する村松、2季連続ベスト16の実力校・柏崎工業など有力校は多い。
6/26(金)に組み合わせ抽選会が行われ、7/10(金)から開幕する群雄割拠の新潟大会を制するのは一体どの高校か。目が離せない!
6/26(金)の組み合わせ抽選会後、各ブロックの見どころを公開予定!そちらも要チェック!
(文=町井 敬史)
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