第84回選抜大会~組み合わせ決定!大会日の見所~
序盤から熱戦必至!!1日目第3戦には「みちのく」vs「なにわ」のダルビッシュ
藤浪晋太郎(大阪桐蔭)
第2戦目は関東大会王者・浦和学院―北信越大会王者・敦賀気比。対照的なカラーを持ったチームとの対決。浦和学院は佐藤 拓也、石橋 司、笹川 晃平のクリーンナップだけではなく、木暮 騎士、竹村 春樹といった嫌らしい打者が前後を打ち、打線は切れ目がない。敦賀気比は左腕・山本翔大、140キロ右腕サイドの岸本 淳希の二枚看板で強力打線を凌ぐ。
第3戦はビッグな対決が実現した。「みちのくのダルビッシュ」と呼ばれる花巻東・大谷 翔平、「なにわのダルビッシュ」と呼ばれる藤浪晋太郎の巨星対決が初戦。しかも開幕日に決定した。両チームの対戦が決まった時、野球ファンの間で大盛り上がりとなった。初戦に対する重圧も気になるが、奇しくもダルビッシュと呼ばれる二人にとってはアドレナリンとなって、我々が予想する以上のパフォーマンスを披露してくれるに違いない。
どちらか一人が消えるのはとても惜しいが、ぜひ全国の高校野球ファンはこのカードを存分に堪能していただきたい。
(第2日)
第1試合は九州学院対女満別。女満別のエース二階堂 誠治は最速145キロ右腕。その右腕に対し、九州学院は萩原 英之、溝脇 隼人を中心に形成された強力打線で迎え撃つ。結果はともかくとして、今まで全国舞台の経験がない二階堂にとってハイレベルな打線と対戦するのは、この上ない大きな経験になってくれるに違いない。
第2試合は天理対健大高崎の対決。エース中谷 佳太、140キロ右腕・山本 竜也の二枚看板、打者では188センチの大型遊撃手・吉村 昂祐を擁する天理と、技巧派右腕・三木 敬太と、その三木の持ち味を存分に活かす長坂 拳弥は天理打線をどうしのいでいくのか。試合巧者同士の対決で、見応えのある対決になりそうだ。
第3試合は21世紀枠出場の石巻工業は、九州大会王者の神村学園と対戦する。石巻工・エース三浦 拓実が神村学園の強力打線に対してどこまで粘れるか。平藪樹一郎、柿澤貴裕の二枚看板に対し、粘りのある打撃を見せていきたい。
中盤は今大会注目左腕登場!甲子園初出場校の実力にも目が離せない
天理
第3試合の近江対高崎。近江は村田 帝士、広瀬 亮太、山田 将太の三枚看板に注目。4番藤原 隆蒔が打線を牽引する。31年ぶりの選抜出場の高崎。エース島田 智史はスローカーブではなく、キレの良いストレートを投げる本格派右腕。130キロ前後のストレートを速く見せる頭脳的な投球が光る。ポテンシャルの近江か、それとも頭脳的な野球で勝負する高崎か。面白い対決だ。
(第4日)
明治神宮大会覇者の光星学院は北照と対戦。ハイレベルな打撃力を誇る光星学院は、投手陣・守備面が仕上げられるか。北照は技巧派左腕・大串 和弥がどこまで光星学院の強力打線を凌げるか。打者では打率.632をマークした吉田 雄人の打撃に注目が集まる。
通信制として初の甲子園出場の地球環境は近畿大会ベスト4の履正社と対戦。地球環境はエース漆戸 駿は最速140キロに近いストレート、縦横のスライダーで勝負する本格派右腕。俊足強打の大滝 勇佑が打線を牽引する。毎年ハイレベルな打撃を誇る履正社。秋季大会で田村 伊知郎(報徳学園)をKOしている。熊本 颯、原田 涼平、小保根 誠が中心となって打ち崩せるか。
今大会注目左腕・濱田 達郎を擁する愛工大名電は宮崎西と対戦。走攻守の総合力が高く、今大会優勝候補として注目される。宮崎西は突出した選手はいないが、頭脳、戦術を駆使して立ち向かっていきたい。
[page_break:終盤]終盤は強豪校勢ぞろい!2回戦の組み合わせは?
作新学院
(第5日)
関東大会ベスト8の横浜は高知と対戦。エース柳裕也、田原啓吾の二枚看板に、ねちっこく選球眼の高い打者が揃った今年の横浜は嫌らしい。高知は坂本 優太、市川 豪の二枚看板を形成。和田 恋、法兼駿、岡崎賢也のクリーンナップは強力。実力派チームとの顔合わせで、見応えのある試合になりそうだ。
第2試合の聖光学院対京都鳥羽。聖光学院は安定感抜群のエース岡野祐一郎を擁する守備型のチーム。対する京都鳥羽もエース五味 拓真もスピードはないが、淡々と打ち取る技巧派右腕。公式戦・練習試合を通じて11本塁打を打った、枝 勇樹智弁学園戦で本塁打を打った花田 圭亮がキーマンだ。
第3試合は元プロの大越基監督が率いる早鞆と、大型戦力が揃う智弁学園との対決。エース間津 裕瑳は大越監督の指導により心身ともに逞しくなった140キロ右腕。140キロ前後の速球、キレのあるスライダーのコンビネーションで勝負する。ショートストップ・宮崎竜之介に注目だ。
智弁学園はエース青山 大紀が投打で引っ張る。秋は故障により野手としてプレーしたが、選抜では万全の調子で臨みたい。選手権で打ち込まれたリベンジを果たそうと燃えている小野 耀平、正捕手の中道 勝士も中心選手としての活躍が期待される。見応えのあるカードとなりそうだ。
(第6日)
1回戦の最終カードは関東一と別府青山の対決。関東一の中村祐太は帝京に1安打完封を成し遂げた本格派右腕。真っ向から振り下ろす135キロ前後のストレートは手元まで失速しない。長打力のある秋山 翔太、伊藤大貴、安西航洋が一皮むけたい。別府青山は笠原大芽を攻略した好チーム。主戦候補の中村 太亮が関東一の打線を抑えていきたい。
以降は2回戦。組み合わせを見ていくと、実力校が各ブロックに散らばり、2回戦以降も楽しみなカードが続く。昔から「大会は準々決勝が一番面白い」といわれてきた。今大会はその格言が頷ける大会だと強く感じる。
大阪桐蔭、花巻東が集まるブロックではどの学校が勝ち進んでも、高校ファンにとっては注目。実力が高いチームが揃うが、準々決勝までは簡単に勝ち進めない一番厳しいブロックだ。
天理、健大高崎、神村学園、作新学院が集まるブロックは、実力校同士の対決が予想され、まさに玄人好み。
愛工大名電、光星学院のブロックは順当にいけば、準々決勝で両チームの顔合わせが実現する。それを阻むのが北照、履正社となるだろう。
最後のブロックには横浜、高知、関東一、智弁学園、聖光学院の強豪校がずらりと揃う。
今大会はいきなり個人の対決で大きく盛り上がりを見せ、そして準々決勝以降から実力校同士の対決で盛り上がる。最初から最後まで見逃せない面白い大会になりそうだ。