【春季大会展望】戦力拮抗の今年の大阪を制するのは?
177チームが鎬を削る全国屈指の激戦区・大阪。大阪桐蔭、履正社の2強を筆頭に甲子園でも戦える力を持つ学校がいくつも存在する。ほとんどの都道府県で春季大会は夏のシード権を懸けた戦いとなるが、大阪にシード権は無い。ベスト32まで北地区と南地区に分かれているだけで基本は完全にフリー抽選。そのため春季大会では強豪相手にエースを隠したり、レギュラー争いを続ける選手をスタメンで起用するなどの采配も十分に考えられる。
Aブロック:多数の有力校がひしめく
安達 陸(関大北陽)
有力校の力が拮抗しており最も展開が読みにくいブロック。東海大仰星、関大一、大阪偕星学園、東大阪大柏原、金光大阪、関大北陽などが上位進出の有力候補で、これらの学校はゾーンもバラけておりベスト8までは当たらない。逆に言えば早い段階で番狂わせが相次ぐ可能性もある。
文武両道を目指す上宮、大阪明星らも上位進出を狙う。関大北陽、上宮は昨秋から新監督を迎えており夏の初采配に弾みがつくような成績を残したい。
Bブロック:近大泉州・渡辺に注目
渡辺 巧(近大泉州)
上宮太子、近大附、大体大浪商が有力候補。いずれも上位まで勝ち進む力はあるが、ベスト8以降のトップクラスの学校を相手にどこまで戦えるかがカギ。
Bブロック最大の注目選手は近大泉州の渡辺 巧(3年)。高校通算42本塁打を放つ右のスラッガーで、投手としてもMAX143キロのストレートを投げ込むなど能力が高い。この4校はBブロックの中でゾーンが分かれておりぶつかるとすればブロックの準決勝(5回戦)以降となる。
コラムに登場する学校の野球部訪問は以下から!
履正社高等学校(2014年05月30日公開)
履正社高等学校(2014年03月25日公開)
履正社高等学校(2011年10月24日公開)
大阪市立桜宮高等学校(2012年06月30日公開)
大阪桐蔭高等学校(2011年05月27日公開)
Cブロック:履正社を桜宮が追う
寺島 成輝(履正社)
履正社は大型左腕・寺島 成輝(2年)を中心に溝田 悠人(3年)、永谷 暢章(3年)の両右腕が健在で主戦級が3枚揃う投手陣は鉄壁。打線の援護があれば上位進出は堅い。
その履正社とブロック決勝(準々決勝)で対戦することが有力視されるのが公立の雄・桜宮。新チームの公式戦初戦はスタメンに2年生がズラリと並ぶ中、ベンチ入り唯一の1年生・松井 満沙樹が4番を打った。2学年だけで部員数が100人を超える大所帯で松井も新チーム結成時はCチームだった。
松井以外にも練習試合で活躍した選手が多く新戦力の台頭に期待がかかる。昨秋は3回戦で敗れたため公式戦は7ヶ月ぶりとなるがどこまで底上げ出来たか。
Dブロック:昨秋のベスト4が集結
藤井 健平(大阪桐蔭)
大阪桐蔭、PL学園、大商大堺、大阪産大附と昨秋準決勝に勝ち残った4校全てがDブロックに固まった。選抜にも出場した大阪桐蔭は他校と比べてもノック時の送球の速さが桁違い。右翼手・藤井 健平(3年)を筆頭に強肩の選手が揃う。吉澤 一翔(2年)ら下級生にも打力のある選手が多く福田 光輝(3年)、青柳 昴樹(3年)が復調すれば大阪ナンバーワンの打線が完成する。
監督不在の戦いが続いていたPL学園は、校長兼任で監督代行を務めていた正井校長が退任し、新たに草野校長が指揮を執る。新入部員の募集を行わない中、エース・山本 尊日出(3年)を中心にどこまで粘れるか。この2校を昨秋ベスト4の大商大堺と大阪産大附が追う。順当に勝ち上がればPL学園と大阪産大附が早い段階でぶつかり、勝者が5回戦(ブロック準決勝)で大商大堺と対戦する。決勝で待ち構えることが予想される横綱・大阪桐蔭の牙城を崩せるか。
(文・小中 翔太)
コラムに登場する学校の野球部訪問は以下から!
履正社高等学校(2014年05月30日公開)
履正社高等学校(2014年03月25日公開)
履正社高等学校(2011年10月24日公開)
大阪市立桜宮高等学校(2012年06月30日公開)
大阪桐蔭高等学校(2011年05月27日公開)