第84回選抜の選考を振り返る【21世紀枠 編】
21世紀枠 出場枠3・候補校9
洲本
12年目を迎えた21世紀枠は、全国の候補校9校から3校を選出した。
例年の過程では、選考理由説明会の後に、特別選考委員全員が順位づけをする作業がある。
東日本(北海道~東海・北信越)からは石巻工業(宮城県)。まず5校から3校に絞り審議。その中で、東日本大震災の被災という極めて困難な状況を克服し、着実に実力をつけ、被災者を励まし続けている点が高い評価を受けて委員の全員一致で選らばれた。
西日本(近畿~九州)からは洲本(兵庫県)。
まず上位2校を対象に審議。両校とも甲乙つけがたいとの声があがったが、阪神・淡路大震災当時に生まれた生徒が主力となり、県内の強豪校と互角に戦い続けている点が高く評価され、選出となった。
地域を限定しない3校目は大激論となり、残った7校から話の流れの中で4校に絞られ、審議が繰り広げられた。21世紀枠選出の意義にまで踏み込んだ議論が続いた結果、小規模校で寒冷地の中で頑張っている女満別が最終的に全員一致で推された。選考理由説明会で発表された事に加えて、選手が入学してから引退まで毎朝、前日の夜に書いた反省カードとその日の目標カードを監督に提出する『800日カード』が明らかにされ、選手は1枚1枚の積み重ねを実感しながら自信に繋げていると高い評価を受けた。
また、21世紀枠では選出されなかったが、高崎(群馬県)と宮崎西(宮崎県)が一般枠で選出された。
最後に惜しくも甲子園出場は決まらなかったが、小松、広島観音、大垣西、金沢西の4校、それに各都道府県で推薦を受けた38校にも21世紀枠の候補校をなったことを誇りにして、夏を目指してほしい。
(文=高校野球ドットコム 編集部 )