2015年の高校野球を占う【香川編】 秋の四国王者・英明が他を引き離す中、三本松、観音寺中央らの逆襲なるか
昨秋は初の四国王者に輝きセンバツ初出場。明治神宮大会でも敦賀気比に善戦した英明(試合レポート)。2011年の香川西以来4年ぶりのセンバツ出場校輩出は、近年低迷期が続く香川県勢としてもこの上ない起爆剤となっている。
では、昨秋を見る限り県内独走気配の英明を止めるのはどの学校か?それとも、このまま英明が夏の香川も制し3年ぶりの香川大会優勝と春夏連続甲子園を決めるのか?
今季四国地区ベストチーム・英明に現状夏への死角なし
投手陣は最速141キロ・田中 寛大(3年)と最速139キロ・中西 幸汰の左腕3年生2本柱。打っては3番遊撃手の森山 海暉をはじめ、軒並み公式戦打率3割以上が並ぶ重量打線。チーム結果に加え選手個々の力を見れば現状、英明が四国地区のベストチームであることに、誰も異論を挟む余地はないだろう。
すでに夏の第2シード以上も確定。センバツと春季四国大会でさらなる経験値も積むことができる彼らに現状で夏の死角は見当たらない。
少しでも英明との差を詰めたい三本松、観音寺中央など
三好 大倫(三本松)
春季県大会では優勝チームが夏の香川大会第2シード以上と春季四国大会出場権を獲得。準優勝チームが夏の香川大会第3シード。3位決定戦勝者が夏の香川大会第4シードをそれぞれ獲得することになる。英明との差を少しでも詰め、夏により有利な状況で対戦するためにも、39校は自ずと3位以上を目指すことになるだろう。
その中で優勝への最短距離にあるのは昨秋県大会準々決勝で英明を瀬戸際まで追い込んだ三本松か。投打に巧みさが光る左腕・三好 大倫(3年)を中心に、バランスのよい戦い方ができる。県春季大会の同ブロックには昨秋は投手陣の故障者続出で苦しみ、あと1勝で四国大会出場を逃した尽誠学園や、その尽誠学園と緒戦で対戦する名門・高松商などがいる。尽誠学園であれば2年生4番・宮川 魁成(左翼手)、高松商であれば1番中堅手のスピードスター・安西 翼(2年)のような試合のムードを変える選手たちを三好がいかに抑えるかが、ポイントになりそうだ。
昨秋県大会準優勝の観音寺中央の屋台骨を支えるのは182センチの大型右腕・藤井 亮(3年)。昨夏はケガで登録を外れ秋にようやく復活を遂げた藤井の状態が上がってくれば、センバツ初出場初優勝に続き春夏連続甲子園出場を果たした1995年以来、20年ぶりの甲子園出場がグッと近づいてくる。
昨秋県大会3位・四国大会でも高知に善戦健闘した志度は、桒嶋 流星・井原 壮一郎の右2枚看板と、4番も務める岸田 大樹とのバッテリーが生命線。まずは190センチ右腕・杉本 大樹、182センチ左腕・高田 篤志の3年生長身投手をそろえる難敵・藤井学園寒川との緒戦に全力投球し、ここでの勢いを上位進出につなげたい。
今回のコラムに登場した学校の野球部訪問は以下から!
大手前高松高等学校(2014年05月23日公開)
県立坂出高等学校(2014年01月08日公開)
県立小豆島高等学校(2012年06月25日公開)
英明高等学校(2011年05月04日公開)
侮れない小豆島勢に、好選手たち
西口 ひかる(坂出商)
今季は土庄、小豆島の2校いわゆる「小豆島勢」も侮れない存在だ。土庄はテンポと制球力に優れる左腕・児玉 知信(3年)が大黒柱となり昨秋はベスト8。小豆島も俊足を買われ昨秋は1番に起用された左腕・長谷川 大矩(2年)をはじめ、ポテンシャルの高い選手たちが控える。
また、昨秋3回戦で観音寺中央打線を8回まで1点に抑えた高松中央・森崎 友星(3年)は、昨秋時点で四国内において5人程度しかいない「最速140キロ以上高校球児」の一人。一昨年秋の県大会優勝の原動力となった左腕・鍋島 巧(3年)擁する坂出と、力のあるストレートを持つ右腕・香川 瑞貴を擁す大手前高松は春季県大会緒戦で激突する。
さらに一昨年秋の四国大会経験者である1番・三塁手の三谷 真也(3年・主将)、4番エースの大野 夏都(3年)がいる高松一、昨夏甲子園を経験した4番・遊撃手の上中 裕貴(3年・主将)、エースの西口 ひかる(3年)がいる坂出商も昨秋県大会2回戦で三本松に4点差をひっくり返された(試合レポート)悔いを胸に春以降のリベンジへ挑む。
なお、春季県大会は2月20日(金)の抽選会を終え、センバツ出場の英明を除く39校の参加が確定。予定では3月20日(金)から3月31日(火)まで、[stadium]レクザムスタジアム[/stadium]と3月3日(月)にNPBオープン戦・阪神タイガースvs福岡ソフトバンクホークス戦でこけら落としを迎える[stadium]丸亀市民球場[/stadium](四国コカ・コーラボトリングスタジアム丸亀)の2会場を使用。その優勝校と英明は4月18日(土)に[stadium]レクザムスタジアム[/stadium]で、夏の第1・第2シードも決する四国大会出場校順位決定戦を開催。両校は5月2日(土)から3連戦で[stadium]坊っちゃんスタジアム[/stadium]において開催される春季四国大会にも出場する。
「英明1強」の雰囲気が漂い始める中、この春季県大会でどの学校が逆襲の烽火を上げるのか。最終的には香川県勢全体の実力アップ絶好の好機と前向きにこの現状を捉え、全国を見据えて努力できた者が、夏の甲子園で戦う権利を得ることができるだろう。
(文・寺下 友徳)
今回のコラムに登場した学校の野球部訪問は以下から!
大手前高松高等学校(2014年05月23日公開)
県立坂出高等学校(2014年01月08日公開)
県立小豆島高等学校(2012年06月25日公開)
英明高等学校(2011年05月04日公開)